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ゼロから始める伊賀の米づくり38:湿地化しつつある田んぼを秋起こし

9月初旬に収穫と出荷準備を終え、晩秋。

田んぼをトラクターで鋤き込む「秋起こし」を行うことにしました。

我が家の田んぼの一つは、U字溝および畦の劣化によって水が染み出してしまい、半ば湿地のようになっています。

さながらビオトープのようになっている田んぼ

早く塞いでカラッと土を乾燥させたいと思いながら、対策の時間を取れずに今日に至ってしまっています。

とはいえ、稲刈り後に再び再生しつつある蘖(ひこばえ)や稲藁をトラクターで鋤き込んでしまうことで、土に還さなければ蘖は地中の栄養を吸い出してしまいます。

トラクターの車輪が沈まないように、また、回転する爪が泥に取られないように細心の注意を払いつつ、秋起こしを決行することにしました。

蘖が伸び始め、再び田んぼが黄緑色に染まりつつあります。

ご近所の田んぼは山の中の非常に粘性の高い土のため、今回のようなことはできません。

父から継いで3年目の今だからこそ、我が家の田んぼの土と機械の状況を把握し、「どうにかやれそうか…」とギリギリでやれているような感覚です。

およそ半分をトラクター で耕し終えたところ。

いざ、トラクターで耕し始めてみると、一目瞭然。

黄緑色の蘖や稲藁が土の中に鋤き込まれ、きれいに色分けされたようになっています。

秋起こしを行った後の朝の様子。日が上り、霧の晴れていく時間帯です

すべて耕し終えてしまうと、このような具合になりました。

やはり難所は取水口近くの水分の多い泥の部分でした。

トラクターが土を耕す際、当たり前ですが土から機体への抵抗が発生します。

泥にタイヤが取られたり、回転する爪が取られたりすると、エンジン音が甲高くなり、悲鳴を上げます。

回転爪は人力以上のとてつもないパワーを発揮しますが、田んぼの泥はさらに強いです

そのまま何もしなければエンストを起こし、泥の中で立ち往生してしまいます。

運転中は、前方を眺めつつエンジン音に耳を澄ませ、泥の部分に差し掛かった時はレバーの操作で回転爪をやや浮かせ、難所を乗り切ります。

運転席右手にある油圧レバー

また、トラクターのロータリーはその機能上、土を掻き出して後方に吹き飛ばす仕組みになっています。

そのため、平らな田んぼにするため、土の寄りやすい四隅などは細かくレバーを操作しながら均等に土が行き渡るように注意します。

さて、無事にぬかるんだ田んぼを攻略することが出来たら、次は神社前の田んぼです。

地元の神社の真前にある我が家の田んぼ

こちらは特に水漏れも起きておらず、順調に進めることが出来ました。

一通り終えて水漏れのある田んぼと見比べてみると、土の色がこちらは明るく、ベージュがかった色をしていることが見て取れます。

さらに乾燥が進めば白色に近い状態になります。

こちらも無事に終えることが出来ました。

さあ、これにて年内の田んぼのメンテナンスはほぼ終了です。

この後は、耕した後の乾燥した土から石を拾うなどの作業もありますが、こちらは時間を見つけて行うこととします。

問題は、やはり水漏れですね。

手作業の畦塗りも必要になるかもしれません。

PCでのリモートワークなどを駆使しつつ、時間を作って取り組んでいきたいと思います。


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