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しゃべるのが苦手な人のための職場の雑談入門 0.はじめに


はじめに

本来、仕事に雑談には必要ない。理論上は業務に必要な情報の伝達さえできていれば、それ以外の場では、挨拶をしなかろうが、無言だろうが、懇親会を毎回欠席しようが仕事は回っていくはずだ。

ところが現実の職場は全然そんなことはないことは、経験上、誰もが知っている。雑談や懇親会によって職場の人との距離が縮まることで業務情報の伝達もスムーズになるし、ときに重要な情報が雑談からひょっこり出てきたりする。雑談は情報伝達の布石や潤滑油の役割を果たしている。

そして意外に多くの人たちが、情報を伝達することを目的としないこの「雑談」の重要性を痛いほど理解していながら、同時に雑談を苦手としている。特に理系の人には雑談を苦手としている人が多い印象だ。

本当はもっと職場の人との距離感を縮めたい、懇親会でなかなかしゃべれない自分をもっと変えたいとは思っていても、具体的に何をすればよいのか雑談の糸口をつかめない人も多いのではないだろうか。

この記事は、そういった人たちに向けて「仕事に必要な」最低限の雑談を身に着けるための技術論を展開する。特に役職が下の技術職や専門職のような理科系の若い人を想定している。

営業職としての会話のスキルをあげるとか「おしゃべりが面白くできるようになる」とか「人前で話すのがうまくなる」とか「場を盛り上げるのがうまくなる」ということを目標にはしない。

この記事を書いている私自身も「おしゃべりが面白いとか」「人前で話すのがうまい」と言われることもないし目指してもいない。自分の雑談力は、技術職としてはしゃべれるほうだが、営業職でみるとしゃべれないほう、くらいだろう。

本記事はただ円滑な業務の布石として雑談の重要性を感じ「どうすれば業務に必要な雑談ができるようになるのか」を私自身が考察・実践してきた中で身に着けた雑談の技術を整理したものである。

この記事で話したいこと

これからいくつかの記事で私の考える雑談の基本となる考え方を述べていく。基本の話なので、社会人経験が豊富な人にとってはこの記事の内容は実に凡庸で冗長に見えることをはじめに断っておく。

1.雑談の目的

雑談の目的とは / 職場の雑談で求められること

職場での雑談とプライベートでの雑談とで何が違うのか、どのようなことを目的に雑談を行うのかについて書いている。

2.雑談の心構え

自分に付けた仮面をとる / 失敗を恐れない / 雑談を楽しむ

職場の人と話すのに気後れしてしまう人に向けた心構えのページ。

3.雑談を作る技術

雑談のきっかけを作る / 雑談のパターン / 観察してまねる

職場ではじめて相手と雑談するまでどうやって関係性を築くかの基本的なやり方と短い雑談を交わす方法について。

4.長い雑談をする

会話を準備する / 聞き役か話し役か / 会話を準備する方法

懇親会のような場でうまく喋れない人に向けた話題の提供方法。

5.NGな雑談

特定のグループとだけの会話 / 距離感が近すぎると思われないために / してはいけない雑談

少し雑談ができるようになったと感じたときに振り返りたい、職場の雑談で避けるべき内容について。

6.NGな会話との付き合い方

相手から好ましくない話題をふられたときの対処法を温和な方法から過激な方法まで順番に考えていく。


7.話しかけやすい人になる

自分から話しかけるのではなく、相手から話しかけてもらう人になるにはどうすればよいか。

8.より高度な考え方

マネジメントを目指すときの考え方や難しい場面での対処といった、雜談を超えて職場でのコミュケーション一般の概論。

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