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私がエンタメ系サブスクリプションを怖がる訳

エンタメ系サブスクリプションの甘い誘惑

最近、ほんとに増えましたね。
サブスクリプションとはある一定の期間に対して対価を払う仕組みのこと。
ドリンク飲み放題から、動画見放題、車乗り換え放題まで、ありとあらゆるものに「定額制」が導入されています。

多岐にわたるサブスクリプションですが、今回はエンタメ系のサブスク(特に書籍)に絞ってお話をしてみたいと思います。

実は、私自身はエンタメ系のサブスクには手を出さないというポリシーを持っております。
あの王道の某プライムにも手を出していません。

いやでもお得でしょ?
すぐ元が取れるのに?

そんな声が聞こえてきそうですね。
コスパいいですよ。正直、誘惑に負けそうになるときもあります。

なので、上手に節約して上手に活用できる人たちを否定するつもりは微塵もありません。

ただ、私の場合は、うまく付き合う自信がないのです。


本を読む時間は限られている

時間て、有限ですよね。

エンデのモモを大人になって再読した時から、私の人生のテーマは「時間泥棒に時間を奪われない」になりました。

私が本を読める時間は限られています。

それなのに、もし月額数百円の定額読み放題を契約してたら、無料で読める本の範囲でしか本を選ばなくなるような気がしたのです。

本当に読みたい本が読み放題にはなく定価を支払う必要がある時、定額読み放題にまあまあ読みたい本があったら、本当に読みたい本ではなく、まあまあ読みたい本をきっと選んでしまう。

次の月も、また次の月も。それが続く。

本当に読みたかった本を読む機会と時間を奪われるわけですから、これは新手の時間泥棒と言えるのかもしれません。
本を選んでるのは自分だから、泥棒されているという認識も持ちにくい。

サブスクを提供する側が読み放題にチョイスする本に、もし偏りがあったら、いつしかその偏りに染まっていく可能性もあるわけです。でも本を選んでいるのは自分だから、それもきっと気が付かない。

書籍だけでなく映画も同様ですね。
良質な映画を見る時間を、可もなく不可もない映画を観る時間に奪われる、と考えると分かりやすいかもしれません。


書籍データベースは最後の砦

私たちは新聞やテレビのニュースが、嘘を言わない代わりに、大事なことを伝えないという方法で、こっそり世論を誘導するということをある程度認識しています。

ネットのページもアクセスのしやすさは決して平等ではなく、資本の力や広告代理店の力で、本当に知りたい情報にアクセスしにくい時代になりました。

今の時点で検索結果が比較的平等なのは、書籍のデータベースだと思います。

今はまだ、誰かにとって都合の悪い本であっても検索できないような状況にはなっていない。これは救いです。

ところが、元がとれるから、コスパがいいからと、定額読み放題を契約すると、私はその広い書籍の海から本を探すことをやめて、提供された小さなプールで本を探すことになってしまうのではないか、、、

怖い、と思いました。

私はそんなに裕福じゃないので、書籍はまあまあ贅沢品です。
でも古本を利用したり、図書館で借りたり、高価な本は図書館にリクエストしたりして、何とか凌いできました。

その色んな手間を面倒くさがるようになり、安易に手に入る読み放題の本ばかり読むようになってしまうのではないか、と、自分に自信が持てませんでした。

だから今はやめておきます。

どの本も全て対象の定額制があれば、その時はまた考えますが、それはそれで思想のビッグデータ収集や何か別のことを気にしなきゃいけないでしょうね。

結局、手は出さないままかもしれません。

我ながら小心者なのです。


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