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【第2章-お金と仕事の仕組み-第6節】仕事とはなにか

私たちは高校や大学を卒業した途端、社会人の一員となり、労働という義務を負う必要がある。一般的な職業を例にあげても、会社員、自営業、経営者、弁護士、作家、料理人、お笑い芸人、アスリート、ミュージシャン、デザイナー、など様々である。

「職業の数だけ人生がある」と言っても過言ではなく、職業とは生き方そのものである。そのため、多くの学生は「自分には何が向いているのか?」「どの仕事を選べば幸せになれるのか?」という迷いを感じているはずだ。

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[学生が憧れる職業]

10代の学生は、メディアや大人から得た数少ない情報を元に、漠然としたイメージで「将来の夢」を思い描く。例えば小学生においては、「医者」「保育士」「サッカー選手」「芸能人」「Youtuber」など、最も身近に「外部の世界」を覗くことができる「テレビ」や「インターネット」の情報を参考にする。中学生は「芸能人」「教師」「会社員」「公務員」「調理師/パティシエ」「看護師」など、少しばかり現実的な職業を目標にしている。

高校生になると、「プログラマー」「エンジニア」「研究者」「教師」「弁護士」「薬剤師」「看護師」「栄養士」「カウンセラー」など、具体的な職業が明確となり、それに応じた進路を決定する。進学先で専門教育を受けた場合には、ほとんどの人間が学んだ内容を活かして就職することになる。

しかし大学生においては、就職活動を始めるまでは具体的な進路は未知数であり、「有名企業への就職/インターン」「ベンチャー企業を起こして経営者となる」「俳優や芸能人としてデビューする」「大学院への進学」などを漠然と想像する。

これらの学生たちの「意思決定」は大抵の場合、テレビ番組や書籍、周囲の大人たちの影響を受けている。なぜならアルバイトや職業体験を除き、学生の大部分が実際の勤務経験に乏しいからだ。

そのため、メディアから受ける情報から、「かっこいい(憧れ)」「人気がありそう(社会的名声)」「やりがいがあり面白そう(娯楽性)」「人の役に立って喜ばれてそう(承認欲求)」「お金がたくさん稼げそう(金銭的報酬)」という願望が満たされそうな職業に憧れる。

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[職業ドキュメンタリー番組はプロモーションビデオ]

例えば「プロフェッショナル仕事の流儀」「情熱大陸」「ミュージックステーション」「カンブリア宮殿」「アナザースカイ」などのテレビ番組に登場する仕事人に対して、強烈な憧れを持ち、「こんな仕事をしてみたい」「こんな大人になりたい」という憧れを持つ。

しかしこのようなテレビ番組は、視聴率を得るために「かっこいい場面」「視聴者受けする場面」「感動を与えられる場面」のみを編集している。そのため、「地味で泥臭い業務」、「退屈なシーン」、「不快感を与える部分」などを極力排除し、ドラマチックになるように構成されている。

もちろん、仕事人の反省や挫折・失敗なども織り込まれているが、「視聴者に感動を与える」というのが目的である。つまりディズニーアニメのような、「意図的に感動を生み出すために創られた番組」であり、実際の業務においては、想像を絶する苦難が待ち受けている。

学生達のみならず、多くの社会人もこれらのテレビ番組を見て感動し、憧れの対象として羨望の目を向けている。私もこれらの番組のファンであり、各業界の第一線で活躍する彼らに尊敬を抱いてはいる。しかし、あくまでもテレビ向けの人格と業務開示であることを忘れてはならない。

[すべての職業における共通点]

社会人生活を送る大人達が感じている疑問としては「なぜあの人は、あれだけの高収入を得ているのだろう?」「同じ職業でも、これだけ収入に差があるのは何故だろう?」というものがある。同じく8時間働いたとしても、受け取れる給料は職業によって大きな差が生じ、同じ職業であっても、人によって「収入」や「社会的地位」は、まったく異なっている。これはいったい何故だろうか?

実はすべての職業(仕事)には、収入や社会的地位に絶対的な影響を与える「ある共通点」が存在している。しかし、多くの社会人は、これを無意識に実行しているか、目の前の仕事を淡々とこなしている。そのため、この「法則(共通点)」に気付いていない。

本節では、「すべての仕事における共通点」を解説することで、「仕事の仕組み」を解き明かしていく。単純な法則であるが、これを知っているか、知っていないかでは、今後の人生に大きな差をもたらす事になるだろう。若ければ若いほど有利であり、読んだ方はなるべく多くの人に教えてあげてほしい。

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