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琥珀8:琥珀の過程

おはようございます。
今日も日差しの強さは変わらず、今日一日の暑さを予想させる。山形などでは雨の振り過ぎで水害懸念もあるようなので、今日も一日皆事故無く過ごせます様に。

さて、今日は琥珀が年月によって変わっていく過程を3つの段階に分けて見ていこう。

琥珀の前:コパール

琥珀の元樹脂は、油の成分やアルコール、そして酸によって構成されている。また没薬(もつやく)とも呼ばれるミルラ、乳香といった、においを放つ物質を福音でいる。これらの成分は揮発性物質と呼ばれ、簡単に蒸発しやすい物質で、樹脂から気体となって抜け出てしまう。その過程で、樹脂を作っている分子同士は互いに結合してより大きな分子になっていき、重合体(ポリマー)とよばれる大きな有機化合物へと変化していく。こうやってどんどん硬くなっていったものが「コーパル(copal)」とよばれる物質です。
コーパルはメキシコ語の「コパリ(copalli)」が語源で、「樹脂」を意味する言葉。コーパルももちろん化石に他なりませんが、比較的若い樹脂化石のため分子同士の結合がまだ弱く、揮発性の成分が少し残っている。このため物理的にはまだ不安定で、熱にも150℃くらいで溶ける。

その後、コーパルが揮発性の成分をとことん失って、分子同士がより強く結合してはじめてやっと琥珀となるのです。琥珀には揮発成分は全くないので、それ以上変化するということはありません。
つまり、コーパルと琥珀の2者の違いは、比較的年が若いものがコーパル、完全に化石化したものが琥珀という訳だ。
これらを見分けることは大変難しいとされているが、見分けるには標本にアルコールをつけてみる方法がある。エタノールなどを垂らしてみると、コーパルは揮発性の成分が含まれアルコールと反応してねばねばする一方、揮発成分が全くない琥珀はねばねばせず表面はつるつるを保ったままなので見分けることができる。しかし、そう言われてもいずれにせよ貴重な物にわざわざそんな実験みたいなこと怖くてできないよね、というのが個人的な本音。

特に古い琥珀:バーマイト

白亜紀後期、約1億年前の針葉樹由来の極めて古い琥珀はバーマイトと呼ばれて、琥珀の中でも特殊なものとして分類される。バーマイトはミャンマーで産出され、かつての国名であるビルマに由来し、ビルマイトまたはバーマイトとも呼ばれている。古い琥珀ながら、比較的透明度が高く、内部に虫が閉じ込められている場合は、シルエットとして浮かび上がる。
バーマイトは日本語で「死の谷」を意味するフーコンバレーという地域から採掘される。ミャンマー北部・カチン州のタナイにあるエーヤーワディー川を船で渡り、さらに象に乗って進んだ奥地にあります。フーコンバレーはその名の通り、生い茂る原始林で昼も暗く、「幻の琥珀」とも形容される宝物が眠る秘境です。バーマイトの産出量は年間数トンとごく僅かで、年間数十トン産出されるといわれるバルチック産やドミニカ産に比べ、産出量の差が非常に大きく希少な琥珀です。
同時期の琥珀が取れるのはシベリア、さらに遡るとレバノンやイギリスのワイス諸島位と琥珀の中でもかなり古いものに分類される。

古さや一部地域などによって、より細かく分類されている琥珀。石というだけでなく、樹脂という素材が長い年月を経て得る変化の過程の中にある今を共にするって考えると、存在としてロマチックね、と思うのでした。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。



皆様も、良い一日を。

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