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昨日見た夢は、今日の午後に。

眠りが浅いからかよくわかりませんが、夢をよく見ます。夢を見ていることを覚えていると言った方がいいのかな?

私の夢はだいたい、たいしたストーリーではないことが多いです。普段から淡々と過ごしていることが多いのですが、夢にもそれが反映されているようです。

風景は、幼い頃に住んでいた団地と、今住んでいる街が多いです。そこにこれまで行ったことのある場所が盛り込まれている感じ。
団地に住んでいたのは小学校2年生までなのですが、自分でも不思議なくらい映像として記憶に残っています。

その団地に住んでいる子供たちだけのために小学校があったくらいなので、結構大規模な団地です。幼い頃の私には、その団地の環境がとても心地良かったのです。

団地の中は安全地帯みたいなものだったので、小学校にあがると、団地のあらゆるところを一人で歩き回って探検していました。だからきっと、印象深いのでしょうね。

記憶と夢がリンクすると、私はすごく幸せな気持ちになります。
アルバムをめくって思い出す記憶も良いですが、夢の中で自分の心の奥の引き出しから登場する記憶の方が、光り輝いているような感覚になるからです。


**昨日見た夢は、今日の午後に。
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実際の「昨日」と「今日」は、約20年前のことです。


昨日の夜のうちに見た夢の中で、私はエレベーターに乗っていました。

幼い頃に住んでいた団地の風景の中にいつつ、エレベーターに乗るのはおかしなことでした。団地は5階建てでしたがエレベーターがない造りでしたし、私が住んでいたのは1階でしたから。

エレベーターには一人で乗りました。
でも、ふと横を見ると誰かがいるんです。
横というか、下。
それは小さな女の子でした。

私は無表情のまま、その小さな女の子を見つめます。赤色のギンガムチェックのワンピースを着た女の子でした。多分、2、3歳くらい。少し長い髪の毛を、三編みにしていました。

エレベーターが停止階について扉が開いたところで、目が覚めました。

午後になって、通院している病院に行きました。
診察中、先生から「女の子ですね」という言葉が発せられました。

「ああ、やっぱり」

女の子でも男の子でも、実際のところはどちらでも良く、命がそこに在れば安心でした。
でもなんだろう?それとは別な、安心感を覚えましたが、その時はそれが何かわかりませんでした。

重い身体で、のんびりと、春の空気を感じながら歩いて帰りました。たまにお腹をさすりつつ、たまに深呼吸しつつ。

そうしてやっと住んでいるマンションにたどり着き、エレベーターに乗りました。

そこで、昨日の夜の夢を思い出しました。

「あ・・・」


私は感覚が敏感な方だと思っていますが、決してスピリチュアルな人ではありません。むしろ、そういったものに関しては鈍感な方だと。

でも、この時だけは何か、感じるものがあったのを覚えています。

「会いに来たのかな?」

その数年後、私は彼女にワンピースを着せて、髪を三編みにしていました。
ギンガムチェックではなかったけれど、赤色を織り交ぜたワンピースは、色白の彼女にとても似合っていました。


あれから20年後、彼女は私の背をとうに越えました。
髪を三編みにするることはなく、パーマで毛先がクルっとしています。
赤色のワンピースは持っていないけれど、ワンピースが好きでバイトしたお金で何着か買いそろえました。

8月の彼女の誕生日に、このことを話して聞かせようと思います。
小さな頃の話を聞くのが好きな彼女に。

春の穏やかな日と、夏の暑さを思い出しながら。
あの時のエレベーターを思い出しながら。


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