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誹謗中傷について皆で考える

1. ネットモラル教育の必要性



ここ数年、生徒指導案件に出てくるようになったSNSによるトラブル。

自分自身も高学年を担任し、かなりの高い確率で携帯を持っている子が多いことを知りました。また携帯を持っていなくてもゲームなどのオンライン上でやりとりを頻繁に行っている子もいるという実態もわかっていて、本当に避けては通れない問題だなと考えます。

もちろん学校でもSNSを巡るトラブルなどがあった場合、その時に何があったのか事細かに経緯を確認しますが、これまでの経験上、肌感でわかっていることは

普段では考えられないような暴言が目立つということ

テレビなどの報道でもある通り、姿が見えない相手に対して人は横柄になり、強い語気になることを生徒指導のたびに思い知らされました。

そういう経緯からも、これからも情報化社会、そしてもっと加速していくであろうSNS時代を生き抜いていく子どもたちにとって、ネットモラル教育は大切であると私は考えています。

そこで今回は実話をもとにした自作資料を作り、子ども達に行ったネットモラル教育について紹介しようと思います。

2. ある温泉施設で起こった話(実話)


~とある温泉施設の話が舞台となります~

ある温泉施設では、当時爆発的人気で社会現象とまでなったあるマンガ本をお客さまのために用意し、それを漫画が自由に読めるリラックスルームに置いていました。

するとある時、そのマンガを巡って信じられないことが起こったのです。

なんとそのマンガ本がごっそりと全巻盗まれてしまったのです。

実際に棚からきれいになくなっている写真

その後その温泉施設の方はそのマンガ本がなくなったことに対してSNSに
ある発信をします。

間違って持って帰ってしまったという人はコソッと元に戻しておいてほしい。
『誰かが道を踏み外しそうになったら皆で止めような』
警察には言わず、
SNSの力でその人をとめてあげたい。

実際にSNSで呼びかけられた言葉

この話はその直後からSNSだけでなくネットニュースなどにも取り上げられることになります。

そしてその後、驚くことが起こるのです。

なんと…

SNSやニュースを見た人たちから、励ましの手紙や代わりのマンガ本が続々と送らてきたのです。その数なんと…200冊!!

この時は教室中からもたくさんの驚きと感動する声が聞かれました。

ただ話はこれで終わりではなく…

なんと…それから数日後、本を盗った本人からも、マンガ本が返ってきたのです。謝罪の手紙と一緒に…。

施設の方の思いが通じ、SNSの力が本当に発揮されたのです。

ここまでの子どもたちは、良い反応をしながら興味津々で集中して話を聞いています。本の返却の時には誰もがみんな、大興奮でした

3. この話の本当の本題


ただ物語はここからが本題です・・・。

この温泉施設の方たちが警察に届けなかった行為に対して誹謗中傷、罵声、恫喝…など様々な暴言を実は浴び続けていたのです。

私はこの実際に起こった話を知った時、いてもたってもいられませんでした。必ずこの話で授業を行う必要があると心から考えました。

この出来事はまさに道徳の「多面的多角的に考える」を体現する資料になると思ったこと、またSNSの大きな2つの特徴を表していることが理由です。

この温泉施設の資料をひたすら探し続け、経緯を確認しました。
この話を初めて聞く子どもたちでもわかりやすいようにと時系列のスライドもつくりました。
当時は6年生担任だったこともあり、温泉施設の人、親切で本や手紙を送ってきた人、勇気を出して本を返した人、誹謗中傷を行った人など様々な視点の思いを引き出し、いろんな角度から考えを出し合いました。

子どもたちは本当に真剣に話し合っていましたし、振り返りにもそれぞれが悩みながらも色々と考えた素敵な思いがたくさん並びました。

途中、温泉施設の方からの手紙も読みましたが、
子どもたちにとっては、実際に起こった出来事が資料だった分、とても心に強く残ったようで、SNSがもたらす効果の二面性を実感を伴って理解していました。

また私自身も授業をしていて感じたことは、最初こそ、温泉施設の方々が警察に届けなかったことに対して少しいいのかな?と考える子はいましたが、温泉施設の人にそんなにたくさんの誹謗中傷が届いたことは誰も想像できていなかったようで、子どもたちのまだ純粋な心に安心もしました。

たとえ少数そういう子がもしいたとしても・・・、この授業を行えば、誹謗中傷を行う人はほんのごく一部の人であり、大多数の人はしないということ、一般的に見てその行為はおかしいと思われる行為であるということにも気付けるなと思いました。

4. 資料提供


私自身は道徳のプロでもなんでもありませんが、子どもたちと一緒に
SNSに関して、誹謗中傷について考える良い機会になったと思います。
そこで今回は、その時に使った資料などを下記にダウンロードできるように貼り付けておきます。ただ内容が内容なだけに私が用意した資料により、誰かが傷つくなど起こってはいけないので、誰でも閲覧可能ではなく有料にさせていただきます。
その点をご理解し、この資料で授業がしたいと思っていただける方のみ、
ダウンロードされてください。

↓ ↓ ネットモラル教育自作資料はこちら ↓ ↓

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