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桜島つながりワークショップ②~桜島で大地と自然と人とつながるライフストーリー~

鹿児島~首都圏でつながり、「桜島」をテーマに、大地と自然と人とのつながりを学び、感じ、楽しむ「桜島つながりプロジェクト」。

2021年1月末から2月末の約1か月、全3回のトライアルワークショップを実施しました!
※はじまりの経緯はこちら
※第1回~場所を超えてつながろう!~はこちら

今回は「ワークショップ第2回」の概略、そしてのトップバッターでお話いただいた、さめしまことえさんのお話、質疑応答の様子をお伝えします。
<第2回 開催概要>
◆日時:2021年2月14日(日)9:30~11:00
◆開催方法:ZOOMを使ったオンライン開催
◆参加メンバー:鹿児島・福岡・埼玉・東京在住の4歳~40代。全10組。

ワークショップ第2回のテーマ

「大地と自然と人とのつながりを学ぼう!場所による違いを知ろう!」

◆鹿児島で出版社「燦燦舎」を営まれるアート作家、さめしまことえさん。
◆桜島で子育て中のイラストレーター、山下ゆりなさん。
◆NPO桜島ミュージアム理事長であり火山博士、福島大輔さん。

桜島にゆかりのある三人から、桜島にまつわる「つながり」のお話をしていただきました。

参加者のご感想

ご参加の皆さまからいただいた、ご感想の一部を先にご紹介!

◆それぞれ違った視点(アーティスト~子育て~学者)で楽しかったです。
◆桜島に住むということ、桜島の成り立ちを知れた。移住に興味がでてきた。(関東在住)
◆自分の日々の生活や、人生の方向性が、桜島の地形にちゃんと影響を受けていることを改めて感じた。(桜島在住)
◆地域をこえて交流することで、いろんな視点がプラスされる。
◆自分自身のいる場所の魅力をもっと再発見していきたい!と思った。

桜島でつながる3人のそれぞれに異なる視点を通したお話を通して、
「大地と自然と人とのつながり」を、自分の暮らしや、大切な場所に置きかえて考えるきっかけとなった第2回。地域を超えて交流することで広がる可能性を感じることができました。

それでは、お一人目に発表いただいた、さめしまことえさんのお話の一部をご紹介いたします。

さめしまことえさんが語る。
「ご自身の人生と、桜島とのつながり」

美術大学を卒業後、桜島でのアート活動をきっかけに鹿児島へ。
大学時代から住んでいた東京を離れ、桜島に移住され、ご夫婦で営まれる出版社「燦燦舎」を立ち上げられるまでのお話。そして今、鹿児島で、桜島のそばで暮らす日々の中で感じられている想いをお話いただきました。
(写真、下から二番目がことえさん)

プレゼンテーション1

<桜島とつながる、さめしまことえさんのライフストーリー>
◆2007年、桜島への移住
◆桜島での暮らし
◆桜島での暮らし、数年経って訪れた変化
◆転機…結婚・出産、そして、3.11。
◆2021年、燦燦舎7年・鹿児島歴14年。

「アート×まち」の活動を全国でされていた美術家の藤浩志氏のアシスタントを務められていた、ことえさん。「桜島の廃業した温泉旅館を美術館に!」という現代アート展に携わられた縁で、桜島にいらっしゃったそうです。

東京で暮らす中で「自然は大事というけれど、本当の自然はどこにあるのだろう…」という想いを抱かれていたことえさんは、「桜島=生きている山」に本気で感動し、ここに寄り添って暮らしていくことを選択。

実際に移住してみると、島民同士の親戚のようなつながりに圧倒されたり、何でも東京と比べてしまったりしたこともあったそうですが、「数年経って、桜島での暮らしが少し楽になってきた」というお話が印象的でした。

その気持ちの変化のきっかけの一つとなったのは、大隅半島から桜島に嫁がれた、桜島歴60年の80代のおばあちゃんの『わたしはよそ者』という言葉だったそう。何十年も住んでいても『よそ者』だと思っている女性が、桜島にもいるんだということに驚くとともに、「そんなもんなんだなあ。」と、妙に納得したそうです。

また、移住後も頻繁に県外に出ていかれていたことえさんに対して、近所のおばちゃんとの会話。いつでも明るく『おかえり~!』と声をかけてくれたこと。
移住者として迷っていることも含めて、受け入れてくれる人々の温かさを感じながら、ことえさんは桜島で暮らし、ツアーガイドを始め、地域に根差した様々なお仕事を経験されたそうです。



そして、結婚・出産という人生の転機と、同時期に起こった3.11。
「桜島」という生きた自然。活火山と身近に暮らすなか、改めて芽生えた、
「自分の住んでいる土地がもともとどういう土地だったかを知り、次の世代に伝えていくことは、とても大事なことだ」という想い。

その大きな出来事は、ご主人と共に立ち上げた出版社「燦燦舎」のスタートとなる桜島!まるごと絵本の制作・出版にもつながったそうです。

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「桜島のことを子どもたちにも分かりやすく。」
「桜島に人が住み、暮らしがあることを伝えたい。」


込められた想いや出版の経緯についても、お話してくださいました。
(絵本に火山博士として登場される福島大輔さんからも、移住当時のことえさんの印象などをお聞きすることができました!)


そして、2021年。燦燦舎7年、鹿児島歴14年。

参加者からの「鹿児島を離れなかった理由」や「これからの活動」についての質問に対して、
「大地に惹かれ、人の温もりに惹かれ、揺れながらこれからも活動していくんだろうな。」と、ことえさん。

鹿児島で生まれた3人のお子さんの子育ても、現在進行形。
外の世界を知っているからこそ感じる鹿児島の魅力や、暮らしや活動の中で浮かんできた疑問や問題意識とともに、これからの鹿児島での活動への意欲を、ゆるやかに熱く語ってくださいました。

第1回ワークショップでも話題にあがった、鹿児島で感じるジェンダーギャップについて、「郷土の偉人、西郷隆盛や大久保利通のように立派に!」という空気の中で育ち、プレッシャーを背負いながら生きる男性の立場を思いやる視点を持たれていたことも印象的でした。

「変わっていくもの、これからのものへの価値を見出してもらえるような活
動を」。「暮らしの中から立ち上がってくるような作品を作りたい」
そんな言葉もありました。

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※燦燦舎7周年記念を機にリニューアルされたというHPより

人との縁から桜島に移住され、鹿児島で家庭を築かれ、そこに根差したもの、暮らしを大切にしながら、ご家族で出版社を営み、生計を立てられていることえさん。

まさに大地と自然と人とのつながりを感じながら、エネルギーにしながら、人生を送られている様子が伝わってきました。
一つ一つの言葉を丁寧に紡がれる、まっすぐなお人柄に親しみを感じるとともに、自分の人生やこれからを前向きに再認識させてもらえるような温かさも感じられるお話でした!

参加者からのご感想

◆ことえさんのお人柄が魅力的で、もっと話を聞いてみたいと思いました。
◆「何年たってもよそ者」という言葉に共感。自分も地元を離れて東京で暮らして10年ちょっと。自分の気持ち、捉え方もあるのかなと感じた。
◆ことえさんに移住の苦労話など共通のお話ができる、仲間がふえたような(とても勝手ながら笑)気持ちになり嬉しかったです。
◆鹿児島にいらっしゃって14年、外からの目線を今も持ち続けていらっしゃるのがいいなと思った。これからの、ことえさんのアート活動などが楽しみです!

次回予告

桜島つながりワークショップ②~大地と自然と人とのつながりを学ぼう!場所による違いを知ろう!~は、3回に分けて、ご紹介します。

桜島在住のイラストレーター山下ゆりなさんが語る、「桜島!火山の宝石セット」。桜島での子育て風景。

桜島在住の火山博士福島大輔さんが語る「大地と自然と人とのつながり~桜島の面白さ、鹿児島と関東平野の土地の違い~」について。

記事が完成次第、本記事にリンク掲載いたします。

ご紹介

 7周年を迎えられた燦燦舎さんの最新刊2つはこちら!! 

   いずれも、さめしまことえさんがイラストを手掛けられています。
 鹿児島の魅力、温もり、面白さが満載です!

はじめての郷土料理

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「鹿児島偉人カルタ55」

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