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文章のコツ:読者は頭の中に空き箱を用意する

昨日「こう書いたらこう来る」を裏切らないでーということを書いた。文章の決まりをまもりましょうと。でも、もちろん、芸術として裏切りはあり。守破離の離。型破り。かっこいい。
ただ、分かっててルールを破るのが芸術としての裏切りで、知らないでルールを破るのは、無知なだけ。気を付けよう。

で、なぜ「こう書いたらこう来る」を守った方がいいのか。それは、その行為が読者ファーストだからだ。独り言なら、何をどんな順番で言っても構わない。が、伝えるべきものがあり、伝えたくて伝えるのなら、型を守った方が話が早いのだ。相手に誤解を与えたり、何回も読み直さなくちゃ分からないようなことを避けられるのだ。誤解も読み直しも、時間と無駄なエネルギーを浪費する。

同じく、型のあるものとして、いろいろな例があるけれど、

第一に

ときたら、読んでいる人は頭の中にいくつか空き箱を用意するイメージ。その箱には「第一」や「第二」と書いてあり、理解したことを詰めていくイメージ。
つまり、「第一に」ときたら、たいてい三つ以上のことについて、整理して読んでいかなくちゃなーっと準備ができるのだ。二つの場合は「一方」「また」「さらに」などの方が分かりやすい。だいたい「第」がつけば、3つ以上だと、経験で知っているから。
また、いつまでたっても「第二に」が出てこないとなると、全体の位置も分からなくなる。もっというと、

大事なことは3つある

こっちが先。そうすると、読んでいる人は、最初から頭の中に「3つの」箱を用意できる。それに、1つ目の箱にインプットする時間を考えると、たいてい、全体のボリュームがつかめるのだ。また

3分でわかる

なんて書いてあると、ああ、3つの話は1つあたり1分もかからないかもと、時間感覚まで用意できる。卒業式での、教育委員会の人のあいさつのように「この話、いつまで続くんだろう……」にならない。

そして、上のABCはCBAの順に書いた方がいいってわかるよね。
料理のレシピ、地図の説明なんかもそう。

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