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真の文章力とは。唐揚げで終わらせないこと。

その人が、本当にしっかり考えて文章にしたかどうかは、すぐに分かる。しっかりと考えていない人は、文章が薄っぺらだ。

文章が薄っぺらとはどういうことか。簡単な例を示してみようと思う。

薄っぺらな文章の例

昨日、美味しい唐揚げのコツを聞いた。下味をしっかりつけて、その後しっかり水分をふき取る。小麦粉と片栗粉を1:1に混ぜた粉をつけたら、しっかり粉をはたき落として、熱した油で90秒。ひっくり返して90秒揚げる。上げている時は、触らない。これだけだった。その通り作ったら、とても美味しかったので、また作ろうと思う。

しっかり考えて文章にした例

昨日、美味しい唐揚げのコツを聞いた。下味をしっかりつけて、その後しっかり水分をふき取る。小麦粉と片栗粉を1:1に混ぜた粉をつけたら、しっかり粉をはたき落として、熱した油で90秒。ひっくり返して90秒揚げる。上げている時は、触らない。これだけだった。その通り作ったら、とても美味しかった。美味しい唐揚げのコツは、書いた通りだが、最大のコツは、全くその通りにやったということ。小麦粉だけでいいんじゃないかとか、粉は適当に落とせばいいんじゃないかとか、合計3分じゃ不安だから4分にしようとか、1ミリでも自己流のことをすると、うまくいったかどうかは分からない。考えてみれば、何でもそうだ。うまくいった人の話を聞いて、ちょっとやってみて、うまく行かなそうな気がしたら自分流にアレンジする。そしてやっぱりうまくいかないと、その人のせいにしたり。そもそも何事も、自己流でうまくいかないから、成功していないのではないだろうか。この唐揚げのコツで学んだことは、とにかく成功者の行動を真似する時は、徹底的に真似しなくてはいけないということだ。そんなことを、外側はカリッとして、中はジューシーな、最高の唐揚げを食べながら考えた。

この2つは、文章量も違うけれども、考えの深さに、天と地ほどの差がある。

子供の作文にも、こういう差はよく現れる。例えば運動会の感想文。
こんなことがつらかったけど、こんなふうに頑張ったら勝ちました。来年も頑張りたいです。みたいな(笑)
そうではなく、深く考える癖がついてる子は、その体験からさらに違うことも想起して、1段階レベルの高い感想に行き着く。また来年も頑張りたいですなんて、判で押したような陳腐な結論には絶対にならない。

真の文章力とは、唐揚げ、一次の段階で終わらせないこと。何か共通することはないか、この唐揚げの成功は何かの暗示ではないか、何かの教訓ではないかというぐらい、大げさに考え、深く突き詰める。そのように考える癖がついている子は、考える筋肉もついてるので、文章が良くなる。
てにをはの間違いなんかはどうでもいい。そんなところは、後からいくらでも直せる。でもこの考える癖は、直せない。薄っぺらい思考しかできない大人になってしまう。

私が書いた唐揚げのレシピ


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