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作るのが面倒くさい韓国のり巻き「キンパ」を、できるだけ洗い物を出さずに作ってみた件

BTSのおかげで、韓国料理が食卓に並ぶことが増えた我が家。

といっても、辛いものが大の苦手なわたしなので、そもそも韓国料理屋さんにほとんど行ったことがなく、正解が分からないままクックパッドの「たぶんこうなんじゃないかレシピ」で作っている。

カムジャタン、サムゲタンなど作っているが、本場のものは食べたことがない。おそらく日本仕様になっているが、美味しいからヨシ。

ただ、韓国風のり巻き「キンパ」は、20代の頃に韓国旅行をした際、どこででも売っていてスナック的に食べ、どこのものを食べても美味しかったので好印象だった記憶がある。これは本場の味がわかる唯一の料理。

そんな状態でBTSにはまり、BTSのドキュメンタリー番組でメンバーが韓国の庶民料理を美味しそうに食べる姿を見て、ムクムクと韓国料理が食べたくなる今日この頃。

先日、新大久保に行ったとき、キンパを買いそびれて以来、ずっとキンパが食べたかったのだが、近くのスーパーに売ってなくて、自分で作るにも微妙に面倒くさいので躊躇していた。

1.ものすごく食べたいけど、ものすごく作るのが面倒くさい「キンパ」


キンパは見た目簡単そうなのだけど、中の具材の下ごしらえが意外に面倒。

肉は濃い目に味付けして、にんじんとほうれん草を茹でてごま油で味付けして、卵焼きを焼いて、ごはんに味付けして。

やることが満載ではないか。と考えただけで萎えていた。

しかし先日、わたしの背中を押すように友人がキンパを作っている投稿がFacebookにあがった。おなかがすいているときに見たせいか、あまりにも美味しそうなので、どうしてもキンパが食べたくなった。

食べたいけど作るのが面倒くさい、とその投稿にコメントしたところ、友人がメッセージをくれた。

「全部ひとつのフライパンで完結すれば、そこまで面倒くさくないからぜひ作ってみてね」

目からウロコ。

そうか、にんじん、ほうれんそうの加熱と肉を焼くのを1つのフライパンでやればいいのか。とやる気になった。

思い立ったが吉日。これはすぐにやらねば、また面倒くさくなってしまうので、明日やろう。とさっそく実行することにした。

2.いかにひとつのフライパンで作るか、それが問題だ


クックパッドの人気レシピを検索して、簡単そうなキンパレシピをピックアップ。それをいかにひとつのフライパンで作れるか考えた。

ズボラ研究家、と自称しているだけあって、手を抜こうとするために使うエネルギーは最大出力になるのがわたしの特徴だ。

フライパンひとつで完結するには、食材を加熱する順番が大事だ。一番フライパンが汚れる肉の味付けは最後。ほうれん草を茹でるのも鍋を出すのが面倒くさかったので、小さく切ってフライパンでゆでることにした。

ベースはこちらのレシピ。

入れる食材は、家にあるもので

・牛肉(切り落とし)
・ほうれん草
・にんじん
・卵焼き

に厳選することにした。

さてそれをいかにひとつのフライパンで作るか、順番を考える。


フライパンは、小さい20センチのもの1個で頑張ることにした。


1.まず最初に、ほうれん草を茹でる。


ほうれん草は普段、株ごと茹でるが、今日は巻きずしに入れるので、どうせ小さく切る。だから、根を切ってざく切りにして、少しの水とほうれん草を入れてフライパンで茹でることにした。

茹だったものをザルにあげると、また洗い物が増えるのが面倒くさいので、水をジャーっと入れて、熱が取れたらフライパンのふちで絞る。間違えて熱が冷めていないフライパンに触れて少し火傷をしたが、まあ成功。

ゆでたほうれん草は、味付けしなくてはいけないので、別の器でごま油と塩で味付け。

2.次は卵焼き。

巻きずしなので細長く仕上げる。切るので焼けたらまな板にオン。皿は洗い物が増えるので使いたくない。

3.最後に、肉を焼いて味付けする。

肉の味は結構コッテリで、コチュジャンとか使うので、焦げてコテコテになる。肉は味を付けたらフライパンの上に置いといて洗い物を減らす。

4.にんじんは、レンチンで逃げる。

にんじんは、このレシピでは細切りにして味をつけてレンジで加熱すればよいというので、これはフライパンを使わずに加熱。

5.ごはんはボウルに入れて、ごま油と塩を入れて混ぜる。

ごはんを味付けしなくてはいけないので、ボウルを使うのが洗い物が増えて嫌だったが、しっかり混ぜたいのでここはサボれない。観念して大きめのボウルでしっかりと味をつける。

6.まきすに海苔を敷いて、ごはんを入れ、具材を乗せて巻く。

あとは海苔を敷いて、ごはんを敷いて、具をのせて巻く。ここまでくれば簡単だ。長い道のりだった。


極力洗い物を減らすように頑張って作ってみたが、普段のわたしにしては手順も洗い物も多いほうだ。


3.いざ試食。絶品なり


とにかく「作ってみたい」という気持ちで、仕事帰りで疲れて帰宅してから一気に作った。キレイな彩りのキンパを見て感無量。いざ試食。


やだキレイな色、美味しそう。

めちゃくちゃ美味しい~!!!!!

コチュジャンとしょうゆと砂糖の甘辛肉のこってり味と、ごま油の香りがめちゃくちゃ食欲をそそる。

せっかく作るのだから、いい肉で作ろう、と和牛の切り落としで作ったのが大正解だ。

自分で作って、その美味しさに感激して食べた。

4.しかし家族と舌が合わない問題


あまりの美味しさに嬉しくて、息子と感動を分かち合いたく「どう?どう?」と前のめりで聞いた。

しかし息子は「うまいけど、、、うん、海鮮巻きの方がいいかな」

的な、控えめコメント。食に保守的な息子なので、慣れない味は好まないのだろう、食べてはくれたが、あまり進まなかった。

そうこうしているうちに旦那が帰宅。旦那は基本、晩ごはんに「白米」がないと「晩ごはん」と呼ばないことは知っていたが、いちおう「作ったので味見だけでも」と控えめに提供した。

ふだんは「いらない」とか言うけど今日は食べたので「美味しくできたと思うんだけど、どう?」と聞いたら、

「この巻きずしは美味しいけど、白米を食べなくちゃいけないから、ごはんに巻きずしはキツイ」

という謎の返答が帰ってきた。

いえ、白米の代わりとしての巻きずしです。と思ったが、もう「白米が出ない晩ごはんはご飯じゃない」人なので、それ以上言うのを辞めた。

家族の賞賛は期待していなかったが、期待していない通りの薄いリアクションで、ひとり静かにキンパを楽しむ夜。

わたしだけのためにキンパを作ると、家族の食事を別に作らなければならない。それも面倒だ。なので、どうしても食べたいときのためのキンパになりそうだ。でも美味しかったなぁ。

5.「やりがい」が人を動かす

自分がどうしても食べたくて、面倒くささを乗り越えるほど食べたくて作ったキンパは絶品だった。それは良かった。

けれど、家族に食事を提供することが常の仕事になっている、わたしのような主婦は「リアクション」でやりがいがアップもダウンもするんだな、と改めて実感した。

残念ながらグルメではない上に、食に超保守的な旦那と息子を前に、15年食事を作っている。リアクションの薄さに、何度も食事作りを投げ出したいと思った。

これがもし「美味しいじゃん!また作って!」という反応だったら、どんなに疲れていようが「仕方ないなぁ」とか言いながらウキウキと作るのだろう。

実際、旦那が気に入った料理や、確実に息子が飛びつく料理は、疲れていても頑張って作れる。

結局、人は、誰かが喜ぶ顔が見られたり、必要とされているなと思えることでやる気や元気が湧いてくるんだなぁ、と思った。

キンパに関しては、家族のリアクションは予想通り薄くて残念ではあったが、たまには自分だけのために、自分が食べたいものを作る日があってもいいな、と思った。

今日もお読みくださりありがとうございました!

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