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とてつもなくゆるい世界観の映画「めがね」

ちょっと空いた時間に、
Netflixで「めがね」という映画を観た。

いつも頭が忙しくて、ぼーっとできない性分だ。
ぼーっとしようとしても、何かを考えてしまう。

そんな脳内回遊魚状態で、ぼーっとするのが苦手なわたしだが、
なんだか、ゆるい映画が観たいなーという気分だった。

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映画は好きだが、どちらかというとわたしの好みはシナリオが練られていて、伏線がばっちり張ってあって、それもきっちり回収するような映画が好きだったりするのだが、このときはなんだか、集中して見なくてもいいような映画が観たい気分だった。

小林聡美と、もたいまさこ。
このキャスティングとジャケット写真だけで
「かもめ食堂」みたいな癒し系の映画かなと想像はついていたが
想像以上に癒し系だった。

とにかくゆるい。
セリフとセリフの「間」もすごい。

なにもしない島で、
なにもしないことに落ち着かない人が、
なにもしないで「たそがれていく」映画なのだが、

映画自体がもう「たそがれ」ている。


携帯電話の通じない島。


なんとなーくきれいな島の映像を見ながら、
ぽつりぽつりと交わされるセリフ。


きっちり見てもずーーーんと来るが
流し見しても話に置いて行かれることはない。


どんな見方でも、どうぞ。


というゆるさ。


主人公が訪れた宿も、グダグダである。

お客さんの荷物さえ入れ忘れるし、
せっかく来たお客さんをほったらかして、
別の「大事な人」のために主人が出かけてしまう。


サービス業のプロ意識にうるさいわたしだったら
キーー!と怒り狂いそうなものだが、


なんだか空気感がそれを超越していて
「どうでもええやん」感がただよっている。

あの空気にのまれるというか、
チマチマ怒る自分は、
あんな激ゆる宿にのまれてみたいとさえ思ってしまう。


そんな宿なので、究極の放置プレイかと思いきや、
朝になると、部屋に、もたいまさこが座っていて、起こされる。
妙な体操に誘われる。


もたいまさこがほほ笑んで座っていたシーンは、
マジで亡霊かと思った。

わたしならチビる。


春になるとこの島を訪れる、もたいまさこ(役名忘れた)は、
かき氷屋さんをやっている。


そのかき氷を食べると、なんだかたそがれてしまうようだ。
まるで魔法。


しかもこの島というか、「めがね」の世界観では、
お金の概念が出てこない。


かき氷のお代を払おうとすると

「あの方はマンドリン演奏をいただきました」

「さきほどの子供には、このお手紙をいただきました」

物々交換以前の「お気持ち制」である。


特に観光するものもなく、やることもない、
せかせかしている私がこの島に行ったら
暇すぎて発狂しそうな気もするが、

このくらい何もない場所で、デトックスしてみたくなる。


ロケ地は与論島だったようなのだが、
白い砂浜と青い海がきれいで、訪れてみたくなった。

もたいまさこが枕元に座るのだけは勘弁だが、
一度こんなゆるい旅行をしてみたい、と思った。


気楽にみられる映画は、いつ見てもいい。
途中で止めてもいい。
また、見ようと思う。


次のひとり旅は、ヨロン島に行ってみようかな。


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