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マイペース高2息子とニューヨーク親子旅⑥:圧巻のメトロポリタン美術館に沈没する

7月末、マイペース高2息子と2人でニューヨークを旅した記録。

前回までの話(最初から)はこちら

ニューヨークに到着するなり息子がスマホを紛失し、てんやわんやで終わった1日。翌日からは無事予定していた観光ができそうでほっとした。

さて2日目は、夜にブロードウェイミュージカルを入れているので、そこまでに日中観光。

わたしはぜひとも訪れたいと願っていたメトロポリタン美術館(MET)に行くことに。グランドセントラル駅のターミナルを見学し、メトロに乗って、メトロポリタン美術館に到着!

グランドセントラル駅のターミナルと、メトロの話はこちら


で到着したのがココ。デカイ!

ロシアのエルミタージュ、スペインのプラドと並ぶ、世界三大美術館とあって、大きさが本気出してる。

横幅は1ストリート分まるまるあるので、200メートルくらいあるかも?
ニューヨークって、ビルだらけのくせに、美術館や博物館、図書館など大事な建物の敷地はしっかり確保してるよね。

そして海外って美術館の前の階段に絶対人が座ってる。めちゃ暑い日なんだけど、あれは景色?

グランドセントラル駅もそうだったけれど、近代的なビルの並びに突如こういう建物がバーンと現れるからびっくりするわ。

そういえばわたしの一存で来てみたけれど、息子とは博物館はいつも行くけれど、美術館て初めてだなと気づいた。すぐ飽きちゃうかな。それだと困るなぁとか考えつつ、とにかくわたしはここの印象派絵画を見ないことには帰れない。

館内に入ると高い天井にさまざまな展示、地図をもらって入る。順番に回るととても1日では足りないと聞いていたので、わたしは速攻印象派の部屋に行こうとしていたのだが、息子は「とにかく最初の部屋に入ろう」という。

けっこう興味がありそうだったので、とりあえず途中まで一緒に行こうと入り口付近のコーナーに入る。

ここはたぶんローマ帝国あたりの時代のものらしい。息子は日本にあったらあまり興味を持たない気がするが「NYで美術館に来てるオレ」モードになったのかやけに熱心に見て、説明も読もうとしている。

世界史はからっきし知らないので、いちおう紀元前〇〇くらい、などと横から口添えしつつ、これ昔のランプだって、すっごいオシャレ!などと言いながら鑑賞。

そういえばここ、美術館なのだけれど、博物館的要素も多々ある。ローマ時代、ギリシャ時代、古代エジプトなどの出土品なんかもたくさん。

割と当たり前にこの規模のものが展示されていてびっくりする。たっぷり広いスペースに「ポン」と置かれているのが日本じゃない感を醸し出す。

教会内部の再現なんかもお手の物。日本では大塚国際美術館がこれをやっていたなぁ。

わたしは息子が飽きる前に、自分がぜひとも見たい印象派の絵画を見に行かなければならないので、少しせかし気味にこのコーナーをスルー。

すると次に現れたのは、中世ヨーロッパの甲冑たち。

世界史の知識はまったくない息子だが、なにしろゲームのやりすぎで「戦いの剣」「盾」のビジュアルには超なじみがある。わたしは武器とか戦いとか血なまぐさいものは受け付けないのでまったく教えた記憶もないのに、剣とか銃に萌え萌えしている息子。

英語だって普段は「わかんねぇ」で素通りの癖に、このコーナーでは英語で書かれた説明を熱心に読んだりしている。いい傾向じゃないの。

息子の興味がここで沈没したため、わたしはここを一緒に回ると自分の行きたい場所にたどり着くころには、体力のない息子に「疲れたから帰ろう」と言われるのが目に見えていたので、地図を見せて「西洋美術のコーナーに行くので、見終わったら電話して」と言ってその場を離れた。ああー初日に失くした息子のスマホ、見つかってよかったよ・・・便利だよ・・・涙

そしてわたしは印象派の世界にどっぷり浸るため、20世紀のヨーロッパ絵画コーナーへ。

美術館て、ただ美術作品を並べていれば「美術館」と呼べるには呼べるのだけど、やっぱり天井が高くていかにも「美術館」な建物の中で見る芸術作品は違う。なんかインテリになった気分?

息子もMETに入った瞬間に「美術好きモード」みたいな顔になったし、この美術館には、あまり興味がない人でもひきつけてしまう何かがあるのかもしれない。

あとやっぱ海外の美術館って天井が高いし、その建物自体がアートなんだよね。雰囲気が全然違う。こういうのって大事じゃないかなぁ。

さて、そんなことを思いながら西洋美術の部屋へ。順路があるわけでなく、方向感覚を失うような部屋の構成で、とにかく目につくところから鑑賞し始める。

あ、モネ!!

わたしはつい最近まで自覚がなかったのだが、「姫っぽい優雅なモノ」が好みのようだ。わたしが育った環境では美術をたしなむ人など皆無で、図工の教科書でしか見ていなかった絵画だったが、大人になってから印象派の優雅な絵画を見て「わぁ素敵」と思うようになった。

その入り口が、モネやルノワール。「いかにも印象派」の人たち。
見ているだけで水面のゆらぎや光が伝わってきて、気分が良くなるんだよね。

モネの睡蓮を見て、ほくほくしながら進むと、あった!

以前は圧が強すぎて今一つピンときていなかったゴッホなのだが、数年前から急に「やべぇ好き」と思うようになった。

特にこの糸杉を描きまくった時代、ゴッホが病んで療養中の作品なんだが、なんともいえない迫力を感じる。この糸杉は特に世の中的な評価も高い作品で、美術館内でもたくさんの人を集めていた。

風になびく小麦畑、雲の動き、すっと伸びる糸杉。ガラスなどのガードもなく、間近で見られるので、ゴッホの立体的なタッチも見られて満足!

他にもゴッホの作品がたくさんあり、ホクホクしながら鑑賞。

さすがにこの自画像は有名すぎて、ガラスケースに入れられていた。きっと美術に興味がない人でも知っているよねぇ。


もうひとつ、糸杉の作品が登場。これはもう糸杉自体の迫力がすごくて、何かメラメラと出ているような印象。ゴッホの迫力は、さっきの糸杉よりも感じられる気がした。

あと有名なものでアイリス。この絵ではないアイリスがもっとも有名だけれども、ゴッホが好んで描いた花として有名よね。

それとわたしは見たことがなかったのだけど、落ちたひまわりの絵もあった。ゴッホと言えばひまわりの7作が有名だけれど、こんなのも描いてたのね。そしてこの色のコントラストがものすごく好き!

ゴッホを満喫したら、次はゴーギャン。ゴッホとの親交も深く、一緒に住んでいたこともある画家。

わたしはゴーギャン自身よりも「ゴッホの仲良し」みたいな印象(笑)

ゴッホと離れた後、タヒチに住んでいたそうで、タヒチに新婚旅行に行ったときにもゴーギャンの子孫がやってるギャラリーを覗いたりしたなぁ。

タヒチはわたしにとっても楽園だったけど、ゴーギャンも楽園と感じて住み着いたのねと共感。

ほか、ルソーの作品も

あとマティスね。マティスも最近まであまり引っかかっていなかったのだけれど、広い美術館の中でマティスの絵の周りだけ雰囲気が違うんだよなぁ。

特にこの有名な「ダンス」が展示されている部屋に入ると、「ぱぁっ」と雰囲気が明るくなるの。なんでしょう、色使いなのかな??この絵の中に入って踊りたくなる感じ。

部屋が分かりにくいので、他の展示室に移動するのに何度もこの部屋をうっかり通るのだけれど、入るたびにこの部屋だけ「ぱぁっ」と明るい雰囲気なんですよ。

わたしとの相性が良いのかもしれない。家にポスター飾ろうかな。

この下書き丸見え感もマティス。

気になる絵があるなと思ったら、クリムトの作品。「接吻」が異常に有名だけれど、わたしはこのくらいの色使いが好きかも!

あとは大御所ルノワール先生。わたしを「絵画好きかも」と思わせてくれた優雅な絵。

そしてまたモネ。睡蓮以外のモネ作品も、光を感じてとても好き。こういう家とか庭とかも好きだから、好きが詰まってるもんね。

モネは残した作品自体が多いのか、どこに行ってもかなりの作品が見られる。ここもモネ多かったなー。

そしてドガ。ドガも割と「何パターンあるんじゃ?」ってほど踊り子を描いているので、もはや有名なのがどの絵なのか分からなくなる(笑)


そしてロートレック。このアンニュイな感じが結構好き。

などなど、絵画を堪能してすっかり自分の世界に入り浸っていたとき、ふと息子がわたしの肩を叩いた。

どうやら甲冑を見終わって、わたしを探しに来たらしい。
気づいたら入場から3時間ほど経っていた。

しかしわたし、この800番から830番までしか見てないぞよ

メトロポリタン美術館は大きすぎてとても1日ではまわれない、と聞いてはいたけれど、1日どころか、これ本気で見たら1週間通い詰めとかしないと無理だと思う。

効率よく回るツアーもあったのだけど、それだと印象派をゆっくり見られないと思ってやめたので、これはやめて正解。たぶんこの館内のポイントだけ見るツアーだったら、素通りするだけだったと思う。

やっぱ美術って好みの世界だし、いくら世の中的に有名でも、刺さらないものは刺さらないわけで。興味のある分野をトコトン眺めるのがベストかなと改めて。

そして息子はたっぷり甲冑コーナーを楽しみ、もともと体力がないのでふと「疲れた」と我に返ってわたしを探しに来たわけなので、当然ここからは「もう帰ろう」しか言われないことは百も承知。

わたしも3時間絵を見続けて足が棒になったので、ちょっと気になるところを素通りしながら帰ることに。

個人的にはギリシャ芸術コーナーは素通りでも見たかったのでGO。

あとはエジプトの神殿が再現されているので見るべしとガイドブックに遭ったので神殿へ。

ミイラもきっちりあって、ここはやはり美術館というより、美術館兼博物館??といった感じ。飽きないけどいったい全部見るのにどれくらいの時間かかるのかは未知。


もっともっと見たかったけれど、広さがすごすぎてここで体力の限界に。
「1日ではまわれない」の規模が全然違ったので、あきらめがついた。

ミュージアムショップでは絵画モチーフのグッズなど販売。アイリス♪


自分のお土産に、ゴッホのマグネットをゲット。ゆるキャラ風でかわいい♪

そんなこんなで息子連れだったのでまる1日とはいかなかったが、目的の印象派絵画も足がパンパンになるまで堪能できたし、いいじゃんニューヨーク!と大満足。

ニューヨークってなんとなく「ただの都会」と思っていたけれど、よく考えたらアート好きにはたまらん街じゃん。と気づいてしまった。来てよかったよ。息子発案ありがとう。

そして息子のスマホ帰還のおかげで、待ち合わせなどを気にすることなくゆっくり美術を堪能出来て、まじでスマホ返ってきてよかった。と幸せをかみしめる(そもそも失くすな)わたしであった。

さてこの日の夜は後半戦、ブロードウェイミュージカル!のんびりするはずが、結局盛りだくさんに詰め込んでしまうわたしであった。

続く!


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