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「戦争なんかなくならない」と書いて先生に作文を直された息子の意見にうなずいてしまった件

子育てをしてみて、自分の時代とどれだけ教育が変化しているのかなと期待していたが、おっとびっくり私の時代と大して変わっていないなぁと思う教育業界の実情を見て、少しがっかりしている。

そうはいっても「勉強できるだけでは使えない人材が量産される」というところまでは気づいたせいか「正解のない時代を生き抜こう」と言うスローガンだけがひとり歩きし始めた今日この頃。

残念ながら結局本質が変わらないので、「正解のない問い」に「正解」を用意しちゃうところが日本の教育。

そしてその用意された答えに対して「あーそうなんだな」とすんなり受け入れず「何言ってんの?」と違和感を感じられる人。それがうちの息子だ。

息子が中3のときに、広島の研修旅行に行くにあたり、平和学習をガンガンやった時期があったらしい。

原爆の悲惨さ、ホロコーストの歴史など、もうどんよりするくらい凄惨な歴史資料を見せられ、ゲンナリしていたらしい。

もちろんそれは「戦争って駄目だよね、平和って大事」ということを伝えるための教育だ。

戦争体験者の母を持つわたしももちろん、戦争なんか為政者の都合でやってることだし、一般市民が割を食う戦争なんか絶対に嫌だなぁというのは圧倒的に同意する。

しかし息子。
戦争についての考えを書きなさいと言われ、

「戦争は人間の性だからしょうがない。なくならない。ものすごい昔から戦争ばっかりしていて人間と言うものはおろかな生き物なのだから、戦争はなくならない。」というような内容のことを書いたそうだ。

なんでもその作文は原爆ドームだか広島の市長だかに渡すものだったそうで、アカ入れまみれで返され、書き直しを強要されたそう。

「思ったことかけっていうから書いたのに、なんで主張を変えなくちゃいけないんだよ」と憤慨していた息子。

おそらく生徒のほとんど全員が
「戦争は良くないです」と無難に書くよね。確かにそうだし。

息子の主張はこうだ。

「弥生時代から存在する人間の本能の一つなんだから無理に決まってる。
槍と弓が銃に、爆弾に変わっただけだろ?」と。

まぁ。そうだよな。

わけもわからず戦争反対って言ってるのを見ると正直言ってちょいバカっぽいと思ってしまうそうだ。

わたしも時事問題や、政治や世界の動きにはとんと弱いんだけど
やみくもに「戦争をなくそう」と言うだけなら簡単だよなぁと思ってしまう。

うちは母が戦争経験者で、B29に運よく当たらず生き延びたラッキーな人だけど、その現場を目の当たりにした母から悲惨さは聞いているし、

特攻隊の話とかで、自分の息子位の少年たちが訳も分からず、飛行機に乗せられて相手の飛行機に突っ込むとか、酒を飲ませてお母さんと叫びながら散っていくとか全然美しくないし、マジで背筋が寒くなるようなことをやってのける戦争っていうのはもう狂気でしかないから、個人的な立場で言えば、絶対に反対。

だけど、実際のところ、今でも、いい大人が人を殺しまくって、領土がどうのこうのと争っているわけで、それってもう人間の性なんじゃないかと。

歴史を少しでも学べば分かってしまう。

人類の歴史は「血で血を洗う戦争の歴史」だ。誰かが権力のために人をいっぱいぶっ殺し、服従させ、制圧し、新たな国をつくる。

たぶんめちゃくちゃ平和だったのって、縄文時代の日本くらいだよ。

わたしだって絶対に戦争で日常が壊されるなんてごめんだけど、世界的に言ったら戦争ってなくならないもので、今でもいろんな場所でありえないことが起こってる。

「戦争は嫌だ」は感情だ。

「戦争はなくならない」は事実で、悲しことだけどそれが正解だろう。

いかにも中二病的な発言をする息子だけど、動物的嗅覚がするどいので、授業でやってることが「きれいごと」だってわかっちゃってるんだろうね。

青臭いなぁと思いつつ、学校、いや世の中が用意した答えをうっすら押し付けられていても、「しらねぇよ」と自分の意見をかける息子が好きだ。

そんなクセつよ息子を愛してやまないけれど、学校嫌いで行き渋りとかはやっぱり疲れるんよ。早く大人になって自由に生きてくれと思いながら日々の子育てについても書いてます。

今日もお読みくださりありがとうございました!


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