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東国三社巡り① 鹿島神宮の神聖な空間に圧倒される

息子の宿泊行事に乗っかり、同日程でひとり旅を決行。いつも中3息子の奴隷として働いている私は「完全なる自分時間」をとることがなかなか難しい。

息子を千葉の集合場所まで送り届け、目指すは鹿島、香取、息栖の東国三社。千葉って、神奈川県民からすると、東京経由しなくちゃいけなくて、近くて遠いのでなかなか行く機会がない。だからいつか行ってみたいけど、そこまで気合が入らない(失礼)東国三社めぐりは「今でしょ!」なタイミングだった。

まとめ記事は、すべての神社を紹介してから書くので、まずはそれぞれの神社について書いていこうと思う。

まずは鹿島神宮。入り口から雰囲気満点。いまは実質この鳥居が入り口なのだが、実はここは二の鳥居で、実は川の中に一の鳥居がある。車で鹿島を目指す途中に、川の中に立つ朱塗りの鳥居を見て「おおおお」とあがった。

ここは行けなかったので、そのことについて触れているサイトを貼っておく。

さて、話を戻して鹿島神宮入り口。

鳥居をくぐってご由緒を。
ご祭神はタケミカヅチさま。古事記にある、出雲のオオクニヌシの国譲りという事件がある。出雲周辺を治めていたオオクニヌシに、天界から人を派遣して、国譲れと迫った事件。通称「オオクニヌシの国譲り」。

そのときに、天界からの交渉部隊としてタケミカヅチさんもメンバーに入っていた。国譲りについて話し合っているとき、オオクニヌシの息子のタケミナカタが「タケミカヅチと勝負して、負けたら国を譲る」といって力比べをしたそうだ。

その結果、圧倒的勝利でタケミカヅチが勝ったので、無事国譲りが行われた。オオクニヌシは出雲大社に祀られ、負けたタケミナカタは諏訪に追いやられて諏訪神社にいらっしゃる。

という伝説(古事記)より、今の日本につながるけっこうキーパーソンが祀られているので、かなり格は高め。

「神宮」と正式に呼んでいいのは伊勢神宮と、鹿島神宮、香取神宮のみ、だそうだ。

そんな感じで前置きが長くなったが、けっこうなご由緒。
なんといっても創建が紀元前660年。日本では有史以前よ。

鳥居をくぐると、そこは本当に気持ちの良い場所。朝9時台に来たせいもあるが、天に届くほどの木々で囲まれた参道を歩くと、心が落ち着く。

朝で人も少なかったので、マスクを外して木々の香りをたっぷり吸いこむ。スギやヒノキなど、香りのよい木が多いのか、とてもいい香りがする。前日雨が降り、訪れた日も曇りで、埃っぽくなく、雨で余計なものは流され、新緑が美しい。

普段、お散歩とか嫌いなのだけど、神社はなぜか歩ける。異空間だからなのか、手入れされた気持ちよさなのか、樹齢の古い木々たちの苔を眺めたり、はぁあ、たまらん。と静かな時間を楽しむ。

本殿までの道の木々が気持ちよすぎて、立ち止まりながら進む。
楼門到着。

門をくぐって正面が本殿かと思いきや、入って右側が本殿。どうも入り口が別にあるようで、そちらから入ると本殿が正面になるっぽい。広いもんね。

本殿もさすがの古さ。読んだら、江戸時代の二代目将軍、徳川家忠が奉納したとか。1600年代か。さすが、見事な本殿。

そして、本殿裏のご神木がとんでもない高さで、圧倒的な荘厳さ。日本の神社って、建物の中に神さまは祀られているけれど、自然信仰だから、木や石に神さまが宿っているのよね。ご神木ってやっぱり「選ばれし木」みたいなのが多いと思う。別にそういう「気」みたいなのは分からないけど、「ぬおお」みたいな凄さがある。(語彙力w)

本殿でご挨拶を済ませ、さあここから本番、な奥宮へ。
神社にまったく興味がなかった頃は、とりあえずメインのとこ拝んどけばいいっしょ。と思っていたが、神社が楽しくなってからは、奥宮に行ってナンボでしょ、というくらい、奥宮の「ガチな雰囲気」を味わうのが楽しみだ。

奥宮への道に足を踏み入れると、さらにもう一段階踏み込んだ感じのご神気。あーーー、わたしたちは、昔からこういう自然の神さまに守られてるんだなぁ。と感じる瞬間。

歩いていくと、「君が代」の歌詞に出てくる「さざれ石」が祀られていた。たしかこの前行った「宝石展」でも「さざれ石の成分」について触れられていたような気がするが、ごめん記憶がない。なんかそういう石、らしい。

鹿島神宮の神使いは鹿。奈良の春日大社も鹿だけど、ここはちゃんと囲いの中で住んでいるので、奈良公園のように、鹿せんべいを求めて鹿キックなど受けなくて済む。

のんびり過ごす鹿さんたちを眺めて、平和な気持ちに。
鹿とか鳩とか、神の使いと言われる動物って、そういう信仰がある時代からいた動物ってことで、鹿って地味だけど、すごく昔からいる動物なんだろうなぁ。と地味なことを考える。

とか言ってたら、奥宮に到着。
奥宮は、場所によっては細い山道を登っていかなくてはいけなかったりするのだが、鹿島神宮の奥宮は意外とあっさり到着した。

奥宮といっても、なんとなく開けた感じ。

説明を読んだら、社殿は徳川家康が関ケ原の戦いで勝利祈願だか勝った感謝だかで奉納し、もとは本殿として使われていたものを移転したらしい。

奥宮にしてはアッサリ、な理由はそこなのかもしれない。

ちなみに本殿と奥宮は機能が分かれていて、本殿には「和魂(にぎみたま)」、奥宮には「荒魂(あらみたま)」が祀られている。

ひとりの人間でも、優しい部分と荒ぶる部分があって、荒ぶる部分の強さが、優しい部分を支えていたりするものだ。そんな感じで、奥宮では鎮魂的な意味合いがあるのかなぁと思いつつ、お参りする。

荒魂にお参りするときは柏手を打たないほうが良い(荒ぶるのを呼び覚ましてしまうから)と聞いたのだが、参拝方法に二礼二拍二拝と書いてあったので、そのままご挨拶してきた。

その先には御手洗池。
こちらもとっても気持ちの良い場所。水がある場所って、いいよなぁ。

ぱっとみ苔まみれの池?と思うが、のぞき込むとものすごくキレイな水。鯉がゆったり泳いでいて、静かな時間。
お正月にはこの池に入ってお清めイベントがあるらしい。(寒いの嫌いだからそれはイヤ。)

この、古木を支えている感じとか、年季を感じる。

チョロチョロと湧き水が湧いているところもあり、その音を聞くとすごく清らかな気分になる。出てるね、マイナスイオン。

池の横には、藤棚が。天気はあまりよくなかったが、売店が出ていていい感じ。

群馬にいたころによく食べた「みそおでん」が売っていたので、思わずゲット。「おでん」といっても、ただのこんにゃくに味噌をつけた北関東特有の食べ物で、初詣とか寒い場所ではみそおでんが必ず売られていた。

そもそもこんにゃくをゆでて、みそおでん用の味噌をかけるだけなので、再現性がめちゃくそ高い。なのであっさりと「懐かしの味」を味わうことができた。小腹が空いたときに、ちょうどよいんだよね。ローカロリーだし。


まだまだ盛りだくさんの鹿島神宮。もうひとつの目玉が「要石(かなめいし)」

言い伝えでは、地震が多いこの一帯、地震の原因の大ナマズをひっとらえようと、鹿島神宮と香取神宮の神さまが協力して、でっかい石でナマズの頭と尻尾を踏んづけているそうだ。

そのしっぽ部分を押さえているのが鹿島の要石。

その石。

パッと見、「え、これ?」って感じなのだが、言い伝えによると、水戸黄門さまがこの石がどこまで大きいか確かめるために七晩かけて石を掘り起こそうとしたのだが、結局それでも石が掘り起こせないほど大きかった、らしい。

なのできっと、この石ってめちゃくちゃデカイんじゃん?認定されて、ナマズを押さえているということになっているらしい。

それが本当かウソかはおいといて、そういう信仰とか神話って、この科学が発達した時代に調べれば、それが本当かどうかは分かってしまうかもしれないけど、科学とは関係ない路線で、こういう神話的なものを信じる心って、なんだか楽しい。

「そんなのウソじゃん」ていうのは簡単だけど、ああ、この石が地震を押さえてくれているんだなぁ、って思えると、自然と感謝の気持ちが湧きあがる。

科学でびっちり物理的正確さを検証してしまうより、そういう感情とか感性の部分って、余力とか遊びの部分を残しておきたいなぁ、と思う。逆に、そういう物理的正確さとか、効率まみれに疲れて、神社とか神話に癒されに来ているのかもしれない。

たっぷり堪能して奥宮から本殿に戻る道。やっぱり木々の香りが気持ちよくて、のんびり歩く。

300メートルほどのまっすぐな参道なので、5月には流鏑馬が行われるらしく、道が整備されていた。流鏑馬見てみたいなぁ。

ちょうど新緑の季節で、苔や木々の葉っぱも青々としていて、すがすがしい。


とんでもなく高い杉の木に囲まれて、神聖な気持ちになる。

御朱印はこんな感じ。コロナの時期は直接書き込んでもらえなかったが、今回は直接書いてもらえた。墨の香りがこれまた心地よい。

1日で三社回る予定で、かなり早めに宿を出て、一社目の鹿島には9時過ぎに着いたのだが、あまりに気持ちが良さ過ぎて、気づいたら11時半になっていた。2時間あまり過ごしていたとはビックリ。けれど、それくらい居心地のよい場所だった。あとの二社も追ってレポを書く予定だけど、結論を言ってしまうと、わたし的にはダントツ鹿島神宮が最高だった。

思ったより時間を食ってしまったので、川の中にある鹿島の一の鳥居を見に行けなかったのがちょっと残念。

鹿島の一の鳥居と、香取の一の鳥居は、大きな川を挟んで真正面にあるそうで。昔の人がそうやって工夫をして祈る気持ちを一緒に感じるって、なんだかいいなぁと思う。

悔しいので、香取の一の鳥居は最後の最後に見に行ったが、それは香取のレポートの方でご紹介しよう。

ソロ活にはもってこいの神社巡り。ひとりで静かな時間を過ごすにはもってこいだ。

鹿島神宮、ぜひ訪れてみていただきたい、ダントツ最高な神社だ。

今日もお読みくださりありがとうございました!

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