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140字小説集

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140字小説を新旧問わず置いておきます
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#ショートショート

告白、バス停にて

告白、バス停にて

「あの」
彩綾は上目遣いで若いスーツの男の前に。
同じバス停で毎日乗り合わせる2人。

スーツの男、勇太はドキッとした。出会った頃は高校生か、と思いながらもずっと自分への目線が気になっていた。もう制服ではない。18歳を超えたか。
ホッとして待つ、彼女からの告白。

「スーツにタグついてますよ」

エブリスタにてコンテストに出しています

朝帰り(140字小説)

朝帰り(140字小説)

ヤカンがぽーっとなった。

もう終わりなのか。

美しいおなごだった。もっと骨の髄まで味わいたかった。

「またきてくださる?」
と猫撫で声。 

俺はああ、と。
 
でも次、金を工面できた頃には気にいったおなごは蜃気楼のように消えている。

ため息を出して朝に変わる空の色を見上げて急いで家路に帰った。‬

晩御飯

晩御飯

空は次第に夜の色。
仕事が終わりネクタイを緩めて椅子に座る。
炊き立てのご飯に湯煎したレトルトの親子丼の具を乗せる。

その前にビールを手酌する。
ごくごくごくと喉を通り、プハーっとアルコール混じりの息が出てドスの効いたゲップ音が出る。

頬は赤く咲く花のように染まった。

一人暮らしも悪くない。

ビールのある風景 100字小説

ビールのある風景 100字小説

仕事帰りに行きつけのバーでビールを飲む。

「そろそろ奥さんのところに戻らないと」
「そうだね。まぁまたビール飲むけどな」
「本当好きね」
「好きだよ、ビールは」

バーテンは首を横に振って笑う。

「奥さんのことよ」