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荷造りを終えて

個展の荷造りをほぼ終えて、あたたかいレモネードを飲んでいる。レモネードは冷たいのもあたたかいのもおいしくて、いつの季節も信頼できる。

好きな作家のひとりである土屋未久さんのインタビューを読みながら、インターネットの速さと、身体を持つ生き物として生きる速度のあいだで、自分が一番しっくりくる速さ、バランスはどれくらいだろうと考えている。

昨日、長い散歩の途中で、ここのところしばらく探していた最後のピースのようなものを見つけた。そのピースは「身体性」という言葉だった。その言葉で、わたしがいままで見てきたもの、好きなもの、描きたいもの、それぞれ個として存在していた点が星座のようにつながって、心のなかに像を結ぶのを見た。

いままで身体によって自分が制限されていると感じていた。女であること、ひとと完全に交わりきれないこと、行きたいところにすぐに行けないこと、挙げるときりがないのだけど、わたしはそこから抜け出したいと考えていた。とにかく肉体がわずらわしかった。

でも、ここに来て身体性につよい光が当てられている。身体を持っているからこそ持ちうるつよさを、いま感じている。いつか身体を抜け出したあとにまだ意識があるのだとしたらきっと、肉体があったことがなつかしく、せつなく、取り戻すことのできない悲しみに暮れるような気がする。

だからこそ、生きて作ることの意義。いま、お腹の痛さを感じてゆらゆらしているのも、生きているからこそ、なのだと。

ステートメントも書き終えた。あとは発送して、京都へ行くだけだ。

疲れた!

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