これはなに?
問題、課題、イシュー、原因、ニーズ、インサイト、アイデア、仮説…..
日本語の奥ゆかしさ、日本語と英語における互換性のなさ、などに起因して、よくよく考えると意味は違うが日常生活においてそこまで意識して喋っていないよ!という言葉はとても多いと思います。
ビジネスシーンにおいてはなるべくハイコンテクストな表現を避け、明確で具体的な言葉選びが求められるわけですが、いざ定義をしようにも
などのように翻弄されつづける経験はありませんか?
今回はそのような課題に対して、
といった縛りを課すことで、ローコンテクスト化しつつ用語の関係性を示せるのではないかということを思い、とりあえずやってみたという企画です。
ややこしい用語マップ
■ 価値探索: Discovery
■ 価値提供: Delivery
Discoveryにおける3つの系譜について
Discoveryには大きく3つの系譜を設定しました。
多分に私見を含んでいますが、それぞれの以下のように整理をしています。
課題解決型の系譜: 課題が起点
探索検証型の系譜: 事実や現象が起点
e.g. デザイン思考、UX Research
to Cのプロダクトにおいて主流な印象
統合的な系譜: 価値探索を中心とする
「課題解決型の系譜」や「探索検証型の系譜」については、すでに多くの情報が世にありますのでここでは触れませんが、「統合的な系譜」について簡単に紹介をしていきます。
「統合的な系譜」について
アジャイルソフトウェア開発宣言を皮切りに、クラウドコンピューティング、CI/CD、DevOpsといった技術的発展が開発工程の高速化を実現していきます。
これに伴い、今までは開発工程と比較すると相対的に短かった企画工程についても高速化をしていく必要性が高まり、「アジャイルな価値探索」の重要性が高まっていくことになります。
このような背景から、マーケティング、UXリサーチ、アナリストなどのソフトウェア事業における非開発セクションにおいても「アジャイル」の考え方が受け入れられておき、現在ではDXの後押しもあって「組織」や「会社」レベルにまで広がっているように感じてます。
この「アジャイルな価値探索」を実現するためには、異なる専門領域を横断して価値探索に取り組むことが合理的であり、現在では開発工程も含めて価値探索の手段の一つであるというところまで専門性の垣根は溶け、統合化されてきています。
この系譜においては「課題解決型」や「探索検証型」もまた一体のものとして扱われています。例えば、
になると思いますが、Continuous Discoveryの中心概念であるOpportunity solution treeにおいては、その名の通りOpportunity - Solutionという形で整理を行っています。
ここでのOpportunityという表現は意図的なものであり、あらゆるものを区別することなく整理を行うという点が肝となります。
まとめ
ややこしい用語マップという形で今回まとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
まだまだ甘い点は多いと思いますが、全体のプロセスづくりや、バックログマネジメント、チーム内における共通言語化あたりで役立つ場面はあるような気がしています。
これが正解であるとは全く考えていませんが、もし言葉の迷宮に迷い込んでしまったら、思考や議論の起点として使っていただけると嬉しいです。
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