ブリュッセルの空の下から母を想う。

ベルギーは母国語が
3ヶ国語あって、フランス語、オランダ語、
ドイツ語が話されています。

今、私が在住しているブリュッセルは
フランス語圏です。

私はフランス語は挨拶程度の
レベルなのですが

ブリュッセルの人たちは
ほとんど英語が話せるので
語学に特に問題はありません。

私がなぜ英語が話せるかって
それはかつてアメリカのボストンへ
留学していたからです。

実はこのブリュッセルの街並みが
ボストンに少し似ていて、
あの頃のことをよく思い出すんです。

海外に10日以上の滞在で来たのは
あのボストンに留学していたとき
以来です。

私は大学生活をまるまる
ボストンで過ごしました。

大学の授業料と生活費、
そこにかかった経費は莫大です。

それを工面してくれたのが
母でした。

私の両親は離婚し
私は母と二人暮らしでしたから
私にかかった『お金』は
すべて母が用意してくれました。

今更、申し訳なかったと
思います。

私がボストンへ留学して
自分の感じた一番の印象は

『留学ってお金持ちか超頭のいい人がするもんだよね』

常々、そう思っていました。

私みたいな普通の家庭で、
しかも、とびぬけて学力があるわけだもなく
そんな人が本当は留学なんて
するべきじゃない。

常々そう思っていました。

留学先で出会った日本人は
お金持ちが当然多く
いわゆる肩身の狭い思いも
経験しました。

大学の勉強についていけなくて、
途中で退学しようと
考えたことも何度かありました。

それでも、応援してくれたのが
母でした。

一度一時帰国したときに
もう大学辞めようと思う。
(実はもうボストンへは帰らない
つもりでした。)

そう母に話したことがありました。
でも、母は私にこう言ったんです。

もう一回ボストンに帰ってみたら？
帰るだけでいい。
勉強なんてしなくていい。
大学は行くは行くだけいってみたら？

次の学期、あと一回だけ
やってみてそれでも
難しいと思ったら
そのときは日本に帰ってきなさい。

卒業まであと一年の
ときだったと思います。

私は色んなプレッシャーから
解放されたためか
その一学期を奇跡的に
終えることができて

大学卒業を諦めずに
済みました。

卒業後は東京で
会社勤めするようになり、
一人暮らしをしていく
わけですが、

自分一人を養うのにも
大変なんだってことを
痛感しました。。。

母はいったいどうやって
私の留学資金を蓄えて
いたのだろうと思います。

今振り返ると、
私が留学しいた間、

母はどんな生活を
していたのだろうと
思うのです。

母は私にはなんにも
言わないけれど
母の身を削らなければ
できない私の留学生活でした。

今、ブリュッセルで言葉に困らないのも
彼と英語で話すことが出来るのも
お母さんがくれたプレゼントだったと
今更気づきます。

ブリュッセルには
彼に会いに来たはずなのに
それ以上に大切なことに
気づかされる日々です。

私は両親の『想い』に
気づくためにブリュッセルまで
来たのかな～と思う日々です。

最後までおよみいただき
ありがとうございました。

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