秋のはじまりの日のお話。
新緑の葉がゆっくりと色付くように
秋のはじまりは静かな雨の音とともに訪れた
長い長い夏が過ぎて
私の中にも芽生えた新緑の葉も
少しずつ色付いて
新しい始まりを確かに感じる
いつもなんとなく居心地の良さを感じ
話しやすくて気の合う4つ下の後輩と
最近よく仕事が一緒になって
もう3年ほどの付き合いになるというのに
意外な共通点をたくさん見つけた
過去に同じ将来の夢を思い描いていたこと
家庭環境や生い立ち
価値観も、考えてることも一緒で、
ふとした瞬間の偶然もすごく多くて
柄にもなく「運命かよ」と感じてしまう
年下は恋愛対象じゃないなんて思っていたけど
こんな些細なことで
心の奥底に使うことなく大切にしまってあった
何かが動き始めるような気がして
後輩にバレないようにツンケンしながら
むず痒い気持ちをひた隠しにしている
大人になると
どうしても捨てきれない変なプライドが
邪魔をする時がある
もっと素直になれたら楽なんだけど
私がどれだけ突き放しても
土足で踏み込んでくる楽観さに
ちょっとだけ悪くないと思ってる自分がむず痒い
だけど私は
夏のあいだに
今の仕事を辞める決心をした
次になにをやりたいかは
まだ定まっていないけれど
辺りを隈なく見渡しながら
新しいはじまりを少しずつ手繰り寄せているところ
やってみたいことはたくさんある
だけどそのどれも現実味を帯びていなくて
足踏みをしてばかりいる
年内を目処にしているので
仕事を辞めるまであと3ヵ月
もう3ヵ月
されどまだ3ヵ月
ここ最近は年齢や金銭面を考慮して
やりたいことよりも
生活の基盤を安定させることばかり
考えていたけれど
本音を言うと
私はまだ
先の見えない本当にやりたいことに
希望を持ち続けていたい
だからせめて今年いっぱいは
可能性のすべてに挑戦し続けると心に決めた
なにがが始まる気がする
きっと私にとって最善の道に向かうための
なにがが始まろうとしている
新緑が茜色に染まり
風に揺られて葉が落ちて
温かい風が吹いて
また花が咲く頃
向かう先にどんな景色が待ち構えていようと
自分らしさを失わず
前を向いて生きられているならそれで良い
ゆっくりと
静かに
それでいて確実に
私の秋がはじまった
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