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心を広くする大切な言葉。

「日日是好日」


皆さんはこの言葉をご存知でしょうか?
禅語のひとつで、よく和室の鴨居の上に飾ってあったりしますよね。

この言葉は直訳をすれば
来る日も来る日も楽しく平和なよい日が続く
という意味になりますが人によって捉え方は様々でしょう。

私がこの言葉に出会ったのは、その名も「日日是好日」という映画に出会ったことがきっかけでした。樹木希林さんの日本映画の遺作と呼ばれていたのでご存知の方も多いのではないでしょうか?


この映画のあらすじを簡単に説明すると・・・

真面目で理屈ぽい大学生の典子が、樹木希林さん演じる茶道の先生のもとでお茶の淹れ方を学んでいく物語。毎回同じことの繰り返しと思っていたお稽古も季節ごとに入れ替わる掛け軸や器、美しい和菓子にも次第に惹かれていく典子。お茶を通して自分の心と向き合い、自然の光や音、風を感じながら所作を学んでいきます。長い人生の流れのなか、四季を感じながら移ろいゆく自然。日本古来から続くお茶を通しての美しい人生物語。


すみません。
あらすじはサイトから抜粋しております。


大きな展開がある物語ではないものの、自然の音や情景など日本の四季を五感で楽しめる素敵な映画ですのでご興味のある方はぜひご覧になって見てください。

私はこの映画を見て「日日是好日」という言葉を自分なりに考えました。
最初に言ったように来る日も来る日も楽しく平和なよい日が続くなんてこの映画からは微塵も感じ取れませんでした。
なぜなら作中に登場する典子は浮き沈みのない何の変哲もない日常に悶々と考え込んでいたのですから。

以前テレビのニュースで映画を30秒スキップで見る人が増えていると聞いたことがあるのですが、きっとそれをしてしまったらこの映画は何気無い日常の物語で終わってしまっていたでしょう。

しかし1時間40分という日常を見続けることで初めてこの映画の本当に伝えたいことが理解できたような気がします。

人によって感じ方は様々ですから、あくまで私はこう理解しました。

日常をありのまま受け入れる。
それ自体が「日日是好日」であるということ。

春に桜が咲き、いずれ梅雨が来て、暑い夏が来て、緑の葉が紅葉し、寒い冬を迎える。

それが日常。

人生においても毎日寝て起きてご飯を食べることが日常であるように、楽しいことや幸せなことはもちろん、悲しい出来事や苦しい思いをすることも全て起きるべくした起きたのだと受け入れること。

しかし、何もかもそんなに楽観的に受け入れることができないこともあるでしょう。

特に悲しみや苦しみを受け入れることは容易ではありません。

悲しみを拭うには長い時間を要するものです。
だからこそ、どんどんと進んでいく時の流れに自分だけ取り残された感覚になることもあるでしょう。
いつもでもクヨクヨしていられないと無理に笑おうとする人もいるでしょう。

悲しい気持ちをありのまま受け入れるということは、ちゃんと悲しむということなのです。
悲しみを奥底に仕舞い込んでしまったら、いつそれを受け入れられるというのでしょう。悲しい思いをした時にたくさん泣いて、悔やんで後悔して、それから笑えば良いのです。

世の中にはすぐわかるものとすぐわからないものの二種類がある
すぐわかるものは一度通り過ぎればそれで良い
けれどすぐにわからないものは長い時間をかけて少しずつわかってく

映画の最後に出てくる言葉です。
私はこれを「日日是好日」という言葉と一緒に胸に留めています。

以前の私は起きたことにいつまでもクヨクヨして、まわりに苛立って、自分にも苛立って、でもそれを受け入れることも、吐き出す場所もなく悶々してしまうことが多々ありました。

この言葉に出会い心の容量がとても広くなった気がします。

映画や音楽から得た言葉が時に自分の座右の銘や糧となることがありますよね。
皆さんが影響を受けた言葉はどんな言葉があるのでしょう?
忙しなくすぎる日々に、ふとその言葉を今一度思い出せる機会となれたら嬉しいです。


由佳

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