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わたしがずっと言われたかった言葉。
わたしがカメラマンの仕事を始めたばかりの頃、とにかく仕事覚えが悪く、要領も効率も悪くて、一つのタスクをこなそうとすると別のタスクが疎かになって、気付かぬうちにミスをしてしまうことがあった。
しかも自分でも驚くようなミスが多く「なんでこんなミスをするの?」と上司に言われて「自分でもそう思います」と言い返したくなるようなことばかりで
「なんて自分は無能なんだ、職場の足手纏いにだけはなりたくない、先輩に嫌われたくない・・・」
そんな考えがぐるぐる頭を回って、しっかりしなきゃと思いつつ、私の意図に反して視野が狭くなっていく一方だった。
しかも私と一緒に入社した学生上がりの男の子は、3つも年下なのにとても優秀で、社会人経験のある私より先に昇進候補に上がって、それもまた自分に劣等感を植え付ける要因だった。
『もう無理だ、実家帰りたい・・・でも・・・』
こんな時にいつも私の頭に浮かぶのは、前職の上司に言われた言葉。
『大丈夫、あなたはこの仕事向いてるよ』
前職でも同じようなスタジオに勤めていたけれど、カメラマンとしてのキャリアは今の職場が始まりで、前職を辞めるとき、背中を押すように上司に掛けてもらった言葉が今でも心に残っている。
あの言葉だけが私の心の支えだった。
どれだけ先輩に怒られても、同期に追い抜かされても、お客様から心無いクレームを浴びせられても、私はこの言葉があったから頑張ってこられたと言っても過言ではない。
だけど一度だけ
私の心が支えきれなくなった出来事がある。
それは私が入社2年目くらいの頃に、特大クレームを頻繁に引き当ててしまった時だ。
そのどれもが、7割くらいお客様からの理不尽な文句だったけれど、担当した私の言葉選びだとか、場の雰囲気の作り方でどうにかできた部分も多々あって、それを真っ向から受け止めてしまい、精神的にかなり辛かった。
そして数日後
気持ちを引きずったまま別のお客様を担当し、誰が見ても円満に終わったはずなのに、撮影が終わってから涙が止まらなくなった。
「何をすれば正解なのか、もうわかりません」
スタッフルームで行き場のない感情を抱えながら涙を流し、しばらく心が落ち着かなかった。あの時に背中を押してくれた言葉が合っていたのかどうかも分からない。
そんな私を見兼ねて、数日後に上司に呼び出されて話を聞いてもらうことになった。(今の職場の上司です)
もともと要領が悪くて他のメンバーに迷惑を掛けてしまっていること、たくさんのクレームをもらってしまった事、今後どうしていいか分からないということ、わたしは洗いざらい話した。
「うんうん・・・」と優しく私の話を聞いてくれて、思わず涙が出そうになったけれど、膝の上で拳を握りしめて堪えながら、少しずつ話していく。
すると最後に上司は私の目を見てこう言った。
『そんなに深く考えなくて良いんだよ
大丈夫だって!あなたこの仕事に向いてるもん』
こんな偶然あるのか・・・
わたしは驚いて目を見開き
堰き止められていた涙がそこで溢れた。
私がずっと言ってほしかった言葉だ。
「向いている」と背中を押されて歩んできたけれど、進めば進むほど道のりは険しく、暗雲は立ち込めるばかりで、道を見失った。
わたしは本当にこの仕事に向いていたんだろうか、好きを仕事にするのはやっぱり無理だったんだ、私一人居なくたってもっと良いカメラマンはいくらでもいる。
そんなふうに悪いことばかり考えていたけれど、上司のこの言葉でまた道標が見つかったような気がした。
それから数年経って、わたしは随分とメンタルが鍛えられ、なんなら後輩のメンタルケアや指導を任せていただけるようになり、クレームが来るどころか、お客様満足度ランキングで月間一位をいただくことができるまでになった。
こうやって綴ってみると本当に人生って山あり谷ありだなと思う
成功の裏にはたくさんの失敗があって
強さの裏にはたくさんの弱さを乗り越えた過去がある
ずっと幸せでいたいと思うけれど
辛い出来事も、苦しい出来事も、
自分の意と反して否応なく訪れるだろう
それでもいつかこの谷から抜け出せる日が来る
今は分からなくても、ただ信じる
自分一人で乗り越えなきゃいけないと思わなくていい
自分でもどうしていいか分からなくなったら
誰かに手を差し伸べたっていい
「誰かに助けを求めなきゃいけないほど自分は弱い」
だなんて思わなくていい
手を差し伸べてもらえたなら
その恩を力に変えて今以上に強くなればいい
『弱さを認めることできっと道は開ける』
私はそう思う
この言葉もどうか
必死に今を生きる誰かの心に届けばいいな
*.+°Profile*.+°
花崎由佳(はなさきゆか)
フリーフォトグラファーをしながら
メンタル心理カウンセラーもやってます
日々の小さなお悩み、人間関係のお悩み、
自己肯定感や自分らしさのコーチングを
メインにお受けしていますஐ.*+
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