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対人関係で悩んだら見直したい、仕事でも家庭でも大切な“心理的安全性“の話

最近、「パートナーが話し合いに応じてくれない場合はどうしたらいいですか?」という相談をいただくことが増えました。

たしかに、仕事でも家庭でも、相手が不満や改善点を伝えてくれないと悩みますよね。もとから「話し合いができる人」を選ぶしか回避策はないのでしょうか……?

そう思ってTwitterでつぶやいてみたところ、たくさんの方から改善策の返信をいただきました。そこで「心理的安全性」について考えさせられたので、今日はその話を書きます。

相手を責める前に見直したい、「心理的安全性」

最近よく目にする「心理的安全性」という言葉。Googleのリサーチチームが「効果的なチームとは何か」という発表をしたことをきっかけに、ビジネスにおいてよく語られるようになりました。

《心理的安全性が低い状態》
・分からないことを聞くと、無知だと思われるかもしれないと思う
・このチームでは失敗が許されないと感じる
・自分が発言することで議論が止まるのではないかと思う
・自分の意見がいつも批判的に取られられるのではないかと思う
《心理的安全性が高い状態》
・自分の発言がチームみんなが受け入れてくれる
・失敗をしてもこのチームは次につながる
・分からないことを聞いたとき、助け合える
・批判的な意見も取り入れて議論を継続できる

(※麻野耕司さん著書「THE TEAM」より引用)

「否定されたらどうしよう」とためらわずに要望や改善点を言えているか?提失敗やミスを犯しても非難されないという安心感が得られているか?

それが担保されている職場は「心理的安全性」が高いチームだと述べられています。

チームの心理的安全性の高さは、パフォーマンスにも比例するという研究結果も出ています。

リサーチ結果によると、心理的安全性の高いチームのメンバーは、Google からの離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができ、収益性が高く、「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が 2 倍多い、という特徴がありました。
Google re:Work「『効果的なチームとは何か』を知る」 より引用 

ビジネスでは一般的な用語となった「心理的安全性」ですが、一緒に人生を共に創っていくパートナーにも、同じことは言えるのではないでしょうか。

パートナー間でも大切にしたい「心理的安全性」

パートナーが話し合いに応じてくれない時はつい、「黙っている相手が悪い」「こっちは話し合いしようと持ちかけてるのに」と相手を責めたくなってしまいます。

でも、もしかしたらそれは、ふたりの間の「心理的安全性」が低くなっており、パートナーが言いたいことを言いづらい環境になってしまっているのかもしれません。

家庭において心理的安全性を築くために大切なことは大きく3つあります。

①話し合いが苦手な相手を責めない

パートナーが話し合いに応じてくれない時によくありがちなのが、「なんで黙ってるの?」「何か言ってよ!」と相手に詰め寄ってしまうパターン。何も反応してくれないとたしかに不安になってしまいますよね。

ただ、聞く側は純粋に理由を知りたくて尋ねていても、「なんで黙ってるの?」と言われると、相手は糾弾されているような気分になってしまう場合もあります。

相手を問い正す言葉よりは、「これからもふたりで仲良く過ごしていきたいから、もしあなたがモヤモヤしてることがあれば一緒に解決していきたいんだけど、どうかな?」など、感情的に責めず協働の姿勢を見せることで心理的安全性を高められる場合があります。

②意見が違っていても否定しない

パートナーが自分の意見を言わないのには、これまで家庭や学校などで、何かを意見を言っても否定されてきた経験があるケースも多いです。

どうせ言ってもムダだろう、聞いてくれないだろうと諦めてしまっている状態。これは長年の積み重ねによるものなので、とても根深い問題です。

この場合は少し時間がかかるかもしれませんが、相手が抱えている「自分の意見を言うこと」への不安を取り除いてあげるのが一番かなと思います。

普段のささいな会話のなかでも、「あなたはこう思ってるんだね」「それも確かにそうだね」とまずは相手の言葉を受け止めること。否定から入らないって簡単なようでけっこう難しいので、まずはパートナーとの会話を振り返ってみるといいかと思います。

③相手が話し合いやすい環境を整える

もっとも多くいただいた意見がこのパターン。

話し合いに応じない相手をみると「私と話し合う気がないんだ」とイライラしてしまいがちですが、相手がすぐ話し合いに応じない要因には

・感情的な言動で相手を傷つけたくないので、落ち着いてから話したい
・もともと言語化が苦手で、口頭で伝えるのが苦手

などの理由が考えられます。「相手を傷つけたくない」という思いやりが裏目に出てしまうのは悲しいですよね。

これらに対しては、「どんな環境であれば、相手が話し合いやすいか?」という視点から考えてみる必要があります。

・感情的な言動で相手を傷つけたくないので、落ち着いてから話したい
→1日時間をおいて、落ち着けるカフェなどで話してみる

もともと言語化が苦手で、口頭で伝えるのが苦手
→LINEなどテキストでやり取りしてみる

時間をおいてからのほうが話しやすい? 話す時間は夜のほうがいい? など、お互いにとってコミュニケーションが取りやすい手段やシチュエーションは様々だと思うので、「話し合いはその日中に、対面で」という思い込みを捨ててみるのも重要かもしれません。

どんな話し合いの方法がふたりにとってベストなのかを模索できるといいですね。

まとめ

ささいなこともその場で話し合って解決できる関係になっていれば、問題解決が習慣となり、大きな問題が起こりにくくなります。

職場でも同様、パートナーとの関係性においても「心理的安全性を高める」ことを目指して、なんでも言い合えるふたりになれるといいですね。話し合いができないと悩む前に、まず心理的安全性を見直して、ぜひ3つのコツを実践してみてください!

パートナーとの対話を大切にし、長期的な関係を築きたい人のための会員制コミュニテイ「ふたりの教室」で、対話スキルや心理的安全性に関して勉強会を開いているので、よかったらこちらものぞいてみてくださいね!


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