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共働きでキャリアと家庭を両立するために必要な「対話力」の話

※7月25日発売の「共働きのすごい対話術」の一部を抜粋しています。

はじめに


「株式会社すきだよ」代表のあつたゆかと申します。家族やパートナーシップに関する社会課題を解決し、ふたりらしい生き方を支援する事業を行っており、共働きカップルの対話支援アプリ「ふたり会議」の運営や、企業・自治体向けに、共働きでのキャリア形成・夫婦間のコミュニケーション講座を提供しています。

事業を通じて、これまでに8万人以上の共働きカップル・夫婦のパートナーシップ支援や、ライフとキャリアの両立支援をしてきました。

事業のきっかけは、私がTwitterに投稿した、あるツイートです。

性格が正反対な夫とのエピソードを軽い気持ちで投稿したところ、12万人もの方に「いいね」をいただき、「目から鱗。違う国の人と考えればいいのか」「わが家も悩んでいたので、実践してみます」など、大きな反響がありました。

でも正直なところ、これほどの反響があったのは予想外でした。
「パートナーとの関係性」に悩んでいる人がこれほど多いとは思わなかったのです。

この経験を機に、共働きカップル・夫婦のさまざまな悩みを解消するための事業をはじめました。

「仕事か家庭か」という二者択一の問題


事業をとおして、パートナーとの関係に悩む多くの人の声を聞いてきました。なかでも多いのが、「仕事と家庭の両立」に関する悩みです。

「結婚後、自分ばかり家事の負担が増え、仕事をあきらめざるを得なくなった」
「転職しようと思ったら、将来を不安視したパートナーから反対された」
「将来、妊娠や出産などでキャリアをあきらめなきゃいけないのではないか」
「子供がほしいが、いま育休を取ると昇進に影響しそうで怖い」

ほかにも、子供を持つか持たないか、家を買うか買わないかなどなど、挙げればきりがありません。

いまはともに働き、ともに生活する時代です。「仕事」と「家庭運営」に役割を分けることは難しく、ふたりで仕事も家庭もこなしていく必要があります。

そんな現代では、家庭の問題は仕事の問題に直結します。「家庭の理想」と「働き方の理想」の板挟みになり、仕事に支障が出ている人が少なくないのです。

この本は、そんな悩みを抱えながら、「仕事も家庭も理想を実現したい」と願うビジネスパーソンに向けて、そのための方法を伝えるものです。

ライフとキャリアの両立をあきらめる必要はない


「家庭と仕事は二者択一のものではなく、両立できる」
これが、まず声を大にしてお伝えしたいことです。

わが家も共働きの夫婦であり、結婚後、お互いのキャリアに変化がありました。

私は、平日は会社員としてブランディングやマーケティングの仕事をしながら、週末は立ち上げたばかりの株式会社すきだよの代表として、右も左もわからないなか、事業立ち上げや採用のために奔走していました。

あまりの激務に、メンタル不調となったこともあります。

一方で夫も、海外拠点の立ち上げや教育プロジェクトの立ち上げなど、勤めていた会社で着実に信頼を積み重ね、事業責任者としてさまざまな部署を動かしていく立場を任されるようになりました。

キャリアの転機を迎え、お互いにどんどん仕事が忙しくなるなか、パートナーとはわかり合えない 。

はじめてのことだらけでストレスが溜まり、夫と衝突する機会が増えました。

しかし、そのたびに「対話」で乗り越えてきました。

お互いに仕事の役割や立場、働き方が変化するなかで、どのようにしてコミュニケーションを取り、支え合い、円滑に家庭を運営していくのか。

これは多くの共働き夫婦にとって、永遠のテーマだと思います。

そこで、共働き夫婦やカップルがお互いにライフとキャリアを両立するために、価値観が違っても対話をあきらめないことの大切さや、その方法をお伝えしたく、筆をとりました。

結婚が「墓場」になるかは自分たちのマネジメントしだい

わが家だけでなく、パートナーシップについての相談に乗るなかで、

「産後クライシスを乗り越え、育児と仕事を両立している夫婦」
「仕事の不満を洗い出し、お互いに理想の働き方を叶えた夫婦」
「激務によるメンタル不調を支え合ったカップル」

など、困難に直面しながらも、ライフとキャリアの理想をあきらめずに実現している共働き夫婦・カップルを数多く見てきました。

うまくいった人たちの特徴を考えてみると、みなさんパートナーとの「対話」を大事にしていました。

お互いの意思やビジョンを共有し、課題を明確にして、解決のためにどうすればいいか、建設的に話し合って協力していたのです。

一方で、関係性が悪くなって離婚してしまったケースを見ると、相手を責めるような言い方をしてしまったり、コントロールしようとしてしまったりと、対話がうまくいっていなかったケースがほとんどでした。

つまりふたりの関係性がうまくいかくなってしまう最大の理由は、「パートナー選びが悪いから」ではなく、「お互いに向き合い、対話する努力をあきらめてしまうから」だったのです。

「結婚は墓場」という言葉もあるように、たしかに結婚は大変です。
人生という船の乗組員が増え、これまでは自分の気の向くままに行ってきた決断や判断を、ふたりで行っていかなくてはいけなくなります。

転職、不妊治療、介護、いくつもの荒波も押し寄せます。
波に身を任せているだけでは、目的地にはたどり着けません。

理想のライフとキャリアを両立していくには、「対話」によって支え合う必要があります。身近な人だからこそ、「対話」は難しいかもしれません。

ですがふたりの理想にたどり着くには、マネジメントという舵取りが必要です。

結婚は「ともに協力して家庭運営をしていく」ことの船出であり、その船の行き先が墓場になるかどうかは、自分たちの舵取りしだいなのです。

人は「わかりあえない」から、対話する


夫婦とはいえ、もともとは他人です。いえ、結婚をしても、他人であることには変わりません。

育ってきた環境や、これまでに構築された価値観は、お互いに異なります。
そんな相手となんとしてもわかりあおうとしたり、相手を変えようとしたりすること自体、無謀なのだと思っています。

でも私たちは、話し合うことで他人とも手を取り合えます。

「わかりあえる」と思って対話を怠るから、関係性が悪くなる。
「わかりあえない」を前提に丁寧に対話するから、良い関係性を保てる。

こういうことだと、考えています。

日常的な対話の習慣を持っているカップルや夫婦は少ないのが現状です。
私が運営しているアプリユーザーへのアンケートでも、「対話ができている」と答えた人は3割にとどまりました。

パートナーと「対話」していくのは簡単なことではありませんが、近道や助け舟はありません。

まずは自分から、一歩ずつ、一言ずつ、話し合うことをはじめていかなくてはいけません。

ときには、お互いの意見が食い違ったり、すぐには相手の考えを受け入れられないと感じたりする場面も出てくるでしょう。

ですが、そういった違いを乗り越えるための方法こそが、「対話」です。

お互いのビジョンが異なったり、人生に求める優先順位や状況が変わったりしたときこそ、話し合ってお互いを理解することが大切です。

「わかりあえない」ことは絶望でもあるけれど、希望に転じるチャンスでもあるのです。

大好きで一緒になった人が、自分の人生の「壁」になるのは悲しすぎます。
ひとりで悩むよりも、ふたりで「どうやって達成するか」を考えたほうが、お互いが理想とするキャリアの実現にもぐっと近づくはずです。

結婚とは惚れた腫れたの気分だけで共同生活を送ることではなく、お互いの人生を理想に近づけるために手を取り合い、共に家庭をマネジメントしていくことのスタートなのです。

対話によって、パートナーが「最強の味方」になる。
対話によって、ふたりが「最高のチーム」になる。
この本が、そのための役に立てば嬉しいです。

あつたゆか

本日7/25(月)発売です!「仕事も家庭もうまくいく!共働きのすごい対話術」

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