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動機づけとは何か?①内容に重視する動機づけ理論

動機づけ、という言葉を聞いてどんなことをイメージしますか?
よく、「上司が部下へ動機づけできていない」とか、「やる気がないのは動機づけが足りないからではないか」などという言葉を耳にすることもあるのではないでしょうか。

今回のnoteでは、組織や人と向き合うときに必ずといって良いほど出てくる、「動機づけ」について下記の本を元に2回に分けて、まとめていきたいと思います。



そもそも動機づけとは?

動機づけとは、「何かをしようとする意志であり、その行動ができることが条件づけとなって、何らかの欲求を満たそうとすること」のことを言います。

『組織行動のマネジメント』p79

基本的な動機づけのプロセスは上記の図のように進んでいきます。

つまり、動機づけをされた従業員というのは、緊張状態にあることになります。この緊張状態を緩和するために、行動を起こすという流れになっています。

確かに私自身も、「365日noteを更新する!」と決めた時に緊張状態になったなと思います。(何なら今も緊張状態は持続している….)「自分でやると決めたからにはやり切らねば」というプレッシャーが、毎日noteを欠かさず書くという行動になっていると思います。


動機づけには内容理論と過程理論があって、今回は内容理論をいくつかまとめていきたいと思います。

本を元に原田が作成

内容に重視する動機づけ理論

動機づけを理解するにあたって、必ず知っておきたいいくつかの代表的な理論があります。その理論の中でも、今回は「内容に重視する動機づけ理論」を紹介していきたいと思います。

内容理論とは、人間は何によって動機づけられるかという内容に重視する理論のことをいいます。

(1)マズローの欲求五段階論


エイブラハム・マズローの欲求五段階論は、どんな人間の心にも、五つの欲求段階が存在するというものです。

『組織行動のマネジメント』p81


高位なもの:内的に満たされるもの
自己実現欲求:自分が満足できる自分になりたいという欲求のことで、第1階層から第4階層までの欲求を満たしたうえでないと実現できないと考えられている。
自尊的欲求:他者から認められたいと願う欲求
社会的欲求:集団に所属したり仲間を得たいという欲求のこと。「所属と愛情の欲求」ともいわれることもある。

低位なもの:ほとんどが外的に満たされるもの
安全的欲求:身の危険を感じるような状況から脱したいという欲求のこと
生理的欲求:食事や睡眠、排せつといった人間が生きていくための本能的な欲求のこと。

この理論はとても有名ですが、この理論に従えば労働力の意欲をより一層高められることを示す実質的な証拠はほとんどない、といわれています。

(2)X理論とY理論

ダグラス・マグレガーが提唱したX理論とY理論です。

マグレガーは、マネージャーの部下に対する人間観は一群の仮定を元にしており、そうした仮定をもとに部下に対する行動を形成していくのだと結論づけました。

X理論:人間は本質的に仕事を嫌がる生き物であり、避ける傾向があると捉える考え方。この前提に基づき、人間は外部からの強制や指示がなければ、必要な業務を遂行しないとされる。

Y理論:人間は仕事を自然に楽しむことができ、自己実現を通じて仕事に取り組む傾向があると捉える考え方。人間は、自分自身の成長や目標達成を求めて、主体的に仕事に取り組むとされる。

こちらも、一連の仮定が有効なのか、Y理論の仮定を受け入れて、それに従って対策を変更すれば、労働者の働く意欲を高められるのかどうか、確認できる証拠はないと言われています。

(3)二要因理論

フレデリック・ハーズバーグが提唱した理論です。

ハーズバーグは、人と仕事との関係は基本的なものであり、仕事に対する態度が成功か失敗かを決定するという信念から、ハーズバーグは「人は仕事から何を求めるか」というも命題に取り組んで調査研究をした人物です。

衛生要因とは
給与や職場環境、労働時間などを指す。衛生要因が満たされないと、仕事の不満足につながる。 例えば、長時間労働を強いられている、残業手当が支払われない、昇給しない、劣悪な環境で働かされるなど。 一方、これらを満たしても不満足は解消されるが、満足感にはつながらない、というのがハーズバーグの考え方の特徴である。

動機付け要因とは
昇進の機会、個人的成長の機会、達成などを指す。仕事に満足していると感じている回答者はこうした要素を自身の成果とする傾向がある。

(4)欲求理論

デイビッド・マクレランドが提唱した理論です。

マクレランドの欲求理論では、従業員の行動の動機を「達成動機(欲求)」「親和動機(欲求)」「権力動機(欲求)」の3つに分類し、後ほど「回避動機(欲求)」が追加され、4つに分類しています。

達成動機(欲求):ある一定の標準に対して、それをしのぎ、あるいはそれを達成し、成功しようと努力すること。
親和動機(欲求):友好的かつ密接な対人関係を結びたいという欲求。
権力動機(欲求):ほかの人々に、何らかの働きかけがなければ起こらない行動をさせたいという欲求。
回避動機(欲求):失敗を恐れて適度な目標をあえて避けようとする
批判を恐れて周囲に合わせようとするなど、失敗や困難な状況を回避しようという欲求。


この4つの理論は、動機づけの内容理論では抑えておきたいものになります。

次回のnoteでは、これらの内容理論を元に発展していった、動機づけの過程理論について、まとめていきます!


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