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【イベント】みんなのためのホームシネマ

ドイツ・ベルリンの素敵な取り組みを見つけました。

コロナウイルスの感染拡大を抑えるために導入された外出制限措置。先日、感染者数が減少傾向に向かっているドイツでは、大きな局面は乗り越えたとして、大幅な緩和に踏み切ったと報道されました。それによると、すべての店舗の営業再開を認めるほか、レストランやホテル、映画館などの文化施設も、感染の状況をみながら、州ごとに段階的な再開を判断していくそうです。

一方で、人と人との距離を1.5メートル以上とることを求める「接触制限」については、来月6月5日まで延長するとしています。このルールに基づいて営業再開は難しいとされているのが映画館。構造上の問題や運営オペレーション、お客さんの安全面を考慮すると、まだまだ再開のリスクが高く、解決すべき問題点があることから、ベルリン市内では少なくとも6月5日までは閉鎖を継続する可能性が高いそうです。

そんななか立ち上がったのが「Window Flicks」という文化プロジェクト。営業の危機を抱えているベルリン市内の映画館を支援するために生まれた新たな取り組みです。

if you can’t go to the movie theater, maybe the movie theater can come to you.(映画館に行けないのであれば、映画館があなたの元にくるかもしれません)というアイディアから生まれたこの取り組みは、住宅の壁や中庭のファサードなどをスクリーンキャンバスとして、家族や近所の人たちが家の窓やバルコニーから楽しめる映画を映し出します。パンデミックによる困難な局面のなか、長い間自宅で過ごす市民に向けて、安全な環境で、新たなコミュニティ体験としての映画を提供し、サポートに繋げることを目指しています。

さまざまな映画配給会社のサポートにより、映画のラインナップも充実していて、「グッバイ、レーニン!」、「コーヒーをめぐる冒険」、「ベルリン・天使の詩」、「ひつじのショーン」、「アーティスト」、「ゴッホ 最期の手紙」など名作がそろっています。主催者は営業の危機に瀕しているベルリン市内の映画館への連帯と支援の象徴として、これらの映画を無料で提供しています。

上映をリクエストするには、少なくとも20のアパートメントが同じ壁に面しているブロックで、大きな壁があり、周りに遮るものがない見晴らしの良い場所に住んでいることが条件。使いたい壁と自宅の写真を主催者にメールで申請するようになっています。また、映画に参加したくない近所の人にも配慮として、まずは字幕付きのサイレント上映を予定しているそう。その後の反応をみて音声付きの上映も計画するようです。

Windowflicksは、Fortsetzung Folgt(To Be Continued)と呼ばれるクラウドファンディングによるキャンペーンへの寄付を奨励しています。これにより、ベルリンの映画館の生計をサポートするために、730,000ユーロを集めることを目的としています。

リスクを新たな文化の価値に変えていく!素晴らしいチャレンジです。
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