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<ラグビー>2022~23シーズン、リーグワン第13節の結果及びインターナショナルラグビー関連等

(どうでもよい「話の枕」です。関心ない方は飛ばしてお読みください。)

 若隆景の負傷長期休場は、辛口解説の北の富士がいうように「とても残念で辛い」出来事だった。横綱長期休場・大関カド番という状況で、おそらく豊昇龍、霧馬山のモンゴル勢が順調に大関へ上がっていくのだろうが、琴ノ若、若元春、大栄翔らにも頑張ってもらいたい。特に琴ノ若は大横綱になれる逸材と思うので期待している。また、正代、高安、朝乃山には返り大関になってもらたい。そして、王鵬、琴勝峰には、より一層の活躍を期待している。

 ところで、世間一般的に行政文書についての誤解があるようなので、一言いわせてもらう。要するに、「行政文書=信憑性の高い公文書」とはならないということだ。役人が業務の関係で作成した文書は、全て行政文書(の対象)になる。ところが、例えばある会談(会話)の記録を、一方の側の記憶と印象で作成しただけの記録(メモ)を役人が作成したものは、行政文書となっても、その信憑性は担保されていない。なぜなら相手側から確認・同意を取っていないからだ。

 一般的に言っても、ある会話記録を一方の側の記憶と印象だけで表現した文章がそのまま「正確なもの」になることはない。相手側からの一言一句にいたるまでの確認・同意を得てから、ようやく「正確性が担保」されるのである。もしも、一方的な記憶と印象から(さらに個人の意見も含めて)作成したものが、そのまま裁判資料として判決の決定的な証拠となるのであれば、それは極めて不公平な裁判になるだろう(例えば、第二次世界大戦後の旧日本軍及び軍属のBC級戦犯に対する即決裁判と執行)。

 このあたりの当然の論理の整合性を、日本のマスコミはスルーしているし、また報道を受け取る側(視聴者や読者)も、「行政文書=信憑性の高い公文書」と誤解しているようなので、敢えて書かせていただいた。

1.リーグワン第12節結果

ブラックラムズ東京10-12東芝ブレイブルーパス東京

 せっかくのフライデーナイトゲームなのに、またもやあいにくの豪雨という、ラグビーをやるにはまったく相応しくない天候。屋根付きの人工芝グランドでやる方が、よほど健全かつ理想的なラグビーができる。断言するが、「ラグビーは雨の中でやることを目的にしたスポーツでは決してない」。

 特にブレイブルーパスがそうだが、両チームともにアタックの肉弾戦をいとわないプレーなので、これが好天であればもっと素晴らしいゲームになっただろうが、それでも激しい肉弾戦の連続はそれなりに楽しめた。特にキックオフから3分までプレーが切れなかったのが素晴らしい。しかし、雨という悪条件からハンドリングエラーが多く(TVのスタッツは絶対に間違っていると思う)、得点チャンスにエラーが続く。

 その後24分に、ブラックラムズはPGのチャンスを得るが、意外にも外してしまう。これで流れが変わり、ブレイブルーパスが相手ゴール前に継続して攻め込むが、ブラックラムズにブレイクダウンとスクラムとラインアウトのセットプレーで負け、得点できない。前半は0-0となったが、得点とは反対に内容は濃いものだった。

 後半に入り、ブラックラムズがようやくPGで先行する。さらに48分にトライを挙げ、10-0とリードを拡げる。ところが、ブレイブルーパスは、前半控えていた大きくパスをつなぐプレーをミスなく継続することに成功し、ついに51分にトライを返して10-7と3点差に迫る。後半いつものとおりに「ゲームチェンジャー」として出てきた、ブラックラムズの切り札BKアイザック・ルーカスは、キックが上手くない上に、雨天では能力が半減するため、この日は実力を発揮するチャンスがなかった。

 ブラックラムズがアタックで停滞していた66分、ブラックラムズにシンビンが出てしまい、この間にブレイブルーパスが逆転となるトライを挙げ、10-12とする。しかしコンバージョンを決められなかったため、ブラックラムズにPGで逆転勝利の可能性が残された。そして、76分にブラックラムズは絶好のPGチャンスを得るが、これをまたもや外してしまう。その後も得点チャンスがブラックラムズに訪れたが、フィットネスに優るブレイブルーパスが守り切ってノーサイドとなった。

 繰り返すが、これが好天または屋根付きスタジアムであれば、フライデーナイトゲームに相応しい素晴らしいゲームになったことだろう。また、もしこのゲームが面白くないというのであれば、それはプレヤーやチームの責任ではない。旧態依然としたラグビースタジアムでゲームを行ったことにすべての原因があるのだ。面白いラグビーを見るためには、一刻も早く屋根付き兼人工芝のスタジアムを建設すべきだろう。

横浜キャノンイーグルス64-12花園近鉄ライナーズ

 優勝を狙うチームと降格確実のチームとの対戦。そして、この大差の結果。ミスマッチと言われても仕方ない。ゲームは、前半を40-5とイーグルスがリードし、後半も24-7とリードしたが、前半で勝負が決まったイーグルスが、後半に手を抜いた印象が強い。つまり、イーグルスのアタック練習だった。イーグルスSO田村優の評価も、こういうゲームだと難しい。

トヨタヴェルブリッツ10-19埼玉ワイルドナイツ

 今週のNO.1ゲームは、やはりワイルドナイツのものだった。スティーヴ・ハンセン前オールブラックス監督のコーチングを受けて、かなり強化されたヴェルブリッツを相手に、前半を7-13、後半を3-6と競った上に、42分と50分にシンビンを出して、約20分を14人で戦う不利な状況ながら、最後にきっちりと勝つあたりは、本職の大相撲に横綱・大関が不在な中、ラグビーで横綱相撲を見せてくれた好ゲームだった。

 個々の選手では、ワイルドナイツのWTBマリカ・コロイベテが攻守に秀逸で、いくら海外でプレーしているとは言え、エディー・ジョーンズはNRLから選手を引き抜くことよりも、コロイベテをWTBに固定することを考えた方が良い。さらにワイルドナイツのFL福井翔太の仕事量の多さと、FB野口竜司のハイボールキャッチとランニングスキルは素晴らしく、二人ともにぜひ日本代表に入れて欲しい。

 ワイルドナイツの強さの理由を「良い選手を揃えているから」との「解説」があったが、もしそうなら、ラグビーにコーチングは不要となるし、コーチ次第でチームの勝敗が決まることが否定されてしまう(ちなみにTVでは、ヴェルブリッツSHがワイルドナイツSHに対して、球出しの際に過剰にプレッシャーをかけていたことを「個人の資質」と「解説」していたが、その後ヴェルブリッツSHが交代しても同様のプレーをするのを見て、「チームとしての決め事かも知れませんね」と「解説」していた。

 これは、明らかに最初から「チームのコーチングによるもの」であり、そもそもリーグワンのディビジョン1レベルで「個人の資質」だけでプレーをする割合は、かなり少ないのが自然だ。またこうした「解説」がTVで通用するのなら、ラグビー好きの芸能人に「解説」させれば、よほど視聴率がアップするのではないかと考えてしまった・・・)。

 ワイルドナイツが強い理由は、なんといってもロビー・ディーンズのコーチングと飯島均によるクラブマネージメントに尽きる。そして選手たちは、良いクラブマネージメントの中で、ディーンズのコーチングを良く理解し、またそれを良く実行しているからだ。だから、もしジェイミー・ジョセフが日本代表監督を下りる場合は、後任にはディーンズが最適だと思うが、残念だが、たぶんディーンズは受けないと思う。さらに、飯島を日本協会の幹部にするアイディアも良いと考えるのだが、これも学閥等の理由によって日本協会の「理屈」では無理な話なのだろうな。

静岡ブルーレヴズ30-20三菱重工相模原ダイナボアーズ

 入れ替え戦回避争いなので、それなりに大事なゲームだが、盛り上がらない内容になってしまうのは、両方の地味なチームカラー故だから仕方ない。そして、静岡ブルーレヴズは、日本のスポーツマスコミでは、なぜかリーグワンで最も理想的かつ応援すべきクラブとなっている。その理由の第一は強力な学閥だと理解しているが、けっこう当たっているのではないか。

 ゲームは、前半29分にダイナボアーズにレッドカードが出てしまう。力が拮抗した対戦だとこれは致命傷だ。しかし、43分にブルーレヴズにもシンビンが出て、前半を10-13とダイナボアーズがリードして終わる。しかし、後半に入ると数的不利が影響し、81分にはブルーレヴズにペナルティートライを取られてしまうなどして、最後は完敗した。

 この結果、ダイナボアーズが入れ替え戦となる10位に降格し、ブルーレヴズは順位を上げた。ダイナボアーズのシーズン当初の勢いはもうなくなっており、現在は実力通りの結果に落ち着いてきたようだ。

グリーンロケッツ東葛7-32東京サンゴリアス

 相撲で言えば十両と大関との対戦だから、格が違って当然のゲーム。そして実力通りに、サンゴリアスが前半を7-15とリードし、後半は、55分にグリーンロケッツにシンビンが出たこともあり、0-17として完勝した。本来はサンゴリアスがもっと大量得点しても良いゲームだが、雨の条件ではラグビーらしい良いプレーは限られしまうから仕方ない。屋根付き人工芝のスタジアムでゲームができたらなあと、つくづく思う。

コベルコ神戸スティーラーズ14-23クボタスピアーズ船橋東京ベイ

 本当は競った面白いゲームになるはずだが、元気のないスティーラーズには期待できない。そして、さらに雨と言う悪天候。せっかくの「ラグビーの西の聖地」花園でのゲームだが、晴天でプレーさせたあげたかった。

 ゲームは、6分にスピアーズがPGで先制するが、その後22分まで、両チームともに攻め込んでは自滅するミスを繰り返し、ゲームは動かない。しかし、FW戦に優るスピアーズが徐々にペースをつかんでいき、24分にトライを挙げて、前半を0-13とする。
 
 後半にスティーラーズの巻き返しが期待されたが、41分にPGで0-16とされた後、FBに入っている山中亮平のスーパープレー(特にトライアシストになるバックフリップパス)でトライを返す。その後スピアーズに何度もインゴールを割られるが、TMOでオブストラクション(スピアーズボールのスクラムでSHが、スティーラーズSHを故意に捕まえてタックルさせなかった悪質な反則だった。TV解説では「昔は乱闘になったプレー」と説明していたが、そんな昔話よりも、日本の高校生たちが絶対に真似しないように注意したい「非紳士的プレー」だと言うべきでは?)が確認されるなどして耐えたが、59分にトライを追加され、7-23と引き離された。

 しかし、64分にスピアーズにシンビンが出て、スティーラーズに逆転のチャンスが訪れる。そして65分に、またもや山中がトライにつながる好プレーをした上に、右端からのコンバージョンを決めて、14-23と試合を面白くしてみせたが、スティーラーズの反撃もここまでだった。その後は数的優位もなくなり、スピアーズが南アフリカ勢の強力FWで圧倒して、最後は逃げ切った。

 スティーラーズは、正SOがいない状況で良くやっているが、やはり上位相手では苦しい。一方のスピアーズは、順調にプレーオフに向けて勝ちを伸ばしている。

2.インターナショナルラグビー関連

(1)スーパーラグビーパシフィック第5週

クルセイダーズ35-17ブランビーズ

 一応NZ及びオーストラリアのトップチーム同士の対戦であるが、両チームともに怪我人を多く抱える一方、特にブランビーズはワラビーズの選手を温存した半ば捨てゲームのメンバー構成だった。そのため、ホームであるクルセイダーズの圧勝が期待されたが、SOリッチー・モウンガの珍しいハンドリングエラー多発もあり、万全の勝利とまではならなかった。

 ゲームは、クルセイダーズが拙攻を繰り返しつつも前半を21-3で折り返し、後半もWTBレスター・ファインガアヌクの突破力でトライを重ね、69分にブランビーズに28-17と迫られたが、77分にトライを返して、ボーナスポイントを獲得した。

 なお、この試合から、スクラムの際にディフェンス側のSHは、スクラムからボールが出るまでの間は、アタック側のSHから1m離れる試行ルールが実施されている。これで、特に南アフリカのSHファフ・デクラークが得意とする、相手SHへの悪質なチャージはできなくなった(これとは別だが、日曜のリーグワンで、スピアーズSHがオブストラクションを取られていた)。ラグビーの健全な発展のためには、是非正式採用すべきルールだと思う。

ワラターズ14-24チーフス

 チーフスFBダミアン・マッケンジーが100キャップを達成。マッケンジーはSOよりFBが合っているように思う。ちなみにSOはブリン・ゲイトランド(ウェールズ監督ワレンの息子。ちなみにワレンは現役時代はHO)。

 アウェイのチーフスが、完調とは言えないまでもワラターズに勝利し、5連勝とした。前半は、お互いにトライを取り合った末、25分にチーフスがPGチャンスを得るが、これをマッケンジーが外してしまい、7-7で終わる。

 後半は、チーフスが先に先にと得点して、54分には7-17とする。その後61分にトライを返されるが、76分にトライを加えて最後は14-24で勝利した。ボーナスポイントを取れる相手だっただけに、満足とは言えない結果となったが、勝利したことで優勝に向けての一歩前進となった。

ハイランダーズ57-24フィジードルア

 オールブラックス及び世界NO.1のSHアーロン・スミスが戻ってきたハイランダーズは、ゴール前でのスミスからの高速かつピンポイントのパスでトライを量産し、前半を33-12、後半を24-12と圧倒して、これまでのうっ憤を晴らすような快勝となった。

 一方の大敗したドルアだが、フィジーのホームでクルセイダーズに競り勝ったゲームもあるので、けっして弱小チームではない。そのため、中心選手がそろってきたハイランダーズは、これから上位チームを脅かす存在に化ける可能性がある。

モアナパシフィカ0-59ハリケーンズ

 オールブラックスのジョルディ・バレットを休ませたハリケーンズが、SOに元クルセイダーズでオールブラックスのキャップを持つ、日本でもプレーしていたブレット・キャメロンを先発させて、前半こそ0-19のスコアだったが、後半にアタックが爆発し、計9トライを重ねる圧勝となった。またモアナをゼロ封したティフェンスも評価できる。

 ハリケーンズのプレヤーでは、相変わらずSHキャメロン・ロイガードが良いプレーをしており、TJ・ペレナラを凌ぐ選手として、オールブラックスのスコッドに入りそうだ。同様に、FLピーター・ラカイも良いプレーを見せているが、オールブラックスのFW3列は層が厚いため、スコッド入りはなかなか厳しいだろう。

レベルズ40-34レッズ

 好調レベルズ対不調レッズという図式のままにレベルズが勝利した。前半を26-14としたレベルズは、後半54分に26-31とレッズに逆転されたが、57分に再逆転し、その後はレッズを1PGのみに抑えた一方、1トライを追加して勝利した。

 レベルズのSOカーター・ゴードンが良いプレーをしており、ワラターズのFBマックス・ヨルゲンセン(ジョーゲンセン)とともにワラビーズ入りする可能性が出ている。なお、ワラビーズのSOとしては、クエード・クーパー、ジェイムズ・オコナー、マット・トゥムーアのベテラン勢と、ノア・ノレシオ、ベン・ドナルドソンらの若手が候補となっている。個人的には、オコナー>ノレシオ>ドナルドソン>ゴードンの順ではないかと見ている。デビューしたばかりの、往年の名手マイケル・ライナーの息子トムがワラビーズ入りするのは、早くても来年だと思う。

ブルーズ30-17ウェスタンフォース

 ブルーズは、SOボーデン・バレット、SHフィンレイ・クリスティー、WTBケイレブ・クラーク、CTBリエコ・イオアネ、PRネポ・ラウララ、FLダルトン・パパリイらのオールブラックスを休養させたが、SOスティーヴン・ペロフェタ、WTBマーク・テレア、LOキャメロン・スアフォアらが活躍して、前半を18-5とリードし、後半も12-12として、格下相手に完勝した。

(2)オールブラックスの次期監督に、スコット・ロバートソンを指名
https://www.allblacks.com/news/scott-robertson-appointed-all-blacks-head-coach-from-2024/

 オールブラックスの現監督イアン・フォスターは、今年のフランスRWC後に退任することを自ら発表しているが、その後継者として現クルセイダーズ監督のスコット・ロバートンが指名された。時期は2024年から2027年オーストラリアRWC終了後となっているが、実質今年のRWC終了後から指揮を執ることになる。

 なお、アシスタントコーチについてはこれから指名していく予定だが、現在オールブラックスのFWコーチをしているジェイソン・ライアンは、ロバートソンとの親しい関係から留任すると見られる。他には、現ブルーズ監督のレオン・マクドナルドと現ハリケーンズ監督のジェイソン・ホランドの、アシスタントコーチ就任が噂されている。

https://www.planetrugby.com/news/scott-robertson-13-things-to-know-about-the-breakdancing-surfer-who-will-be-the-new-all-blacks-head-coach-after-the-rugby-world-cup

スコット・ロバートソンの略歴を上記のウェブサイトで紹介している。その内容をピックアップすると以下のとおり。
選手(オープンサイドFL):
カンタベリー州代表として、69試合、5回のNZ州選手権優勝、ランフェリーシールド保持。クルセイダーズとして、86試合、4回のスーパーラグビー優勝。
コーチ(監督):
カンタベリー州代表:3回のNZ州選手権優勝
NZU20代表:2015年世界選手権優勝
クルセイダーズ:6回のスーパーラグビー優勝

 一方、オールブラックスの立て直しに大きな貢献をした、現アシスタントコーチのジョー・シュミットは、RWC終了後は全てのコーチ業務を行わないと宣言しているため、ロバートソンの下で働くことはない予定だ。ただし、世界有数の名コーチなので、ウェイン・スミスとともに、アドバイザー的にオールブラックスに関与してくれることを期待したい。

 ところで、2015年に引退した史上最高のオールブラックスの一人であるリッチー・マコウは、みずからコーチになる意思はない旨発表しているので、今後ともオールブラックスのプレー面に関係することは想定されていない。しかし、もう一人のオールブラックスのレジェンドであるダニエル・カーターは、ロバートソンとカンタベリー及びクルセイダーズのOBという近い関係にあるので、キッキングコーチなどで入閣することもあるのではと予想する。

 なお、今回RWC前に次期監督が決まったことに対しては、フォスター監督がチームへの影響を度々表明している。一方、早期に指名した最大の理由は、NZの優れたコーチの中でも将来性はNO.1であるロバートソンを、もしここで指名しない場合は、他国の監督に取られてしまう可能性を回避するためでもあった。

 実際、2007年RWC準々決勝で、未熟なレフェリングにより屈辱的な敗退をしたオールブラックスは、次期監督人事において、グラハム・ヘンリーの続投またはクルセイダーズで実績を挙げたロビー・ディーンズの抜擢かという難問に直面した。この時は、高い勝率及び再建プランなどを考慮してヘンリー続投を決め、その後2011年RWCでの見事な優勝に結びつけた。しかし、オールブラックス監督になれなかったディーンズは、NZ協会を離れて、ライバルであるオーストラリア・ワラビーズ監督に就任した経緯がある。

 その後ディーンズは、ワラビーズ監督として合格点の成績を残していたが、オールブラックスになかなか勝てない等の事情もあり、5年間勤めた後に解任された。そして、日本のパナソニック(現ワイルドナイツ)監督に就任し、周知のとおり素晴らしい成績を残している。そのため、オールブラックスをはじめ国代表監督就任の期待も多いが、当人はパナソニックから出ていく気持ちはないようだ。

 なお、現日本代表監督のジェイミー・ロバーツは、ロバートソンの対抗馬と見られていたが、結果からみれば単なる「見積り合わせ」的な対抗馬であったように思える。また、日本協会もジョセフ続投を期待しているので、RWC後も継続して日本代表の指導にあたる可能性が高くなった。これはそのまま、世界有数のアタックコーチであるトニー・ブラウンも続投することを意味するので、日本代表には朗報だと思う。

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