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SES営業のAs Is とTo Beについて

私はSES営業に大きな可能性を感じております。

SESはシステム・エンジニアリング・サービス(System Engineering Service)のことを指しますが、最後のServiceのところを強く意識すると可能性が開かれます。

私自身、下記の【As Is】受け身のメンタルでしか行動できなないときもあり、それはなかなかもどかしいものがあるのですが、【To Be】の主体的なメンタルで行動できたときは、クリエイティブにできる余地がたくさんあるなと感じています。

【As Is】 受け身のメンタル・行動


SES営業で必ず行わなければならない業務は基本的には以下の3つになると考えています。

  • 案件情報の確認

  • エンジニアのスキル情報の確認

  • マッチング可否と提案可否の判断

他に、案件数を増やすために新規顧客を開拓したり、エンジニア情報を増やすために新規パートナーを開拓することができます。

しかし、いずれも仕組み化されていないなければ、新規案件やエンジニア情報を実際に入手できるかはわかりません。

この場合は、他者の状況に左右されるという意味で「受け身」と言わざるを得ない状態だといえます。

契約成立後のフォローアップも、積極的に問題発見に関与はせずに、問題が発生したら事後的に対応するのであれば「受け身」のスタイルになります。

※ 現在はSES業界にSIerの系列にとらわれない案件情報や各エンジニアのデータベースがないため、SES営業がマッチングの主な担い手になります。「受け身」という表現を使いましたが、このマッチング行為がなければ業界は成り立ちません。したがって、受け身の姿勢が悪いと申し上げるつもりはなく、現在の業界の構造上これがスタート地点だという程度の意識です。

【To Be】 主体的・積極的・提案型のメンタル・行動

◆第一形態:マーケティング・人事の知見活用

顧客に対してエンジニアの提案の「量」「質」「スピード」のいずれかまたはすべてをあげていくとなると、マーケティングの知見をベースにデジタルの活用が必要になります。

エンジニアに関する情報を充実させるためには、人事に関する知見も本格的に必要になります。

◆第二形態:顧客のプロジェクトマネジメントへの関与

顧客であるSIerなどのプロジェクト成功のために、SES営業がプロジェクトの中に入り込むスタイルです。報酬の有無や、プロジェクト内での正式な肩書の有無は問いません。

プロジェクト側から見れば、SES営業は(無償で使える)人的リソースの調達代行者です。プロジェクトマネージャーがユーザー顧客対応で忙しいため、後方支援を行うイメージです。

また、プロジェクトマネージャーが一人で重責を担っている場合は、概要スケジュール・WBS・課題管理・リスク管理などを一緒に行うこともできます。

第一形態ではあくまでもプロジェクトの外にいましたが、第二形態ではプロジェクトの中に入り込んでいます。キックオフや週1の定例会に誘われて、そこで積極的な提案ができれば、SES営業の付加サービスになります。

◆第三形態:本質的な営業・マーケティングによる共創

顧客がもっているリソース(知識・スキル)と、SES営業として自社やパートナーもつリソース(知識・スキル)を掛け合わせて、新しい取り組みを行ったり、企画を提案して、顧客にとっても単価アップや新規の売上につながるような動きをとることができます。

リソースの掛け合わせというのは、すでに決められた案件とエンジニアのマッチングだけではなく、お互いを深く知り使われていない知識・スキルも総動員して案件やサービスの創出につなげるような行為になります。

「本質的な」と書いたのは、顕在化した案件のヒヤリングだけではなく、潜在的な課題や、活用されていない顧客の知見・ネットワークなどを引き出す行為は、より重要な問題解決につながると考えているためです。

SES事業者においては、自社のSESという「サービス」の定義をどこまでにするか、柔軟に考えていただけるきっかけとなれば幸いです。それぞれの顧客との相互作用によっていろんな形態が生まれるはずですので、それが業界や社会の活性化につながると信じています。


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