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軽度認知障害(ものわすれ)が、始まったら、低糖質食にしよう!!!

 アルツハイマー病(認知症)は、2025年に730万人になるといわれています。65歳以上の、5人に1人が、認知症になる時代がやってきますが、今のところ有効な治療法がないのが現状です。認知症に唯一いいところがあるとすれば、それは、10年から20年かかってゆっくり進行することであり、その間に自分たちでできることがあります。

 軽い物忘れ、軽度認知障害が出始めた時に、まず、することがあります。それは、食事から糖質を極端に減らすこと、つまり、低糖質食にすることです。

 軽度認知障害(MCI)は、海馬(記憶の脳)の神経細胞が、エネルギー不足でうまく機能しない状態になった時起こります。まだ神経細胞が死滅していない状態なので、エネルギー源をブドウ糖(糖質)から、ケトン体(βーヒドロキシ酪酸)に切り替えると記憶の脳は、機能し始めます。
 なぜかと言うと、脳は、ブドウ糖とケトン体のハイブリッドで、エネルギーを得ているからです。だけど、両方同時には使えません。
 ブドウ糖(糖質)を断ち、ケトン体を使いやすいようにするために、低糖質の食事にすることが、とても大切なことなのです。
 
 なぜエネルギー不足が起こるかというと、海馬の神経細胞が、インスリン抵抗性を起こし、ブドウ糖をエネルギーとして、利用できなくなるからです。なので、アルツハイマー病は、第三の糖尿病といわれています。

 教科書的には、海馬の神経細胞周辺に、アミロイドβ(ベーター)やタウタンパク(脳のごみ)が溜まるのが原因と言われていますが、インスリン値が高いほど、ごみは溜まりやすいのです。つまり、糖質過多の食事が、高いインスリン値の原因となりますので、低糖質食にする必要があるのです

インスリンが高いと脳にごみが溜まりやすい

 低糖質食にすると、肝臓が体脂肪(中性脂肪)から、ケトン体を作り始めます。(肝機能が悪いとうまくいかない事があります)
私の経験では、低糖質食にするだけでも、軽度認知障害の改善がみられることがあります。

 さらに、低糖質食を持続すると認知症の進行が止まる可能性があります。
ケトン体には、海馬の神経細胞を保護する作用もあるからです。

ブドウ糖が利用できないなら、ケトン体を利用しよう

 脳は、脂質でできています。LDLコレステロールは、悪玉と呼ばれ、循環器科、 内科では、徹底的に下げる治療がされますが、コレステロールは、自分の肝臓が8割作っていると言われており、必要性があってつくられているものです。動脈硬化を進行させるのを防ぐという目的だけで、下げれば下げるほどいいというようなものではありません。

 また、脳の50%は、コレステロールでできています。アルツハイマー型認知症の患者さんに、コレステロールを下げる治療は、禁忌です。実際、疫学的研究(フラミンガム研究)では、血中コレステロール値が高い人のほうが、認知度は、高くなる傾向があると言われているからです。コレステロールを下げるより、低糖質食で、血糖値を下げて、インスリンの分泌を減らすことのほうが、認知症治療には、重要になってきます。

神経細胞 神経線維には、良質のコレステロールが必要です。
動脈硬化の予防という一つの目的だけで、コレステロールを下げてはいけない。

 脳は、脂質でできているため、食事で取る油には、こだわってもらいたいと思っています。 
全年齢層で、不足しているオメガ3脂肪酸(必須脂肪酸)、EPA  DHAをサプリメントで取り、炎症性の脂肪酸(オメガ6、植物油、)をエクストラバージンオリーブオイル(オメガ9)に変えても、効果があります。

 海外で禁止している国もあるトランス脂肪酸(マーガリン ショートニング)は、禁忌です。

 体脂肪が少ない人は、直接ケトン体に代謝されやすいエクストラバージンココナッツオイルやMCTオイル(中鎖脂肪酸オイル)を飲むのがいいかもしれません。人間の脳が、大きくなったのは、栄養素の75%を脂質で取っていたからです、その時代、糖質は、わずか5%でした。

 現代人は、糖質過多の食事のため、脳委縮が若い世代から起こっています。

  最後に、運動として、1日20分程度の歩行をしてもらいます。目的は、脳由来神経栄養因子を増加させるためです。脳トレと同じぐらいの効果はあると思います。
 

 生活習慣病や認知症は、食事で起こっています。食事を変えない限り、クスリで良くすることは、難しいのですが、医療従事者は、食事と体の関係を勉強せず、原因を考えることなく治療をしていますので、決して治癒することがないのです。だから、生活習慣病が、増えることはあっても、減ることがないのです。悲しい現状です。

 北里柴三郎先生は、言いました。「食事で起こった病気は、食事で治せ」と。

※ 糖質過多の食事をすると、認知症になりやすい傾向があると思います。   2型糖尿病の患者さんは、2倍ぐらい認知症になりやすいからです。
 だからといって、糖尿病の治療をすでにされている患者さんは、低糖質食が低血糖を起こす可能性がありますので、決してしないで下さい。死亡事故に繋がります。
 2型糖尿病の患者さんの認知症の治療は、また、別の機会に発信します。
 認知症の予防は、低糖質食に尽きると思っています。





 

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