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糖質過多の食事で、体は肥満になり、 脳は委縮します!

 私は、脳神経外科医ですが、脳の疾患に、慢性硬膜下血種という疾患があります。軽い頭部外傷を受けて、その時は異常がないのですが、外傷から、3週間後ぐらいに、液状の古い血種が脳の表面にたまり、脳を圧迫し始める疾患です。そして、症状として、頭痛、食欲不振、麻痺、歩行障害、認知症の進行などが、起こります。治療は、穿頭して(頭に穴をあけて)血腫を抜くことで良くなります。

 この疾患は、私が脳外科医になった30年以上も前には、教科書的には、アルコールを常飲する脳が委縮した、高齢の男性に多く起こる疾患でした。
しかも、女性に起きることは、ほとんどない疾患だったのです、

ところが、最近、高齢の女性にこの疾患が、増加してきています。別に、女性がアルコールの常飲を始めたわけではないのです。糖質過多の食事が原因で女性の前頭葉が、委縮してきているように思うのです。

 つまり、特に女性においは、過剰な糖質(特にグリセミックスインデックの高くて、習慣性のあるパンなど)が、脳を委縮させていると考えられるのです。

 当院では、若い人達の脳も。脳ドックなどで、診ていますが、若い人たちでも、糖質過多の食事で、脳が少し委縮して、前頭部の硬膜下腔(図の赤線で囲った部位)が大きくなってきているように思えるのです。
 
 30年前には、あまり見られなかった現象です。

糖質過多の食事が、脳委縮の原因になる可能性があります。

 糖質過多の食事が、脳を委縮させている根拠を、もう一つ上げておきますが、この資料の出典を忘れてしまいました。ごめんなさい。でも、出典者も私も言いたいことは、HbA1cが高い(糖質過多で糖化度が高い)と脳が委縮しやすいということです。別の言葉で、いいかえると、糖質過多の食事で、体は、肥満になるが、脳は委縮するということです。

糖質過多の食事で、血糖が高い状態が続くと、脳は委縮します。

※現在、糖尿病の治療をされている患者さんは、低血糖発作を起こす可能性があります。(多くは、インスリンを増やして、血糖を下げる治療のため)
低血糖発作は、死亡事故につながる可能性があります。低糖質食(糖質制限食)は、しないようにお願いします。あくまで、HbA1cが5.7%から6.4%の糖質過多の食事をされている方に、警告しています。


※日本では、糖尿病は、40歳を超えるころより増加し始めます。その頃より、糖質を減らす食事に変えないと、70歳を過ぎて、老後の蓄えを、病院に支払う事になっています。誰も予防していないのです。炭水化物を6割も
とる食事が、バランスの良い、健康に良い食事とは、言えないと思います。


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