県立泉丘高校 探究学習メンター
はじめまして、楽しい学校コンサルタントSecond のどいと申します。楽しい学校コンサルタントとは、子どもも先生にとっても楽しい学校(=学びの場)づくりを”サポート”する仕事です。
https://note.com/yuj_doy/n/ne74985280029
少し前ですが、泉丘高校で探究学習のメンターを行いました
学習テーマは「模擬プロジェクト作り」。学習目標は「プロジェクトを作るプロセスでの学びを得ること」。プロセスにおいて、どういうことを意識すべきなのか?どのように動くべきなのか?を、プロジェクトのプランニングを通して学んでいく時間になります。
私が担当したグループが考えてきたプロジェクトで解決したい課題は「語彙力の低下問題」。“やばい”という言葉ばかりを使う高校生へのアンチテーゼなのだと。
「やばいって使うのやばくない?」問題
これを聞いた時に思ったことはシンプルで「やばいって使うのやばくない?ってやばくない?」
まず初めに入れたツッコミは、
「どうして、やばいと思ったの?どんな時にやばいなって感じたの?」
(それって、単に“やばい”を使うことへの課題感なのか?っていう疑問)
見えてきたことは、表現の幅がない(語彙が少ない)ことはあまり課題としてとらえていなく、
使い分けがイマイチできていない感覚(状況に応じた言葉遣い)
表現したい時に、言葉が出てこないもどかしさ(瞬間的にいろんな表現ができること)→言葉は知っているけど、使い所で使えていない状況
共感しないといけない関係性に困惑していること(コミュニケーションへの不安)
などなど。生徒たちは“語彙力の低下”とまとめているけれども、それぞれ感じている課題感は実は異なっていた。
次に入れたツッコミは、
「やばいって使うの、本当にやばいのか?」
課題感にあった”共感”というワードをきっかけに考えてみると
同じ感覚を共有する時に、やばいが一番伝わる
→言葉に表せない感覚を伝えてくれるのが”やばい”(ラーメン食べて俳句で感想言われても伝わらない)他の言葉に言い換えるまでの、”やばい”
→ えーっと、well…みたいな、考える余白を作れる などなど仲間内のだけに伝わる暗号のような”やばい”
→大人に聞かれたくないという若者言葉で、ひらがなや卍など、歴史の中でずっと生まれ続けている
など、一見する短所でも長所の側面があるという深掘りができたと。
プロジェクトを進める上で大切なことは、何を課題としていて、どういう状況になるといいのかを共有する。認識を擦り合わせること。言葉にしてまとめることは大切だけれども、言葉にすることで曖昧になってしまうことも多いなと、改めて気付かされた時間でした。
(課題が深掘りできないって、中学生までの学習はまとめることが中心であったから慣れていないだけなのかも)
他にもいろいろとツッコミましたが、最終的に生徒たちは、「この時間が一番語彙力がつきそう」とか「言葉に対する考えが深まった」「この学びを経験しているのが一番の学びだよな」と感想をもらいました。
これを「他の人にも経験してほしい」ことがプロジェクトの課題だね、と楽しい時間となりました。
共著『教師を楽しみ直す』(2022 学事出版)
イギリスにNYでモデル活動をする小学校の先生がいるそうです。その人はモデル活動で得た資金は,児童用図書の贈呈に当てているそうです。私は私が憧れた大人になれるように,ここで得たサポートを同じように役立てたいなと思いました。