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イングランドの学校の話 - SEND, EALなど

先日はイングランドの学校のざっくりした種類について書きました。
今回は、私たちが教える子どもたちの背景について、ざっくり。

ちなみにイングランドの学校のデータについては、政府の報告をご覧あそばせ。

英国の学校にはいくつかの子どもの背景についてのカテゴリがあります。その認定を受けるか否かというのは、生まれ育ちからであったり、障害であったり、経済状況であったり。学校側は、そうした認定を受けた子一人当たりにつき規定の金額の助成を政府から受け取ります。

普通校で出会う子どもたちの困難とみなされる背景のカテゴリは、ざっくり4種類です。 

  • EAL (English as an Additional Language)

  • FSM (Free School Meal)

  • PP (Pupil Premium)

  • SEN (Special Educational Needs)


EAL - English as an Additional Language

いつでもこれが困難に当てはまるとは限らないのですが、つまりは英語が第一言語でない子どものことです。お家では他の言語で話していて、英語は学校や社会で使うための言語、という子。
学校に来るまで全く英語を使ってこなかった子もいれば、すでに英語とバイリンガル、トリリンガルという子もいるので、必ずしも問題とは限りません。冒頭の絵のエピソードもそういった低学年の子からの質問でした。とはいえ、英語が第一言語の子どもでも同じ年頃ならこういう文法で話していることは多々あります。2023年のデータでは20.8%の子どもがこれにあたるそうです。


FSM  - Free School Meal

給食費無料の子ども。子どもがこの補助を受けられるか否かの条件は、地方自治体によって異なります。失業保険を受けているか、生活保護を受けているか、里親家庭であるか、など。政府のウェブサイトに郵便番号で検索できるページがあります。給食費が無料になり、Breakfast Clubで朝食が支給されるなど。Breakfast Club自体は、早番の親が預けたりなどもあるのでそこにいる子皆がFSMとは限りません。
また、Government Funded Schoolでは、Reception(準備クラス 満4歳)からYear 2(6歳)までは世帯収入に関わらずFSMに申請できるそうです。
2024年現在24.6%がFSM、去年の23.8%から少しばかり上がっています。


PP - Pupil Premium

6年以上FSMの認定を受けている子どもがPPに認定されます。先述のとおり、FSMの条件は各地方自治体で微妙に異なるのですが、つまりは家庭や養育環境が6年以上公的な助成を受けている子どもです。パーセンテージは見つからなかったんですが、学校や地方自治体がPPの子ども一人あたりに受ける助成は以下の通り。

PP 一人あたりの助成 


SEND - Special Educational Needs and Disabilities

特別な支援を要する子ども。ADHD や発達障害、知的障害、態度に問題のある子ども、言語障害のある子どもなど、あるいは優秀でずば抜け過ぎている、という場合も稀にあります。各学校にはSENCo (SEN Coordinator)の資格のある先生がいるので、その先生に相談してちょんまげと政府のウェブサイトには載ってますね。SEND認定受けられるかもの条件はこちら。現在17%の子どもがSENだそうです。


我々が教える地域は英国の貧しい地域ばかりなので、こうした背景の子どもが多くいます。ざっくり今年は全国各地児童生徒18,400人あまりのうち20%SEN, 28%FSM, 30%PP, 20%EALです。FSMとPPはだいたい被ってるのと、かなりの数の子どもが複数のカテゴリに当てはまっています。

すべてはざっくりした説明ですが、学校選びの一助にはなるのではないかと思います(何を偉そうに)。政府の公的データGIAS(Get Information About Schools)で学校を検索して、学校の名前+UK Gov で検索すれば、評価やFSMの割合などの情報が見られます。

やみつき塩キャベツのようにざっくりした説明ですが、なんとなくイングランドの教室の風景の解像度が上がってきたのでないでしょうか。え、そんなことない?おかしいな。奢りがすぎるかもしれませんね。
よく言いつけておきます。

てなわけでまた改めて。学校についてか、あるいはこの果てしないノマド生活のめんどくさい愚痴か。
お気の向くまま、お付き合いくださいませ。



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