見出し画像

日本人なら○○できるよね?!

ロンドンの春は寒い。まだ序盤もいいところなのに何度そう書いただろうか。わたしがロンドンに着いたのは4月の頭だった。日本じゃ桜が満開を過ぎたくらいでだいぶ暖かくなった頃。コートなど暑くて着ていられないような天候だ。でも、ロンドンの春は寒い。

街に出て帰ってきたら、お風呂とはいかなくとも、熱いシャワーでも浴びて温かくなった体で気持ちよく眠ろう。そう思ってシャワーを浴びに行く。不慣れな水回りってのは一番気がかりなものだが、操作的に難しいことはない。ひねればお湯が出る。そう。ひねればお湯が出た。しかし。勢いがない。なさすぎる。これはシャワーですか?というくらい、弱い。そしてわたしの体は寒さで凍えておるのだ。熱いお湯が浴びたい。しかし。ぬるい。ぬるすぎるのだ。ロンドン留学に対するわたしの心構えといい勝負くらいに、ぬるい。これは大きな誤算であった。ロンドンでは水圧の問題も結構あるようで、これは覚悟すべき第一項に加えた方がよさそうだ。ぬるくて弱いシャワーでなんとか凌ぎ、自室へ戻る。とりあえずベッドに入ってしまえば大丈夫だろう。

翌日は日曜日。下に降りるとホストファザーと末っ子の男の子はどこかに出かけていたらしく、ジョギングだかサッカーだかをやって帰ってきたところだった。子供と一緒に遊んで疲れたのかソファーで寛ぎ始めたホストファザーがわたしに言う。「日本の人は足ツボできる?」はい?日本人がみんな足ツボできるわけではないし、100歩譲ってそれは中国ではないのかえ?だがロンドンに着いたばかりのわたしは何も言えなかった。

何も言えない。だけど何言ってるかはわかる。何となく。これ、英語勉強してる人の初期段階でよくある状況よね。まさにこの時のわたしは、言ってることはわかる、だけど何も言えない、という状況だった。しかしこの時はそれに輪をかけて、言ってることはわかる、だが断る、という心境であった。

明日から学校が始まる。まずは学校がどこにあるか知らないわたし。ホストマザーが、もう一人の留学生であるイタリア人の男の子に初日は一緒に行ってもらったら?と提案してくれた。到着してからすれ違いでまだ顔を合わせていなかったが、その夜初めて挨拶をして、じゃあ明日よろしくね、ということになった。これで学校まではたどり着けるだろう。行きの地下鉄では一体何を喋ればいいんだろうねぇ。そんなことが全く気にならなかったわけではないが、これも大人のアドバンテージ、喋ることがなきゃないで、どうにかなるでしょ、ぐらいの感じ。学生とかもっと若い頃なら、間が持つかしら、通じないことだらけだったらどうしよう、聞き取れない喋れないじゃ相手に迷惑では、なんてもっと気を揉んだかもしれない。かもしれない。かもしれなくないかもしれない。わたしの性格では笑

月曜日からロンドンの中心部にある語学学校へ通う。毎日行く。朝9時から授業を受ける。夕方の4時まで。そんな生活いつぶりだろうか。日本じゃ超絶夜型のフリーランス生活のわたし。だいじょぶなのかしらん・・・?続く。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?