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【32話】幼馴染みの想いで話(唯と梨紗ちゃん)

さて、【27話】で、唯と梨紗ちゃんは高校合格後、いつもの楽器屋さんのバンドメンバー募集掲示板に、募集の張り紙をしました。
このような内容と、唯と梨紗ちゃんの写真入りでです。
しかし、いきなりハードルを上げてしまいました。

メンバーの募集です、募集だよ、ギター、ベース、ドラムです、だよ。
下手な人はいりません、上手な人でお願いします、お願いだよ。

バンドメンバー募集

「梨紗ちゃん唯ちゃん 卒業おめでとう いよいよ花の女子高生だね」
「あっ 店長さんありがとうございます」
「ありがとうだよ でも唯は花より鯛焼きだよ」
「私もそうですよ」
「まっ 二人とも しばらくは浮いた話はなさそうだね」

「それで店長さん 誰か入って貰えそうな人居ましたか」
「たくさんいたけど・・・」
「えっ 本当ですか」
「唯と梨紗ちゃんの写真を見て 可愛いとか綺麗だとか言ってる人が」
「そ それじゃダメじゃないですか」

「やっぱり 梨紗ちゃん ハードル上げすぎたと思うよ 問い合わせてきた人には 梨紗ちゃんと唯ちゃんの実力程度のこと話すと みんな尻込みしてしまって 黙って帰ってしまうよ」
「ほら梨紗ちゃん やっぱりそうなったんだよ」
「困ったわね 入学早々にと思ったけど 唯もその方がいいでしょう」
「それはそうだけど 梨紗ちゃん」
「梨紗ちゃん 少しハードル下げたらどうだい」
「そ そうですね それじゃあ書き直してみます」

ということで、梨紗ちゃん、募集の内容を書き直しました
このようにです。

メンバー募集 改

メンバーの募集です、募集だよ、ギター、ベース、ドラムです、だよ。
ハードロック中心に活動したいと思ってます、そうだよ。
今年秋の、ロックコンテストの、優勝狙っています、いるんだよ。 
私達を優勝に導いて頂ける方、よろしくお願いします、お願いだよ。 
それと、私達は高校生なので、高校生の方でお願いします、お願いだよ。
                        小鳥遊梨紗、唯だよ

「どお 唯 これなら問題ないでしょう」
「・・・ますますハードル上がってると唯は思うんだけど それに わざわざ唯の言葉を付けなくていいと思うんだよ 梨紗ちゃん」
「いいじゃない 私と唯とで募集かけるんだから」
「それはそうかも知れないけど・・・それに ロックコンテストの優勝 なんて 唯 聞いてないよ」
「今思いついたのよ どうせやるならと思って 唯は嫌」
「嫌じゃないけど・・・」

「これでどうですか 店長さん」
「んーん 唯ちゃんの言うとおり ハードル益々上がったね」

「でも 上手とは書いてないですよ ロックコンテストの優勝 というだけで 何か目標を書いておいた方がいいと思うんです 結果的には上手と言うことになってしまうんですけど 必ずしも上手だけで優勝できる訳ではないと思ってますので」

「そうだなあ 梨紗ちゃんの言うことも 一理あるかな ロックコンテストは内の楽器店のメインイベントだし 優勝者には次のコンテストまでに 5回以内でのソロコンサートをサポートする賞品があって 狙っているバンドも多いけど メンバー集められなくて断念する人も多いから かえっていいかもしてないかな じゃあ それで出してみる?」

「はい それでお願いします」
「お願いだよ」

さて、高校の入学式も終えた、唯ちゃんと梨紗ちゃん。
高校は離ればなれになって、少し寂しい唯ちゃんと梨紗ちゃんの高校生活が始まりました。

そして、1週間ぐらい経ったある日、楽器店の店長から梨紗ちゃんの家に
電話がありました。
それは、ベースとドラムの人が、今度の土曜日午後か日曜日にセッションしてみたい、との内容で、店長によると腕前は間違いはない、とのことでした。

唯ちゃんと梨紗ちゃんは、大喜びです。
これで両者納得出来れば、後はギターだけです。
特に、ドラムをやってる人は、ギターやベースと比べ、高校生では絶対数が少ないですから、それだけでもかなり前進したと言えるでしょう。

ちなみに、ギター何ぞは腐るほど居ますし、ベース何ぞは、ベース居ないけどギター余ってるから仕方なくベースでも、何て言うのも結構あります。
ただ、上手下手は別にしてです。
特にギターは、嫌になるほど下手からプロになれるのでは、と言うくらい差が激しく、本当に上手な人となると見つけるのには苦労します、もちろんベースもしかりです。

そして、唯ちゃんと梨紗ちゃんは、今度の日曜にベースとドラムの二人と、いつもの楽器屋の練習スタジオで、セッションすることになりました。

その続きは、近いうちにと言うことで。
では、また次回に、お会いしましょう。

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