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胸熱!映画『THE FIRST SLAM DUNK』

「いや、たまらんー、感動しかない」
合計3回、劇場で観終えての感想は、そんな単純な言葉でしかない。

1回目は、期待と不安が入り混じり面白かったが純粋に楽しめなかった。
2回目は、やっと完全集中して映画の世界観を堪能。
3回目は、オープニングとラスト数秒の攻防を観たいがために行った。

やっと冷静になれてきた所で
映画スラムダンクの胸熱ポイントを改めて整理していこう。

ファンの為の映画とはこのことだ!

この映画は宮城リョータの生い立ちをスタートにはしているものの
基本的には湘北高校と山王工業との試合をど頭から描いている。

ほとんど何の説明もないまま試合がスタートするあたり
こちとら何十年もみてきたファンにとっては、今日初めてスラムダンク観に来ましたみたいなZ世代の子供たちを、高速カミソリドリブルで置き去りにするがごとく、優越感が芽生えてくる。

試合中もメンバー各々のバックグランドを知らない限りニヤつけないポイントだらけなので、変に説明的なものをいれないいさぎよさには本当にうれしくなる。

まあこれだけ攻めた作りをしているにも関わらず、恐ろしい興行収入をたたき出しているあたり、シンプルにパワー勝負するゴリを重ねてしまうのがまたファンのいたいところだ笑

やっぱり井上雄彦は画力なんじゃ~

なんなんですか、あのオープニングのかっこよさは。。
歴史上、あんなかっこいいタイトルインは見たことない。

鉛筆線で描かれる湘北メンバーに
The BirthdayのBGMがのってきていて、まるでここはクローズゼロ?の世界に迷い込んだのかってぐらい、男くさい。
これからやってやるぜ感満載のあのオープニングで、一気にこれまでのスラムダンクの世界とは決別し、新らしいスラムダンクを見せてくれる予感が高まった。

スラムダンク終了以降も、その後を黒板に描いた作品や、整髪料のCMでも描かれてきたスラムダンク。そして井上雄彦としては「リアル」「バカボンド」と男くささは一層に厚みを増していった。
特にバカボンドで確立したような、筆で描いたようなタッチがこのスラムダンクに活かされてきているようで、最後の数秒間のシーンには目を見張るものがあった。

最後まで画力でみせてくれた。
これこそ漫画家井上雄彦が監督した映画の意味があったと言えるかもしれない。

宮城リョータをセンターに据える構成

宮城リョータが物語の核になるということで
賛否両論はでているみたいだが、自分としては「その発想が面白い」と
しか思えなくて、ニヤつきしかなかった。

桜木花道の成長を描くのがスラムダンクの当初の企画だったのかもしれないが、それ以上に湘北高校メンバーの各々のバックグランドの描き方が素晴らしかった。当時ドラゴンボールやキャプテン翼などのTHEヒーローしか知らなかった自分としては衝撃の漫画だった。

伝説の最後を迎えて、20年以上の時を経て
さてどういう構成するかってなった時、自分だったらどう再構築しただろうか?と考える。

今回の映画で用いられた、試合の臨場感をだすようなアニメーションのつくりは本当に素晴らしかったし、技術の進歩も確実にこの映画ははまった。
ただそれだけでは、映像的な驚きだけで終わってしまう。
新しい世代にも、何か感じてもらえるにはどうすればよいかとも考える…

その上で考えていくと桜木花道という天才を描くよりも
バスケ界では身体的に劣るリョータを据えることは、物語の構成としても必然のように思えるが、勇気のいる決断だっただろうなと思った。

『THE FIRST SLAM DUNK』
初めてスラムダンクに会う世代も、やっぱり漫画から入ってくれるといいなーと改めて思った映画。いやー、こんなかっこいい映画にもっと出会いたいなー。

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