見出し画像

ある友人の詩

美しいものしか見たくないと思っている君。
それはけっして悪い事ではない。
美しいものしか見せたくないと思う君。
それはけっして悪い事ではない。

人が人生を歩む上で、
美しいものしか手にしていない人などまずいないだろう。
君にもそれはわかっているはず。

林檎の木に美しい実だけを稔らせたい。
枯れ葉や腐った果実は美しくないから摘んでしまおう。
この木には、美しくない実が出来てしまったから、切り倒してしまおう。

体裁の美しさを求めるならこれで充分だろう。

君が求めているのはこの程度のこと?
もっと本質的ではなかったの?

自然の美しさを知っていれば、

枯れ葉や腐った果実のない矛盾、
その不自然さに気づくのは雑作もない事。
不自然に実る果実は美しいと言えるだろうか?
不自然に実る果実に何を求めるだろうか?

自然界にある全ての物の中には、レイアウトや配色でしっくりこないものはない。

自然界の本質的な美しさとは手つかずのもの。

本質的には自然界にある「人」も同じ。

じゃあどうしようか?
まずは、美しくないものも知ろう。美しくないものも見せよう。
そのうえで、愛情をかけていくしかない。
そうしなければ、美しく育っていくことなど不可能だろう。

美しいものしか見せたくない。
美しいものしか見たくない。
ありのままを受け入れて欲しい。
そう望むなら、
ありのままの姿を。

林檎の木には、必ず美しく美味しい果実が実ることを信じてる。
枯れ葉も、腐った果実もやがては肥やしとなるだろう。

この先の未来も、ありのままの君も、
未だ開かれた事無く手つかずなのだから。

人生を賭しても、稔らせたいと願う。

        ***


昔、詩を書くのが好きでした。
これは、同じく素敵な詩を書いていた高校時代の同級生の詩です。

今、彼がどこで何をしているのかわからない。けれど、こんなに素敵な詩を、私の中にだけ留めておいてはいけないと思うんだ。

見た目の美しさ、正しさ、ポジティブさ。
そういうものは、体裁だけの美しさかもしれない。

苦しさ、醜さ、ずるさ、影。
そういうこともすべてひっくるめるからこそ、美しく、愛おしい。

ひび割れたグラスに差し込む太陽の光。
そうでなければ、見えない景色というものがある。
そうでなければ、知ることのできない深い美しさがある。

10年ぶりに読んだこの詩。

また私の中に響いています。

だから、ここで紹介させてもらうことを許してね

         ***

最後まで読んでくれてありがとうございました!また目に止まったら読みにきてくださいね♪フォローやスキは励みになります!