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朝ドラ「虎に翼」の弁護士考察・第8週(弁護士の出産育児、騙された寅子)

第8週は、妊娠、引退、そして、夫の出征と、大きな展開を迎えました。

NHK連続テレビ小説「虎に翼」を視聴して、弁護士目線で気になったことを、毎週noteにしたためています。


弁護士の出産・育児

寅子は、妊娠を期に弁護士引退を余儀なくされましたが、弁護士が出産・育児と仕事をどのように両立するかは、現在進行形の課題であると思います。

弁護士の場合、1人ないし少人数で事務所を開業するケースが少なくありませんし、事務所に所属していても、フリーランスに近い形態で働くケースが多いです。

このような働き方においては、(原則として)労働基準法や育児介護休業法が適用されないため、「出産・育児と仕事をどのように両立するか」が、個々の弁護士の判断・調整に委ねられます。

最近は、弁護士会において、弁護士の育休を推奨する告知が積極的にされたり、保育サービス利用が補助されたり、弁護士の出産・育児を支援する取組みが少しずつ進められています。

また、今後、フリーランス新法の施行で、フリーランスに対する出産・育休への配慮が委託者に義務づけられることで、弁護士業界の実情にもプラスの変化があるかもしれません。

とはいえ、出産・育児と仕事の両立が弁護士業界における大きな課題であることは、今も変わりません。

依頼者に騙された寅子

寅子は、依頼者に騙されて法廷で虚偽の主張を声高に展開してしまったことで、大きな挫折を経験します。もし仮に、依頼者に騙されていることに途中で気づいていたならば、寅子はどのように対応すべきだったのでしょうか。

①裁判所に本当のことを伝える?それは、依頼者との守秘義務に反することです。

②依頼者の意向どおり虚偽の主張を続ける?
あるいは、③辞任して事件から下りる?・・・。

私見では、依頼者を説得したうえで、それでも意向が変わらないのであれば辞任することが最善の選択であるように思いますが、異論も十分ありえます。

これは、「弁護士倫理」にかかわる大変難しい問題です。

現代にも通じるテーマ

今週は、「弁護士の出産・育児」「弁護士倫理」という現代にも通じる大きなテーマが描かれていました。

過去の法曹の歴史を描きながら、現代に通じる問題提起を視聴者に投げかけてくることが、このドラマの魅力であると思います。

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