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生活

生活が戻ってきた。
以前と似てるけど少し違う。
お互いがお互いを少しだけ労っている。

僕たちは2018年2月に知り合い、同じ会社で違う国の現地採用として、彼女はシンガポール、僕はインドネシアでお互いを知らないまま数年間働いていた。
彼女は短大を出て東京で正社員をしていた。
僕は四大を出て現地採用を始めた。
彼女はツテを頼り、2015年に会社をやめて現地採用としてシンガポール支社へ入社した。
シンガポールで出会ったのは僕が転職してシンガポールに出向したから。5年前の旧正月シーズン。
あの時、僕は転職しなければ、そしてシンガポールに赴任しなければ、元同僚と再会して飲みに行かなければ、妻に出会わなかっただろう。

オレンジ色のロングスカートに黒のノースリーブ、金色のネックレスにピアス、茶色のショートカット。

顔が小さくて明るくてパワフルなひと。
そんな第一印象。
後に「明るくてパワフル」は彼女の理想の姿で実はほんの少し無理してたことが分かるのは付き合いはじめてだいぶ経ってからのことだった。

付き合って1年目は本当に迷惑をかけた。
ワンルームで暮らすふたりは3ヶ月くらいを夢中で過ごすと徐々にお互いの気に入らないところが見えてきてぶつかるようになる。それでも、楽しく旅行したりのんびりしたり、いい時間を過ごす。
2年目、僕の1番の弱点で半年に一度くらいの頻度でケンカするようになる。それは酒癖。
彼女は見事に転職を成功させて、僕は仕事である程度認められる。
そうこうしてしているとコロナがやってきて僕はまた彼女の大きさに気がつく。
3年目、結婚を意識して焦りはじめる。でもコロナは相変わらずで、僕の酒癖も相変わらずで。
4年目、ついに決意して婚約。大好きだった酒をやめた。付き合って4年の3月25日、在シンガポール大使館で入籍。ワンルームからふたり分の広さの家に引越す。よくしたケンカも少なくなった。

そしていま5年目、あと1ヶ月と少しで結婚して1年。ふたりともお互いをよく分かっている。それでもすれ違わないように気をつけて暮らしている。それがいいっていうのも分かりはじめてきた。

ようやく夫婦2年生になる。
まだまだなふたりだけど、一歩一歩、前に進んでる。
俺たちには俺たちの歩幅があるから焦らなくて大丈夫。
これからが長い人生、伸びしろはたっぷりある。
ふたりで頑張ろう。
俺たちなら絶対大丈夫。
上手くいくよ。
君が戻ってきた生活がほんとうに好きだよ。


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