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納豆オムライスの納豆はどこにあるべきなのか問題

一時帰国していた先月がもうずっと前のことに感じるが、すでに口恋しい故郷ニッポンの味。

実家の朝ごはんに限ってみると、そのほとんどを納豆がけごはんと卵かけごはんのサイクルで過ごしていた。たまに生卵を混ぜた中に納豆を投入して合体させてみたりもしてね。よく考えてみればこれって飲める完全栄養食じゃありませんこと?

卵焼きが付いてくる日は納豆ごはん
ついてきてもTKGしていたけど


フランスに戻ってきてしまった現在。しかも季節はほぼ夏。
それはつまり、生卵が食べられないという現実を意味する。

昔はそんなの関係ねえと季節関係なくビオの生卵を喰らっていたけれども、年齢とともにリスクはとらなくなったのですよね(遠い目)。


冷凍なしの生魚(しかも青魚)に生卵なんてハイリスクなことをしていた時代もあった
ひえー


ノーリスクにニッポンの味を楽しみたい。納豆とたまごと米を同時摂取できる食べものといえばなんだ?脳裏をよぎるのはただひとつ。

納豆オムライス


しかしながら私、納豆パスタは写真集ができそうなくらいつくってきたけれども、そういえば納豆オムライスって作ったことがない。これは不惑にしてチャレンジ。オラ、ワクワクすっぞ。

・・・ん?でもまてよ?

咄嗟に湧き上がる疑問。


納豆オムライスの納豆って果たしてどこにいれるのが正解なのだろうか?


オムライスをオムレツ、米、ソースの3要素に分解すると、

1、ソースの中
2、米の中
3、オムレツの中

納豆が入りうる3選択肢


いくら大量の納豆をパックから外して冷凍して日本からフランスに運んできたからと言って、貴重な貴重な日本の食べもの。ラーメン同様、多くて週1にとどめておきたいのが本音。

かくして、3週間にわたる「納豆オムライスの納豆はどこにあるべきなのか」実験が始まることとなった。


前提条件:共通食材

食材の違いに左右されすぎないように、使うものはおおよそ共通にしておこう。

・卵:2個(ビオのものを)
・納豆:1パック(前日冷蔵庫にいれて解凍しておく)
・バター:オムレツを焼く時用(ケチらずたっぷり)
・ごぼうおかか:米の味付けはこれ(大好きなごはんのおとも、納豆にも合いそうゆえ)
・納豆用やくみ:母が見つけて持たせてくれたやつ(便利すぎる日本最高)

納豆にパックがついているのは、パリで昨年の冬に買った残りの在庫だからです


1、ソース埋め込みパターン

最初につくったのは、一番思いつきやすいソースに埋め込むパターン。ソースはもちろん和風あんかけよね。大好きあんかけ。

炊き立てごはんにごぼうおかかをまぜこんで、今回買ってきたこの型で形作る。

軽く水で濡らしてから使っている

あなたレモン型っていうのね?取っ手が自立してくれるからすごく使いやすくて素晴らしいんですけど。


すこし半熟がのこる程度のオムをごはんにかぶせたら、納豆のタレ&白だしを加えた水をあたため、そこに納豆を加えて少し煮立たせたのち片栗粉でとろみをつけた和風納豆あんかけをかける。

オムレツはところどころ破けて失敗
納豆のやくみ(乾燥)もあんの中に加えた


上から軽くごまを振って、納豆あんかけオムライスの完成。

深めの大きいお皿によそうのがポイント
納豆あんかけ海にうかぶオム島と形容できよう


いやー、納豆オムライスってこんな美味しい食べものなの?と初回にして驚いてしまった。麻婆豆腐に負けず劣らず、これは飲み物です!

あんかけの納豆の食感がちゃんと残っていて、納豆の味の存在感もきちんと味わうことができるのが納豆好きにはたまらない。
あとは、オムレツが破けたところも納豆で隠せたりできて一石二鳥アルね。


カニカマ入りコロッケ、セロリの浅漬け、三陸ふのりのお味噌汁、レモンサワーとともに


2、米埋め込みパターン

翌週は、米埋め込みパターンといこう。

冷やご飯をあたためて、軽く油をひいたフライパンで炒め、そこに納豆とごぼうおかかを投入して納豆チャーハン的なものをつくる。

ポリフェノールも入っているとな


昔ながらのオムライス風に全部くるもうと思ったら、オムトレ不足のためかまたオムを失敗しそうになったので、上からのせる仕様に。

1と足並みを合わせるならソースはあんかけにすべきだよなあと思いつつ、ここは見た目を考慮してマヨと青のりがけをチョイス。かくして納豆チャーハンオムライスの完成。

マヨでオム破れを隠したかったのです・・・


液体(あんかけ)がない分、食べ応えがあって、オムと納豆とごはんそれぞれの味がちゃんと感じられる。
さらにオムと納豆をつなぐマヨの存在感がいい。
そしてあんかけの時はあまり感じなかったほのかに残るバターの風味。これはずっと噛み続けていたいやつ・・・。

一方、あんかけのときに際立っていた、納豆の食感はほぼない。味はちゃんと感じられるんだけども。

とにもかくにも、美味!!

形を変えたカニカマコロッケ、モツァレラのわさび醤油漬け、野菜たっぷりスープ、デザート(ヨーグルトとりんご)、レモンサワーとともに


3、オム埋め込みパターン

トリを飾るのは、オムレツに納豆を加えるパターン。

2週にわたってオムを失敗しているという反省から、今夜は絶対失敗できないわよドクターY、気合いを入れ直して臨む。(失敗している時点でドクターY失格)

卵をよーく泡立てて納豆を加える
タレもここで加えておこう


オムレツって勢いと丁寧さが肝要よね。

たっぷりのバターを流し込んだフライパンに卵液を注いで一気にかき混ぜ
火が通ってきたら、あらよっと

すこしヨレたけど、まあオムレツとしては合格点でしょう。

おかかごぼうを混ぜ込んだごはんの上にオムレツをのせて、2回目同様マヨビーム。

虎視眈々犬発見


最後に青のりを散らしたら、納豆オム・ライスの完成。

納豆オム自体はかなり中身半熟の仕上がり


食べてひとくち。
ん?過去2回のときのような感動がイマイチ感じられない。

なんというか、良くも悪くも一体感がない。なんだろう、つなぎがほしいというか。あんかけにしたほうがよかったのかもな。

納豆感は3つのなかで一番薄いと思う。納豆好きには物足りないかな。
これなら米とオム納豆を独立させて食べたほうがいいかもしれない。


そら豆とベーコンのサラダ、白菜のキムチ風、にんじん玉ねぎ絹さやのお味噌汁、ヨーグルト、レモンサワーとともに



総括

あんかけとマヨじゃ全然違うだろーとか、米を巻き込めばまた違ってくるかもとか、細かい違いをツッコミ出したらキリがないけれども、あくまで超個人的嗜好でいえば、「1、ソース埋め込み」か「2、米埋め込み」に納豆の居場所をあげたい。

あとはその日の気分によりけりで決める。あんかけにすると本当に飲めるレベルなので、疲れて食べる体力が少なめなときにはこちら。一方、食べ応えのあるメインがほしいときには納豆チャーハンにしてしまおうかな。3の納豆オム自体は美味しいので、おかずにしてもいいかも。

とにもかくにも、納豆オムライスという食べもの自体がとても美味しいというのがわかったこと、そして生卵食べられないライフでも納豆・卵・米の組み合わせを存分に味わう方法を開発できたことが、この3週間の収穫である。


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