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マダム・コンフィチュールの週末朝ごはん

連日晴天の北フランスからボンソワー。

今日は、マダム・コンフィチュールがお届けする、日曜日のプチ・デジュネのお話。まああれだ、フランス語をカタカナにしてオシャ感だしてるけど、要はジャムおばさんがキャッキャしながらジャム作って、いい感じの週末朝ごはんしたよって言いたいだけ。


庭の赤い実

今の家で初めてむかえる春夏。私は几帳面とズボラの両極な性格が災いして、いまだかつて植物を上手に育てたことがない。父農家なのに(涙)。

でも、冬にmûreの苗を鉢植えして根気よく水をあげたり日光にさらしたりしていたら調子がよくて、最近の私の生きる気力ですらある。

日本語だとクワの実?今年収穫できるかな。

我が家には一応、俺が走り回れるくらいの庭があるのだけど、おそらく草花たちが植っているに違いない場所はとにかく冬場枯れ散らかしていて、一体ぜんたい何が生えてるかわからない。まあそのうち何か生えてくるだろうとただ放置していたら、バラが咲いたりタイムがにょきにょきしてきたり、木苺っぽいものもできつつある。

そのなかでブルーベリーっぽい実をつけた枝もあって、いつ色がつくのかなと内心ワクワクしていた矢先、内陸から戻ってきたら、緑の実がすっかり赤く熟していた。あーこれ、グロゼイユじゃないの。

赤スグリってやつですね

早速収穫。赤い宝石のようにキラッキラ。でもとにかく、すっぱい!!!

とりあえず200グラムくらい収穫できた

グロゼイユ、スーパーでは他のベリー類同様、ちゃんとプラケースに入れられてちょっとの量で4ユーロくらいで売られている(高!)。うわこれ高級じゃん!と思いつつ、売るのは無理だからなんとか有効活用しないとなあ。ケーキの飾りに使われてるってくらいしか使い用途が思いつかないのだけれども。


ジャムの妖精はささやく

グロゼイユ収穫の翌朝、坂をくだって街の中心広場に立つマルシェまで、俺を連れて向かう。ここはイギリス対岸の港町だけあって、観光の方が多いのか英語がたくさん聞こえてくるぞ。オランダからの観光客も多いらしい。まあ北ですものね。

水曜と土曜の週2開催マルシェ。土曜のほうが俄然にぎわう。

この時期のフランスは、とにかく果物天国。いちごに桃にプラムにアプリコットにメロンにエトセトラ。

メロンもそろそろ叩き売られる頃か

ぶらぶらしていたら、いつもの一角でこの方を今日もみかけた。そう、自家製のジャムを販売しているマダム、マダム・コンフィチュール。

ちゃらちゃらりん♪♪ ここで効果音とともに、ジャムの妖精が私にささやく。「果物はジャムにすればいいのよ」。

いまだかつて、誰かが立ち寄っているシーンに遭遇したことがないのだが・・・

グロゼイユの強烈な酸味は大量の砂糖とぶつければいい感じの甘酸っぱさに落ち着いてくれるだろうと淡い期待を抱きつつ、保存容器とコンフィチュール用の砂糖などを仕入れて帰宅。


ジャムおばさん爆誕

収穫できたグロゼイユが200gで、買った砂糖は1kg。果物対砂糖は1対1の割合。せっかくお手頃に果物が手に入る季節だし、砂糖を余らせても仕方ないので、何種類か作ってみよう。

グロゼイユのほか、pêche plate(日本語では蟠桃とよばれる)、そしてabricot(アプリコット)を仕入れた。

桃だけ皮剥き後で失礼

グロゼイユはしっかり洗ってそのまま、桃は適当な大きさに切って、同量の砂糖をかぶせて数時間放置。やはりと思ってはいたが、案の定、辛党的に砂糖の量にビビる。

写真に入ってないけどアプリコットも同様。

保存容器もしっかり煮沸消毒しようね。

多分一番大きいはずのパスタ鍋使用
ギリ入り切ってよかった

15分くらいブクブクさせたら、ざるにあげて水気を切る。

結局円柱の容器は使わなくて済んだ


ここからは順番にひたすら煮詰めていく。

1、グロゼイユ

今日の主役はやっぱり庭のグロゼイユよねってことで1番バッター。グロゼイユの赤色が本当に綺麗って言いたいのに、赤い鍋使うなよ私・・・。

すでに結構水分がでてきている
火を入れ始めて数分後
ブクブク状態
裏漉しして種と皮をとりのぞく

2、ペッシュ

桃はフランス語でペッシュ。響きはピーチのほうが・・・いや、モモが一番可愛いか。

同じくじっくり煮詰めていく
あれ、なんだかこれは芋をあげているような錯覚に陥るな
ああどうしようやっぱりフリットにしかみえない

洗濯物たたんだりしてたら煮詰めすぎて反省。


3、アブリコ

アブリコって、アプリコットの可愛らしい響き台無し!といつも思っている。

アブリコは皮付きのまま煮詰める

3番目にして飽きたのか、煮詰めているときの写真がない。飽き性ここに極まれり。


ジャム3兄弟

煮詰まったらば、熱いうちに容器に入れて、蓋しめてひっくり返す。このまま放置しますよ。

このまま、翌朝まで放置。

ストウブ登場

ああ、これだけ塗るもの自体があっても、塗りつける対象がない。ほしいなあ・・・。

いでよ、ストウブ。

先日作ったものがかなりいい出来だったので、生地の配合は前回同様、ただ今回はイーストの量に合わせて生地量1,43倍、ストウブのサイズは我が家の最大サイズラウンド26cmにて作ってみることにした。

これ巨大なサラディエ(ボウル)なんだけど発酵途中であふれそう
パンッパン

生地が膨らんだら、ギンギンに余熱しておいたストウブを取り出して、切り込みをいれた生地をいれて、焼く。蓋あり20分、蓋なし20分でフィニッシュ。

焼き入れて20分後、蓋をとったところ
今回もいい感じの焼き上がり。
網にのせて冷ます


ちなみにこのかたわらでは、同時進行でなけなしのほぼラスト米を炊いて夏野菜たっぷりカレーライスを作ってたんですけどね。もちろん米はストウブ炊き。本当我が家はストウブ鍋に生かされている。

otto氏カツカレー
私カツなしカレー



日曜モーニング

ジャム3兄弟の記念撮影から始まった日曜日の朝。

桃の色悪すぎ(笑)

これらコンフィチュールとストウブパンを並べ、コーヒーを入れて、優雅に日曜の朝ごはんをいただく。

水切りヨーグルトなんかも用意したりして

左側わたくし、右側Otto氏。長いこと読んでくださっている方にはお見通しかと思うのだけど、はい、いつものあれ、あります。

ブルーのパッケージ奥にみゆる、ヌテラですね

私はさっそく、強欲にコンフィチュール3種全のせでいただく。

桃がだいぶ煮詰めすぎてこってりした色合い&硬い食感に仕上がってるけど、これはこれで全然あり。桃の反省を生かしてアプリコットはちょっと緩めに仕上げたのがよかった。グロゼイユはコンフィチュールってよりもジュレだなこれは。甘酸っぱくて一番好きかも。料理にも使えないかな。

などとひとり反省会をしている間に、相も変わらず悲しいお知らせ。

Otto氏、コンフィチュールには目もくれず、ひたすらパンにヌテラをぬってらー・・・。


俺はオールウェイズ待機だっていうのにね!


そういえば、この日、実はOtto氏の誕生日だったのよね。ってことで夜編につづく。

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