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蟹座男からの挑戦状〜フランスのカニカマ三段活用プレート

昨日の朝のこと。

今週は諸々のランデブーにつき、2ヶ月ぶりに北フランス内陸生活を送る我々(=俺🐶と私)。Otto氏の行きがけにかろうじてゾンビ起きし、お弁当とおやつを見繕い、俺と一緒に見送る。

(以下会話部分、🇫🇷=Otto氏、🇯🇵=私)

🇫🇷 いってきまーす。
🇯🇵 はい、いってらっしゃーい。

ドアを閉めるOtto氏が最後に言い残した一言が私のなかで物議を醸す。
ジュテームでも愛していますでもなく、

🇫🇷 冷蔵庫にスリミ、40本あるから。


「スリミ」とは、フランスのカニカマのことだ。
どうせいつもの誇張表現だろうと冷蔵庫をのぞけば、あら本当に40本。


20本入りが2パック


ああそうですか。今朝方の発言は、これで何かつくってということよね?
こういうのは蟹座男からの挑戦状だと捉えてしまういいえ私は山羊座の女。


スリミといえば、パリ在住時に一時期どっぷりハマって、和洋中いろんなレシピを編み出していた。ユイじょりカニカマ検索するとえらいこっちゃなレベルでたくさん記事が出てくるけれども、この記事あたりが最盛期かな。

さらに、当時細々と執筆していたNIKKEI STYLEの連載にスリミをとりあげたこともある。



夕刻。まだ何をつくろうか考えていない状況で、Otto氏に今日の夜はスリミだよとメッセージを送る。

🇯🇵今夜のごはんは(あなたが今朝言い残していった)スリミだよ

🇫🇷 焼きスリミ?
(→焼き鳥というワードを知っているから焼きを付けてみた蟹座男)

🇯🇵揚げスリミ、もしくは焼きスリミ、もしくは生スリミ
(→焼きに焼きと返すのがシャクだったので最初に揚げと返し思いつくまま三段活用させた山羊座女)

日仏夫婦のLINE会話における解説


何にしようかなと過去の投稿を眺めながら、沸々と、焼きスリミに焼きスリミだけで対抗するのはナンセンスだよなあなんて思い始める。

「揚げスリミ、もしくは焼きスリミ、もしくは生スリミ」。
アウェイキッチンなので材料も調理環境も大いに制限されるけど、そんなの関係ねぇ。

私のスリミ愛はマリアナ海溝よりも深い、全部つくろう。


揚げスリミ:カニカマクリームコロッケ

フランス一般家庭で常備しているバター・牛乳・チーズ・小麦粉あたりでできるものといえばまずこちら。かつて週2で作っていたカニカマクリームコロッケ。久しぶりだわ〜。詳しくはこのあたりをご参照のこと。

玉ねぎをバターで炒めたら小麦粉を加えて粉っぽさがなくなるまで炒め、牛乳を少しつづ加えながらダマにならないように混ぜる。よさげなとろみがついたらスリミを追投入。

玉ねぎもスリミも小さめに切る

そしてさらに残り少ないシュレッドチーズを見つけたので、どーんと。

残り少なくはなかった(汗)

タネができたら粗熱をとって冷蔵庫へ。成型前までしっかり冷やしておく。


生スリミ:カニカマとブロッコリーのオリジン風サラダ

社会人1、2年目あたりは会社近くのオリジン弁当でよく惣菜を買っていたのだけど、必ず取っていたのがブロッコリーとエビと卵のサラダ。エビはスリミでもいいじゃない?

ブロッコリー、たまご、スリミ、サムライソース

マヨがない家なことをすっかり忘れていたので、マヨはサムライソース(辛マヨ)で代用。ゆで卵をつくってブロッコリーを塩ゆでして、ちょっとの砂糖とサムライソースであえて塩胡椒で調味してできあがり。

食べる直前まで冷蔵庫へ


焼きスリミ:カニカマのスペイン風オムレツ

和風の何かにしようかとも思ったけれども、和な調味料がないお宅&私もうっかり持ってくるのを忘れたため、ここはあきらめて郷にしたがう。

北フランス家庭に必ずあるはずじゃがいもの出番ですよ〜。あと適当にシャンピニオン(champignon きのこ)とピモンヴェール(piment vert 青唐辛子)なんかも入れちゃおうね。

この時点でスリミのこり8本

まずはじゃがいも。たっぷりのオリーブオイルでつぶしたにんにくを熱したら、1cmいかないくらいの厚みに切ったじゃがいもをじっくり揚げ焼きする。

じゃがいもがやわらかくなるまでじっくり10〜15分くらい
そろそろいいかしらね

一度じゃがいもを取り出して、残ったオイルできのこと青唐辛子をオリーブオイルで炒める。

青唐辛子は2本使用

ここにじゃがいもをもどして、とき卵にスリミを割いて加えた卵液を流し入れる。

卵は3つ、軽く塩胡椒
弱火〜中火でじっくり火を通す

両面軽く焦げ目がつくくらいまで焼いたら、保温状態で待機。

ひっくり返し、そこそこ成功


オムレツに火が通った頃、Otto氏が戻ってきた。フライパン内を覗こうとする氏をサプライズだからと制止しながら、とりあえずアペロ。


アペロ後の仕上げはカニカマクリコロの成型と揚げである。当社比1.5倍くらいの大きさで俵形を作る。

俵形というより土管型

フランスのパン粉が少しだけあったのでそちらを使う。使い方には卵液をつけたのちパン粉→揚げとあったのでそのように。他人の家でオリーブオイルをたくさん使うのもアレなのでいつもよりさらに油節約。

揚げ焼きというより焼き揚げ


こうして、3レンチャンが揃った。

揚げ〜!

見た目はイマイチだけどまあ味に間違いはなかった


焼き〜!

見た目なんだかよくわからなくてチヂミ?と言われた(by日本の家族)
青唐辛子がいい仕事をしてくれた

生〜!

ここだけの話、美味しすぎてめっちゃ味見した
サムライマヨが意外にいい・・・

スリミ・ワンプレートの完成である。

コロッケにもオムにも使えるケチャを中央に日の丸のせ


食事中の会話🇯🇵🇫🇷

🇯🇵  ほれ!今日はリクエストにお応えしてplat à base de surimi(スリミベースのメインディッシュ)だよ〜!

🇫🇷 (食卓についたOtto氏)おお、なんじゃこりゃ(=驚き)。これ全部スリミ入ってるの?

🇯🇵 はいもちろん。あなた朝40本あるからって言ってたし。スリミの賞味期限はまだたっぷりあるのでとりあえず1パック20本分、調理したから!

🇫🇷ものの5分くらいで食べ終えていた

🇯🇵 揚げスリミも焼きスリミも生スリミも全部作ったの。よくできたもんでしょ?

🇫🇷 ブラボー。ただ、(朝の40本発言は)作ってほしいというのではなく、存在として在るよと言いたかっただけ。ちなみに先週時点では80本あった。(ドヤ)


このしれっとスリミ80本発言に山羊座女は思わずスリミを吹き出しそうになるとともに、1週間で40本のスリミを食べ切る蟹座男のおそるべき共喰い魂をみたのであった。


40本、アペロなどでそのまま召し上がったそうです

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