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フランスの行者にんにくでマシッソヨ!鉄鍋ビビンパ

春はにんにく。

オーストリアはウィーンにお住まいのPezioさんから、毎年決まってこの時期に届く春の便り。それがウィーンの森で取り放題だという「行者にんにく」。私はこの行者にんにく便りで毎年、春の訪れを感じていた。Pezioさん、ご無沙汰しているけどお元気にされているといいな。

Pezioさんの昨年の行者にんにく便りがこちら。

Pezioさんの行者にんにく便り一覧。ストーカーかよ。


私の場合、常識知らずなもので、恥ずかしながら行者にんにくなるものを食べたこともなければ何物なのかも正直なところよく存じ上げずでして。

ただ、フランスで春先に見かけるail des ours(直訳:熊のニンニク)がこの行者にんにくと同じものだということを認識はしていた。つまりフランスでも行者にんにくは存在はするし、春を告げる食べもののひとつのようなのである。

ちょうど先週末のマルシェ、いつも行く生産者さんのところでカゴいっぱいの行者にんにくを見つけた。あ、これは今買わないと後悔するやつだ。

マダムと目があって開口一番、ひと束くださいな。

見た目は葉っぱ、香りはにんにく!

北フランスで迎える2回目の春、今年はこちらから春の行者にんにく便りをお送りしよう。

水に刺しておいたらかわいらしい花が咲いた


まずは予備知識注入。なにせ人生初なものでね。

このサイトで、行者にんにくは通常にんにくの4倍のアリシン(強い抗菌・抗カビ作用をもち、強力な殺菌作用と共に疲労回復に欠かせないビタミンB1 の吸収を助ける作用もある健康成分)をもつ健康フードということを学ぶ。健康になりたい私にぴったり!ヨシ。

あと冒頭で、「北海道のお花見は『桜の木の下でジンギスカン』が定番で、ジンギスカンに行者にんにくを入れて食べるというのが“北海道流”のお花見です。」ってあるけど、これって本当?北海道流のお花見、なんかすごいな。


予備知識も得たところで、何つくろう?Pezioさんの行者にんにく料理集によれば、餃子におひたしにチャーハンにスープにパスタにとほぼなんでも使えるイメージ。ニラ感覚で使えばよさげかしらね?


DAY1。まずは手始めにパスタ、いってみよう。

シンプルにベーコンと合わせて、ペペロンチーノに。にんにく不要、オリーブオイルでベーコンと唐辛子を炒めたところにざく切りにした行者にんにくを加えて軽く炒め、茹で上がったパスタを入れて合わせただけ。パスタ加えてから昆布茶を少々、そして最後に輪切り唐辛子少々。

シンプルイズベストな一皿

なんとなくとろとろ卵を合わせてみたくて、レンジで速攻温玉を作ってみた。成功率3割のところ見事成功!わーい。

ということで、のせる。

とろーりがたまらない

ペペロンチーノの温玉のせ?ペペロンチーノカルボナーラ?
まあ名前はどうでもいいけど、行者にんにくが風味の強いニラって感じで実にいい仕事をしている。これは期待がもてる。


DAY2。ニラといえばニラ玉っしょ!献立にお肉が足りないと思って、冷凍しておいた豚バラも使っちゃおう。

とき卵でふんわり卵炒めを作って一度上げたら、片栗粉を軽くまぶした豚バラを炒め、こんがりしたら行者にんにくを加えて、卵と調味料(鶏ガラ、醤油、胡麻油)を加えてささっと合わせて出来上がり。超特急一皿。

色合いがまた食欲をそそる
健康的なニラ玉定食

ニラ玉という食べ物が元来とても好きな一皿なのだけど、久々のニラ玉、否、正確には行者にんにく豚玉、大正解の米泥棒。

残りの行者にんにくも米合わせになることを予測して、醤油漬けに。この時点でもう、春に爆買いして冷凍保存しておきたいんですけど、という気になっている。今住んでいるところだとニラ、手に入らないから・・・。


DAY3。前日にちゃんとした白米を炊いたので(注:ふっくら美味しい白米を炊くときには気合いと時間と心の余裕が必要)、今日もメインはごはん料理でいきたい。醤油漬けにしておいた行者にんにくを使って何か・・・ビビンパ、いかが?そういえば私、前にパリで住んでいた15区には韓国料理屋さんがたくさんあったから、家でビビンパって多分作ったことない!

あと、謎のビビンパソースが冷蔵庫に眠っていたというのもある。コチュジャンもある。

賞味期限という概念は一度捨てる

そうと決まれば、それっぽくなるように具材をそろえる。コチュジャンがあればキムチっぽいものって作れるんじゃないの?と検索したら早速出てきた主婦の味方。

右上から時計まわりに、クレソンの胡麻和え、にんじんのナムル、行者にんにくの醤油漬け、白菜のキムチ風

お肉パートは、牛ひきと豚ひき合わせて甘辛牛豚そぼろに。しょうゆが切れそうだから仕方なく焼肉のたれで。

焼肉のタレってなかなか出番がないからこういうときに使っておこう


ビビンパスタイル、どうしよう。石焼のほうが好きっちゃ好きなんだけど、あの容器ないしな。でも我が家には愛してやまない釜浅商店の南部鉄鍋があるじゃあないの。食卓にそのまま出せるし、レッツトライ!

さすがに大きいサイズは一人分だとやりすぎなので、小さいサイズの南部鉄鍋に胡麻油を熱したら、ごはんを敷き詰めて、具材を並べよう。

色が隣り合わないようにだけ注意して並べる

少し真ん中を窪ませたら、そうっと卵を割って卵黄をのせる。もっとも緊張する瞬間。

卵白はスープの具材に

ジュージューと音をたてる鍋をそのまま食卓へ。これはたまりませんな。

例のビビンパソースを添えて

箸休めにラディのピクルスをおともに。

それにしても卵黄の輝きが美しすぎる

全部よく混ぜて、いただく。

鉄鍋の新たな魅力発見

おコゲもところどころ出来ていて、ああもうこれってば本場!マシッソヨー!(美味しいー!)

ビビンパソースが辛いので、酸っぱいピクルスを箸休めに挟むのがグッド。そして鉄鍋でできた焦げも美味い。鉄鍋の新たな魅力を発見できたのも収穫。

食べながらふと、パリのコレアン食堂に行かずともおうちごはんで満足できてしまうから、これだとますますパリに出向くモチベーションがなくなるなと思うなど。いいのやら悪いのやら。


DAY4。昨晩、行者にんにくの醤油漬けを筆頭に、どの具材も半分以上余らせていたので、もうこれはビビンパ2夜連続決定でしょ。構成材料は昨日の食卓とほぼ同じで、ノーマルビビンパ。

白菜のキムチ風のみ別盛り

ノーマルにはノーマルの良さがあるな。完食。
今宵も卵黄は永遠のかがやき。


noteで教えてもらったおかげでひらけた新たな世界。
来年も行者にんにく便りを書くことにしよう。春になったら。

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