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不登校の保護者向けアンケートから見えること

こんにちは、結(ゆい)です。

このnoteでは、長男の不登校をきっかけに、ホームスクーリングという育ち方を選択した我が家のアレコレをお伝えしています。

9月5日に、「第8回 多様な学び実践研究フォーラム」の分科会に登壇させていただきました。前回は午前中の分科会についてお伝えしたのですが、今回は午後の分科会のお話です。
前回 多様な学びで育つということ

仕切り(黄緑葉っぱ)

午後の分科会では、未来地図さんが実施した不登校の保護者向けアンケートの結果を紹介しながら「保護者の考える理想の学び場」についてお話しました。

パネリストは、ホームスクーリングを実践している私のほか、岩田弘志さんと野村俊幸です。

岩田弘志さんは、現役の公立小学校教諭をされながら、トイロ‐自分から始まる学び。みんなのネットパークというサイトでも色々な情報を発信されています。
長年培われた教員としての経験をもとにして、あくまでも子供に寄り添った教育を目指している姿勢が素敵です。

野村俊幸は私の父でして、不登校・ひきこもりについての当事者会の運営のほか、全国での講演活動を行っています。
著書である「カナリアたちの警鐘」は、不登校の娘2人と接する中で得た体験を、社会福祉士という専門家の立場で理論的に語っていて、なんというかとても…オススメです。(公の場で父を褒めるのは照れますね)

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そんなメンバーでお送りする分科会は、未来地図さんのアンケート結果を読み解きながら進んでいきました。


このアンケートは不登校の保護者を対象として2021年3月にweb上で行われ、全部で1,064件の回答があったのですが、この件数は保護者団体が取りまとめたものとしてはかなりの規模なのだそうです。

ちなみに、新聞社が電話で行う世論調査は1,066人を超えると有効(※)とされています。
もちろん、不登校の保護者さんたちが積極的に回答したアンケートと、無作為抽出の世論調査の結果を同列に語ることは出来ませんが、数の規模感としてどれくらいのものなのかは伝わるのではないでしょうか。
※Wikipedia  標本誤差

このなかでも興味深かったのは「不登校の原因」です

未来地図さんのアンケートでは
1位が「子ども自身も理由が分からない」37.5%
2位が「教員との関係をめぐる問題」37.4%でした。

私も自分の不登校の原因を言語化出来たのは20代になってからでしたので、この結果は「うんうん、分かるなー」という感じです。
不登校に至るまでに頑張って登校を続け、エネルギーを使い切った子どもにとっては、原因を言語化することがとても難しいのです。

対して、令和元年度に文科省が行った不登校調査で、学校や教育委員会が回答した不登校の原因を見てみると、
1位が「無気力・不安」39.9%
2位は「生活リズムの乱れ・あそび・非行」10.3%でした。
どちらも学生本人に問題があるという項目が挙げられています。
ちなみに、未来地図さんで2位で37.4%になっている「教員との関係をめぐる問題」は1.6%です。

この数字のずれを見て「学校が問題を隠蔽している!」というのは違う気がしています。なぜなら文科省の調査で選択できる不登校理由に、「不明」という回答が無いからです。
近いものとして、「どれにも当てはまらない」という項目はありますが、教育法に基づいて子どもを管理することが求められている学校が、上部組織に提出して公表されることが分かっている調査に取り組むとき、何らかの「原因」をはっきりさせて回答したいと思うのは自然なことでしょう。

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ですから、ここで大切なのは、2つのアンケートの差異がどうかということではなく、子どもや家庭では不登校の原因が分からない、学校側から見ると本人が無気力になったり不安を感じているように見えている、という事実です。

そして原因は何であれ、その子が学校に通い続けた結果、心身ともに疲弊しているという現状をどうしていくかです。
心が傷ついているのは、外から見て分かりずらいので難しいですが、その傷やダメージは確実に存在しています。

そこからどれぐらい回復したかについても簡単に判別する方法がない以上、その子が十分休めたと感じるまで、保護者や周りの人たちは、ひたすらに愛情と安心感を注いで見守る。
これに尽きるのかなーと改めて感じました。

仕切り(黄緑葉っぱ)

前回に引き続き、余談です。
分科会後に、父とやりとりしたのですが「いやぁー贔屓目抜きでね、結さんの話が一番上手だったよ!」と贔屓目入りまくりのコメントをもらいました。
ここまで親バカだといっそ潔いですね、私も見習おうと思います笑

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「不登校」や「ホームスクーリング」など様々なテーマで連載をしているため、全体をまとめたページを作っています。
まとめ 【まずはここから】自己紹介と目次

最後までお読みくださりありがとうございました、ではまた次回!