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海が教えてくれた絆と価値観

暑い日が続きますね。
こんな日はつい海へ走りに行ってしまいます。
海へ行く度に思い出す大切なことがありました。


海に行ったから感じたこと

この地球に七つの海がある。
それは全てが繋がっていて、この地球全体の面積の70%を占めている。
では体積ならどうか。
海の底は宇宙よりも遠いと聞いた事がある。
宇宙よりもたどり着くのが難しいと言われている海の底。
世界を体積で考えると70%よりも容量が大きいのでは?

中田島砂丘を初めて訪れた時、このような思いに駆られました。
初めて中田島砂丘に行った時だと思うから2008年かな。

そして2017年、まだ春が来る前の冬。
おそらく一番中田島砂丘へ行った。
当時の私は前述した事も忘れて日本一周への出発を控えて、不安な気持ちを抱きながらもなぜか中田島砂丘へバイクを走らせていた。

砂丘なので浜の入り口から海が見えるまでは1km程あります。
浜の方へ歩いていくと段々と明りのない闇の世界へ進んでいる感覚になります。
砂丘の浜から空を眺めると星々の明りと世界の境界線が見えてきます。
街の明りと沖の闇の境界線です。
その線は意外にも明確に見えるんです。
その線を眺めていると、ふと国境なんて線は人類が身勝手に付けた線で、あるのは人類の利害関係のみ。
だとしたら、国も国籍も関係なく私たちは一つの地球人としての括りだけ。
そんな言葉が浮かびました。同時に仕事が出来る出来ないというのに拘っていた自分もバカバカしくなってしまいました(笑)
会社を辞めて、その会社でしか自慢できない業績にしがみ付いていた自分。今会社を辞めなくても、いずれ定年退職し社会にホッポリ出されるなら、今自分の意志で出よう。
というか出てしまった(笑)
そんな事を感じた日々がありました。

この海の広さと中田島砂丘で感じた事。
元々国なんて無い、人類皆兄弟。
地球人という兄弟であり親子であり、なにかしらの繋がりがある!という確かな確信を持ちました。
そんな事を日本一周の前に思えたのは幸せでした。

地域の人達との絆を感じた

2017年4月、私たちは皆地球人兄弟という思いを抱きながら日本一周へ旅立ちました。
幼い頃に吃音になり人と話すのが苦手な私。
吃音を少しでも克服したいと思っていたし、スマホ頼りの旅にするのも詰まらない。
スマホは夜のSNS更新だけの使用。
地図も紙のツーリングマップルを使用。
迷子になったら人に聞く。
困ったら人に頼る。
をルールに走り続けました。

そしたら各地に「おかあちゃん」「とーちゃん」と気楽に呼べる人を作るツーリングになったと思います。
和歌山の潮岬キャンプ場で突然話しかけてきたおかあちゃん。
四国のキャンプ場で一晩一緒に焚火を囲わせてもらった6家族のおかあちゃん、とーちゃん。
お遍路しながら会いに来てくれた鳥取のおかあちゃん。
岡山のキャンプ場の受付のおかあちゃん。
鹿児島にサイクリングに来ていた神奈川のとーちゃん。

多くの人たちにお世話になり、甘えさせてもらいました。
各地域で「がんばれよ」と声をかけてもらったり、SNSにメッセージをもらったりしました。
自分の我がままで初めた日本一周が、多くの人に気をかけてもらえて無事に走破する事が出来ました。

日本一周前の自分からは想像も出来ない自分の変化。
こんなに人に甘えることが出来たっけ?
こんなに気楽に人に話しかけることが出来たっけ?
なによりも人を目を見て話すことができる様になっていて驚きました。

海で学んだ大切な価値観

以前サーフィンをしていた時に、何度も海の怖さを体感しました。
といっても、自然と沖へ流されていたり、荒れた海に入り人間には抗えない力を感じたりといった程度ですが。
日本一周中も自然の怖さを味わいました。

日本一周の一年前に発生した熊本地震。
熊本の山道を走っていると未だに倒れたまま邪魔にならない場所に放置されている電柱が何本もありました。
地震の影響か分かりませんが、コンクリートの張替え工事で一時通行止めの道路に足止めもされました。(そこで仲良くなったキャンピングカーのご夫婦とは同じキャンプ場に泊まりました。)
東日本でもまだまだ爪痕が残っている状況でした。

海もそうですね。
一見きれいですが、実はプラスチックが沢山漂っていると言われています。
それを完全に元に戻す事は、恐らく不可能。
人類が生活をしていく中で一番影響を受けたのは海なのではなかろうか。

以前ブログで読んだ事がある。
ハワイの高級ホテルの屋上にある屋上プール。
行くと塩素の臭いがものすごい。
そこに入ってくるアヒル。
そのアヒルは海へ羽ばたいていった。
著者さんは
「あぁ塩素が海へ入る。その塩素は蒸発し世界を巡る。人類未踏の地と言われている池や川にも流れ出る。一見自然の景色かもしれないけど、そこには必ず人類の爪痕が残ってしまっている」
と感じたそう。
確かにな、とも思う。
沖縄の海や日本海側の海。
一見とてもキレイですが、それは自然が作った美しさだけではなく、人類が付けた爪痕の様な物も含まれているんだと感じてしまった。

海で感じた事から始まった人生への変化

私にとって、中田島砂丘で感じた海の広さと人との繋がりが人生を大きく変えてくれました。
そして、実際に沢山の人にお世話になった経験。
なんの見返りも無いのに手を差し出してくれる人がいる。
自分もそうなりたい。
そんな事を思った海の思いから始まった日本一周でした。

このテーマで書けて、昔よく思っていたことを改めて思えました。

#わたしと海

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