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日本一周 京都・滋賀編

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日本一細かい京都・滋賀旅行の記録。
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#旅日記

【日本一周 京都・滋賀編5】 駆け足平等院

・10円玉には収まらない国風文化  平等院鳳凰堂の最寄り、京阪宇治駅のロータリーに「大人はズルいと思いませんか?」を店名に掲げる食パン屋を発見した。そういえば最近この手の、奇を衒った店名で街行く人の注意を引きつける食パン屋をよく目にする。明石曰く、これらの店は、とあるプロデューサーの手によって数を伸ばしているらしい。とにかく目に留めてもらいたいという一心での広告戦略なのだろうが、食パンの良さをアピールするわけでもないやり方は、広告として不健康である。食パンの味に自信があるの

【日本一周 京都・滋賀編6】 惰性で寺田屋に来てみた

・歴史のエセ証人  宇治駅から三十三間堂へと向かう途上にある中書島駅の近くに、坂本龍馬の寺田屋事件の現場となった寺田屋があるらしい。我々はついでながら見物しにいった。駅前のパブの立ち並んだ極小歓楽街には、モダンな造りの銭湯があった。その佇まいは興味をひいたが、あいにく銭湯は休業中だった。残念。もっとも、開いていたとて入浴する時間はないのだけれども。 銭湯の外装  寺田屋は何の前触れもなく、ひょっこり現れた。建物は車道に面しているのだが、その道幅は狭いにも関わらず車通りは

【日本一周 京都・滋賀編9】 高級うどん

・大盛りは量が多いから大盛り  先ほど見つけたうどん屋の名前はずばり「鴨川製麺所」。京都観光客の琴線にたやすく触れる名前である。それに鴨川という単なる川の名前にもかかわらず、「鴨」という美味な食材の名前が入っているためにうっかりすると暗示にかかってしまう。注意が必要だ。  メニューはシンプルなすうどんから明太クリームうどんまで、ビギナーから上級者まで楽しめるバラエティに富んだ品揃えである。好奇心から初手明太クリームうどんの暴挙に出そうになったが、すんでのところで踏みとどま

【日本一周 京都・滋賀編13】 京都の激安宿と昔ながらの銭湯

 銀閣寺を後にした我々は、ようやくこの旅行の拠点となる「はる家 梅小路」にやってきた。僕は咋夏に京都を訪れたときに宿泊した以来だったが、相変わらず清潔で、値段も驚くほど安い(大人一人二泊で3,500円)。図書室は充実、ドリンクサービスまである最高の宿である。もっとも、フロントなるものは存在しないため、ポストにて暗証番号を受け取るという防犯意識0のチェックインをする必要がある。部屋は前回と同じ図書室棟の二階を予約していた。久々の図書室に立ち入ると、夏と同じ従業員のお姉さんが清掃

【日本一周 京都・滋賀編14】 寝床と風呂

・ベースキャンプ  本日の宿「はる家梅小路」に到着。明石が前に利用したことがあるとのことで、ハズレでないことは確実だ。宿泊棟の近所に建つ別館のポストから鍵を回収し、部屋に入る。建物は築100年余りとのことで、外観同様、内部も古めかしさが目立つが、清掃がきちんと行き届いているため、全く嫌悪感を抱かせない。このような宿に限ってトイレが汚いことはなかろうが、念のため確認してみると、比較的新型の便器が備え付けられており、心底安心した。別に古式の便所だろうと、清潔でさえあれば構わない

【日本一周 京都・滋賀編15】 夢破れてモスバーガーあり。

・楽しい夕飯  お風呂に浸かってすっかり癒された我々は、次なる幸福の一手として夕飯を所望した。最近の回転寿司業界の動きとしては、スシローの寿司ネタの鮮度のよさがずば抜けている、そんな話をことあるごとにしていたため、今晩はスシローにお世話になることを決めた。Google Mapsにて調べてみると、バスで20分のところにスシロー五条七本松店が店を構えているらしい。早速、東寺東門前からバスに揺られてがたんごとん。一路、スシローへと向かった。  一見平和そうに見えた二人だったが、

【日本一周 京都・滋賀編15.5】 京都で過ごす夜

 夕飯を済ませると、コンビニで日本酒(伏見産!)とおつまみを買い込んでからはる家に戻った。尾道に押しつけ損ねて、一日中リュックで持ち歩いた大量のみかんを宿の炬燵に並べた。実に冬らしい光景である。宿のアメニティとして置いてあった半纏を尾道にまとわせ、みかんや炬燵といった小道具を用いての「東北の純朴そうな青年」の撮影会をした。  一通り盛り上がったあとは、それぞれ自由な時間を過ごした。私は一階の図書室にあった安部公房の短編を読み耽り、心理描写によってのみ読者を惹きつける文章にひ

【日本一周 京都・滋賀編16】 天龍寺の新しすぎるシンボル

 7時起床で7時半には宿を出発する予定だったが、目を覚まして時計を見ると7時半。やばし。てんやわんやで支度をすませ、10分ほどで宿を出た。  なんとか7時50分のバスには乗ろうと近くのバス停へ急いでいると、尾道が財布と携帯を宿に置いてきたことに気がついた。現代における三種の神器を2つも忘れるとは。僕はリュックを預かり、尾道ははる家へとダッシュした。 (今思うとここまで急ぐ必要はなかったような気もするが、結果として充実した午後を過ごせたため英断だったと言えるだろう。)  

【日本一周 京都・滋賀篇17】 天龍寺の拝観料、俺たちにはちとお高いぜ

・内容に見合う価格設定  7時。アラームに起こされて寝ぼけ眼をこする。30分後に出発する予定なので、テキパキ準備を整えないと遅刻してしまう。昨夜は日付が変わるころには就寝したはずだが、それでも疲労は取りきれていないようで、体に気怠さが残っている。  ふと、明石に視線を向けると、未だ夢の中にいるようだ。じゃあもう少し寝ててもいいか。無理に起こすのも悪いし、自分もまだ寝てたいし。  こうして40分も遅れて宿を発った。  本日一発目は天龍寺。駿台の日本史講師から聞いた話だが

【日本一周 京都・滋賀編18】 仁和寺の斬新なプロジェクト

・立ち喰いスパゲッティ  仁和寺行きのバスが来るまで15分あるということで、京都仕様に茶色くそまったローソンで朝ごはんを食べることにした。  たらこスパゲッティを購入した。僕はことにスパゲッティに目がなく、常日頃からお世話になっている。その中で、たらこスパゲッティに抱くのは「信頼」。麺とバターとたらこと海苔の黄金メンツには欠点などない。不味く作る方がはるかに難しいのが、たらこスパゲッティである。  しかし、このローソンのたらこスパゲッティ。めちゃまずい。  バターの

【日本一周 京都・滋賀篇19】 仁和寺×現代アート 異色コラボとの邂逅

・ゼロ・ヒガシダ>仁和寺  御室仁和寺バス停で下車。初めての参拝のつもりでいたが、入り口の仁王門からひたすら直線に伸びる砂利道を目にした瞬間、中3の修学旅行で訪れた記憶が蘇る。(やっぱり何かにきちんと記録しておかないと記憶は綻ぶものですね)  砂利道を進んだ左手にある唐破風が施された門に惹かれて立ち止まる。欄間や側面には鳳凰や唐草模様などの精緻な彫刻が施されてあり、二人してしばらくこれらの意匠に目を凝らした。  ところで、先ほどからずっと気になっていたのだが、境内のあち

【日本一周 京都・滋賀編20】 龍安寺での暇のつぶし方

・陽だまりの石庭  続いて目指すは龍安寺。仁和寺からは徒歩でも行ける距離にあるが、時間削減のためにバスを使う。  龍安寺に着いたものの入り口がわからず、広い駐車場をうろうろしていると警備員のおじさんが「こっちだよ」と言葉少なに教えてくれた。優しい。受付でお金を払って門をくぐると、左手には大きな池があった。鏡容池という名にもかかわらず、英語の看板にはLakeと表記してあった。確かに大きいけど、湖とは強気な、、。  方丈に入ると、すぐにかの有名な石庭が現れた。観光客は数える

【日本一周 京都・滋賀編21】 京都で一番かっこいいチケット

・会いに行けるアイドル・金閣  金閣寺は中学校の修学旅行にはじまり、高校時代の家族旅行や、直近では半年前に訪れていた。そのため、ぶっちゃけて言うと訪れること自体への感動は皆無に等しかった。どちらかといえば、昨夜に夢破れたスシローへのリベンジを昼食に控えていたため、それへの布石として、腹をすかすための散歩に価値を見出していた。ごめんなさい。  金閣寺の魅力の一つに、参拝券の格好よさがある。縦長の和紙が墨文字と朱色のハンコで彩られたもので、お神札のようなありがたさが感じられる

【日本一周 京都・滋賀編22】 意地でスシローに行った話

・スシロォォォー!!  京都一の繁華街である四条河原町交差点から歩いて5分、蛸薬師通り沿いのスシローにやってきた。昨晩とは異なり、ちゃっかりしっかり「営業中」である。よしよし。 (昨夜起こった事件については、下の記事に書いてあります。  はじめてNote公式の「国内旅行 記事まとめ」に載せていただいた記事が、まさかこれになるとは、、、)  祝日ということもあってか、受付は混雑しており、待ち時間は30分もあった。しかし、スシローへの思い入れが違う我々は、それくらいのことで