見出し画像

もっと書こう。出版の経験を越えて、「大変で楽しいこと」に身を置くと決めた

昨年末、ビジネス書を出版した。

企画の立ち上がりは9月中旬。出版に向けて、10月と11月はひたすら文章を書いていた。あらゆる時間と場所を活用して、合計8万字を書いた。

出版を終えひと息ついて、静かに、でもたしかに湧き上がる気持ちがある。

もっと文章を書きたい。書く時間を増やしたい。

今までになかった不思議な感覚で、書き残しておこうとnoteを開いた。


2か月で8万字を書くはじめての経験は、試行錯誤と発見に満ちていた

文章を書くこと自体は、昔から長く続けてきた。

学校の宿題以外ではじめて文章を書いたのは、たしか小学3年生のとき。雑誌のふろくのノートにオリジナルの小説を書いた。その後、交流サイトでも小説を書き、ガラケーでモバイルサイトを運営し、ブログやSNSに投稿し、noteや個人ブログで発信する今に至る。

とはいえ、2か月弱で8万字を書くのは初めてだった。

未体験の密度で執筆する期間中、どうやって執筆時間を捻出するかをあれこれ考えていた。このスキマ時間は使えるかも、目的地近くのカフェでなら作業できそうだ……とシミュレーションしながら、スケジュールやGoogleマップと睨み合う。旅行の計画を立てるようでワクワクした。

編集者の方とやりとりしながら推敲や修正を重ねるのも、文章をより良くする意味で、同じ「書く時間」だった。

今までは自分だけで完結していた文章に、はじめて人の手を入れてもらった。手癖で使う表現に気づくきっかけにもなり、自分にもこんな文章が書けるんだ!と発見があった。


見本誌を手にしたときの寂しさから「書いている最中の楽しさ」を自覚した

12月中旬、見本誌が手元に届いたとき、喜びよりも先に寂しさを感じた。

楽しかった日々が終わってしまった……と、胸のうちに穴が空いたような、急に突き放されたような気持ちになった。「あの日々をもう一度すごせたらなあ」と焦がれ、手持ち無沙汰になった時間が落ち着かなかった。

実のところ、はじめて自分の名前で本を出した嬉しさは思いのほか薄かった。本が形になる喜びよりも、書いている最中の楽しさが上回っていた。

書いているあいだは、大変だったし、決して楽ではなかったが、とても楽しかった。いや、正しくは「大変で、とても楽しかった」のだ。


書かなくなった状態への違和感を噛み締める

本の校了を終えた後、しばらくの間、まとまった量の文章を書く気が起きなかった。

文章を書く楽しさがするするとほどけて逃げていったような感覚で、ずっと落ち着かなかった。1月から新しい仕事を始めて余裕がなくなったのも無関係ではないとは思う。

唯一書いたのは以下のnote。これ以外はブログもほとんど更新していない。

推敲のプロセスを重ねて書き上げた文章の完成度に驚き、書籍のかたちになって一度は満足した。「もういいかな」と一息つくような時期。

でも、書かない自分は、やっぱりどこか自分でないような気がした。


文章を書くプロセスに身を置き続けると決めた

書くことに向かう気持ちが静かに再燃する中で、考えていることがある。

書き続けて、書く時間を増やしたい。書籍を執筆するときのような「まとまった文章を書くプロセス」に自分を晒し続ける。大変でもかまわないから、難しくて楽しい時間をすごせるといい。

2冊目の本を出す願望もあるが、結果としてそうなるかもしれないのであまり構えない。(個人発行のZINEには興味がある。楽しそうなので。)

何はともあれ、自分のために書く。自分のためのプロセスが、思いがけず他者の役に立つだろう。まずは自分、次に他者。順番は健やかに守る。

そして、文章を書くことに没頭できる喜びと、読者の方や編集者、出版社といった他者への貢献感が重なる場所に身を置き続けたい。

きっとそれが、「仕事」という名前のものになる。


出版した書籍のこと

2023年12月に、日経BPより「仕事の速い人がこっそり使っている 最強のWebアプリ活用術」を出版しました。

このnoteでは本の内容には触れませんでしたが、私にとって大事な1冊です。ご興味ありましたらぜひ。


この記事が参加している募集

振り返りnote

仕事について話そう

カフェでおいしいコーヒーを飲みます!