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『アンリアルライフ』青い世界、記憶の旅、わたしができること。

『アンリアルライフ』、クリアしました。
制作者はゲーム開発者でありピクセルアーティストの「hako 生活」さんです。

4年前に最初にSwitchでリリースされた際も、購入してクリアしているのですが、今回は4年ぶりにSteam版をプレイしてクリアしました。

参考プレイ時間:7~9時間(エンディングまで)

今回4年ぶりにプレイしてみて、物語の核心に迫る部分などで忘れている箇所が多く、それを改めて振り返る事が出来て良かったです。

今回は、アンリアルライフの魅力を紹介していきます。


■こんな人にオススメ

以下の要素が好きな人にはかなり刺さる内容なので、おすすめします。

  • 青を基調としたドット絵、ピクセルアート

  • 夜の世界を散策

  • 謎解きありのアドベンチャーゲーム

  • 喋れる動物のキャラクターたち

青を基調としたドット絵
夜の世界を散策
謎解きありのADV
喋れる動物のキャラクターたち


■あらすじ

見知らぬ街の歩道で倒れていた主人公の"ハル"高性能AI信号機の195に声を掛けられて目を覚まします。

195との出会い

ハルは記憶喪失を起こしており、自身が何故見知らぬ場所にいるかが分かりません。

そして付近にあった"青い靴"

ハルが"青い靴"に触れると、一つの"キオク"が再生されました。

どうやらハルには、モノに触れる事で、そのモノが持つキオクを読み取る事が出来るサイコメトラーの能力があるようです。

そして、そのキオクには、"先生"が写っていました。

青い靴が持つ先生のキオク

その先生はハルの学校の先生です。

ハルは直感的に、この先生に会わないといけないと感じました。

そして、そこからハルの先生を探す旅が始まります。

青く儚い世界、旅の先に何が待っているのでしょうか。

■旅の宿「くじら」

道中では、旅の宿「くじら」という場所に辿り着き、そこを拠点にハルは様々な場所へ行くことになります。

旅の宿「くじら」には、様々なキャラクターが登場します。

・ホテルの支配人(立方体の頭をしている)
旅の宿「くじら」の支配人であり、受付も担当しています。
宿を訪れたハルに対して、宿の案内をしてくれたり、旅の助言をしてくれます。

立方体の頭をしたホテルの支配人

・料理が出来るマリモのマリー
見た目はマリモなのですが、ホテルのカフェテリアを切り盛りしており、料理が得意です(どうやって料理しているんだろう)。
ハルに対して美味しい料理を振る舞ってくれます。

料理が出来るマリモのマリー

・電車の運転が出来るペンギンのカセリ
ペンギンのカセリは電車の運転をする事が出来ます。
物語の途中、ハルを電車に乗せて目的地に連れて行ってくれます。

電車の運転が出来るペンギンのカセリ


・科学に精通したネズミのシュタイン
とても賢いネズミで、高度な技術力を駆使してハルのサポートをしてくれます。高性能AIの195とは技術的な面でとても話が合うようです。

科学に精通したネズミのシュタイン

どのキャラクターも、ハルに対して親身になって旅のサポートをしてくれます。

不思議なキャラクターたち。どこか、絵本の中のような世界(←実は重要)ですね。

■青い世界

アンリアルライフの魅力として、青を基調としたドット絵の世界が挙げられます。

窓辺から見える海
昇降機で昇る際に見える月と海

夜の空、海、月、街並み、いずれも淡い青をベースとしています
タイトル画面も夜中のビル街と青い夜空を背景にしています。

タイトル画面

淡い青と夜の世界、そういった世界が好きな人にはとてもおすすめです。

■おまけ①:わたしを救った言葉(微量なネタバレあり)

私がアンリアルライフを初めてプレイした4年前、本作の中で出てきた言葉で、少しだけ私の心が軽くなった台詞があります。

それは、幻の駅へ向かう電車の中でカセリさんが言った下記の台詞です。

「そんなもんだろ。それが正しかったかどうかなんて、誰にもわからないんだ。そん時できることを、出来るやつがやればいい。」

カセリさんの台詞より

これは、ハルが「わたしには何にも出来る事が無い」という気持ちをカセリさんに吐露した時にカセリさんが言ったセリフです。

カセリさんはこの台詞を言うシーンで他にも、ハル自身が気付いていないだけでハルが今まで誰かの役に立っている事や、カセリさんや他のキャラクター達だって自身にしか出来ない事をやっている、その時自分が出来る事を探せば良い。

といった事をハルに対して言います。

これらの台詞を聞いた時、私自身少しだけはっとさせられました。心が少し軽くなったとも言えます。

当時の私は、「自分は何者で、何が出来るのだろう。大した事も出来ない自分の役割って、何なんだろう」といったような、鬱屈とした気持ちを抱えながら生きていました。

自分がやっている事が正しいのか分からない、このままで良いのだろうか、といった気持ちです。

ただ、このカセリさんの台詞で、少し気が楽になったと思います。

自分がやっている事は正しいかどうか分からない、それでも、きっと人それぞれ誰かの役に立てている。

そして、自身が出来ない事は他の出来る人がやる。

そうやって、一人一人が互いを支え合いながら生きている。

その時に出来る事をその時出来る人がやれば良い。

もちろん、今でも、まだ「私は大したことが出来ないな」と思う事はあります。

ただ、アンリアルライフでのカセリさんのこの台詞は、たしかに当時の鬱屈した私を少しだけ救いました。

そういった経緯もあり、このシーンは作中の中でも特に好きなシーンです。

■おまけ②:制作者のhako 生活さんについて

制作者はpixelアーティストの「hako 生活」さん、現在はアニメーターのはなぶしさんと一緒に『ピギーワン SUPER SPARK』を制作されている方です。
※"hako"と"生活"の間には半角スペースが入るので注意

実は、本作『アンリアルライフ』は、hako 生活さんがほぼ一人で制作したゲームです。

グラフィック、BGM、プログラミング、等の主要部分はhako 生活さんが一人で制作しています。(※エンディングテーマ歌唱、パブリッシング、翻訳などは別の人や組織が行っています。)

アンリアルライフ以前にリリースしたゲームとしては、
・個人制作の『COLOR FINDER

アンリアルライフ後にリリースしたゲームとしては、
はるまきごはんさんと共同で制作した『幻影AP

があります。

そして、現在(2024年5月現在)はアニメーターのはなぶしさんと一緒に『ピギーワン SUPER SPARK』を制作されています。

私のhako 生活さんに対する印象としては「ドット絵が描けてプログラミングも出来て作曲も出来る凄い人」という印象があります(というか事実)。

SNSやインターネットが発達した現代において、そういったクリエイティブな事が出来るというのはかなり武器になると思いますが、それを3種類も兼ね備えている。羨ましいです。

ちなみに、スペース配信などで聞いたのですが、以前はシステムエンジニアとして会社員をしていたそうな。


■最後に

『アンリアルライフ』、4年も前の作品ですが、インディーゲームとしてとてもおすすめです。

"さわる"ことでモノの記憶を視る事が出来るゲームシステムや、
青を基調とした淡いドット絵の世界の雰囲気など、
遊んでおいて損はない、インディーゲームの名作に入る部類の作品だと思います。

私が最初にプレイしたのは4年前のSwitch版で、インディーゲームに触れ初めた初期の頃にプレイした作品にあたります。

なので、私にとってインディーゲームを好きになったきっかけの一つとなった作品です。

実を言うと、謎解きに関しては同じ場所を行ったり来たりしなければならない事が多く、少し億劫に感じる事もあるのですが、そこは少し目を瞑ります。

制作者のhako 生活さんの事を作家として好きだというのもあるので、次回作の『ピギーワン SUPER SPARK』がとても楽しみです。


『アンリアルライフ』公式ホームページ



『アンリアルライフ』Steamストアページ


hako 生活さんの公式ホームページ


『ピギーワン SUPER SPARK』Steamストアページ



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