【短歌+】足るを知る
どうやって出逢えばいいのと嘆いてる若者たちとすれ違う日々 自由形だからクロールじゃなくていい息するための泳ぎ方なら
若いときから「出逢いがない」と嘆いている人をよく見かけましたが、出逢いがないんじゃなくて、「理想とする出逢いがない」ってことなんだろうって思ってました。だってね、人はたくさんいるんだし、生きていれば、何かのきっかけで誰かと話すことはあるわけですし。まあ、なにも発展することはないんで、「出逢いがない」って思うんですけど。
キリストさんなんかは「求めよ、さらば与えられん」とか言ってたそうで。確かにね、求めないと与えられないとも思うんですけど、求めても求めても与えられない絶望を若いときに味わってきた身としては、ちょっと懐疑的になってしまいます。
【探すのをやめたときに、見つかることもよくある話で】
っていう、井上陽水さんが「夢の中で」で歌ってるんですけど、それのほうがしっくりくるなあ。「青い鳥」なんかもそうで、幸せを探してる間は、幸せを感じられない。だって、手にしない限り「幸せじゃない」のだから。でも探すのをやめたら、幸せはすぐそこにいることに気がつく。これって、けっこう真理なんじゃないかなあ。「感じるもの」だからね、幸せって。かたちとかないからね。
けど、社会はそれじゃあ困るわけです。あなたにはこれが足りない、あれが足りない、あなたはこれがない限り幸せではありません、なので、幸せになるために、これをしましょう、あれをしましょう、これを買いなさい、これを消費しないって。それで経済回るのでね。でも必要以上に消費しないことも大事だよなあ。少なくとも、自分を「足りないもの」と思い込み過ぎないくらいは。
水泳で自由形っていうと、みんなクロールするけど、みんなしてるからってしなくてもいいんですよね。もし、いちばんを決めなくていいなら、自由形は、もっと自由であるはず。個々の幸せって、そんなもん。誰かを追従しなくなったとき、あっさり何かと出逢ったりすることもある。なにかはわからないけど。
「足るを知る」。
たぶん、幸せって、それ。
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