![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89297418/rectangle_large_type_2_5b80c7fff72594ed2fa966337c10a396.png?width=1200)
Photo by
lazy_planet
毎日超短話38「放課後の日課」
放課後のわたしの日課は、焼却炉のそばにやってくる猫に餌をやることだ。
その日はその日課に先客がいた。
名札の色が違うから、先輩だと思う。
この子、あなたの猫?
別にわたしのってわけじゃ……
そうなんだね。この子に、これ着けていい?
先輩はおもむろに小さなスカーフを取り出した。
え、ああ、はい。
これ、彼氏からもらったの。別れたけど。本当は燃やそうと思ってたんだけど、踏ん切りがつかなくて。
独り言のようにそう言って、先輩は猫にスカーフを着けた。
「かわいい!」という声がふたり揃った。
猫は、にゃあと甘えた声を出した。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?