立ち止まって勝ち負けの原因を分析することが大事
坂の上の雲も6巻まで読みました。
たくさん語れるシーンはあるのだが、悲壮感漂うロシアのバルチック艦隊が一番衝撃だった。
アフリカ経由で日本海へと向かうバルチック艦隊
バルチック艦隊とは、当時のロシアが誇る最強の艦隊のことです。
それが日本との決戦に向けて、日本海へ旅立ちました。
航路はなんと、アフリカ経由。
見えづらいけど、この青いラインのルートを使った。
いやどんだけ過酷な旅なんだ。
しかも航路だけでなく、色んな側面でロシアにとって過酷な航海となった。
・日本の同盟国イギリスによる、石炭の積み込み禁止。
→石炭が戦艦の燃料。イギリスによりアフリカの主要都市での石炭積み込みができなかった。あまりにも不利な条件。
・アフリカの暑さで船員が発狂
→船内は蒸し風呂のような暑さだったらしい。ロシア人は暑さが苦手なのに。
・航海中に旅順艦隊(ロシアの別働部隊)が日本に敗北
→頼みの綱だった旅順艦隊が敗北したことによって作戦の根底が覆ってしまう。なのに、ロシア皇帝の命令によって作戦は続行。船内の指揮はダダ下がり。
・諸条件の悪さにより、日本海到達まで7ヶ月かかった。
→バルチック艦隊は疲弊。日本側は十分な準備ができた。
もう踏んだり蹴ったりすぎてびっくりした。
日本を猿と馬鹿にしていたロシア
なぜここまで雑な計画を立てたのか。
そこには、大国ロシアが日本のことを蛮族とよんで見下していたことが一つの原因だったらしい。
戦争をしたってロシアが負ける訳がない。
準備もしなくて良い。
それが結果としてあまりにも過酷な航海へとつながった。
準備不足、油断がどれだけの不幸を産んでしまうのかが分かる。
日本が強かったというよりは、ロシアが腐敗してた
日露戦争は、結果的に日本の勝利で終わった。
これは当時世界各国はもちろん、日本でさえも難しいと思っていたことだ。
なぜ勝てたのか。もちろん日本側が背水の陣で戦ったということもあるが、一番はロシア側の体制に問題があり過ぎたことが理由だと、司馬遼太郎は洞察する。
なのに当時の新聞はロシアの弱さを分析するよりも、日本国を神格化するような記事を書いてしまった。
兵力では負けていても日本の精神性があれば勝てるに違いない。そんな幻想が生まれてしまった。
負けの原因、勝ちの原因を分析することは日常でも大事だ。
たまたま運が良くて勝っただけなのに、自分に実力があると勘違いしてしまうと次は負けてしまう。
反対に仕方ない状況で負けたのに、悲観し過ぎてしまうと次勝負できなくなる。
今回も面白かった。
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